2019年10月12日に上陸した台風19号が関東地方、甲信地方、東北地方の広範囲に渡り記録的な大雨、そして甚大な被害をもたらしました。特に被害の大きかった長野県の千曲(ちくま)川や宮城、福島両県の阿武隈(あぶくま)川の流域では、 “100年に一度の豪雨”と言われるほどの降雨量だったと言います。
しかし、この数年で記録的豪雨は頻発しております。豪雨被害だけでなく、豪雪、台風、地震、津波…日本であらゆる自然災害が、毎年のように各地で発生しています。いつ自分の身に降りかかるか分からない自然災害から身を守るために、常日頃から防災意識は高めておきたいものです。
そこでミキハウス「出産準備サイト」では、2018年3月に配信した記事を再編集してお届けします。テーマは妊婦さんや小さな赤ちゃんがいるママ・パパのための「防災行動」について。ぜひ、お読みください。
日常生活のちょっとした工夫が防災につながります
2018年3月1日より、東京都は『東京くらし防災 わたしの「いつも」が、いのちを救う。』という冊子を都内各所で配布しています。こちらの冊子は、毎日の行動や習慣にちょっとした工夫や発想を加えるだけで「防災」は暮らしの中で始まるものとして、特に女性の視点に立ち編集されたものだそうです。そこで都総務局総合防災部防災管理課の田中紀充さん(※当時)に、冊子を制作した経緯などを伺いました。
「東京都は2年前(2016年)にも『東京防災』という冊子を作り、都内全戸に配布しました。日ごろからの防災への意識の醸成やいざという時の対応法をまとめたもので、実際に役立つと全国の方々から評価していただきました。そこで『東京くらし防災』では、防災は特別な取り組みではなく、暮らしの中ですぐに実行できることをみなさんにもっと知っていただこうと、女性の専門家の方々による女性目線を生かした身近できめ細かな防災についての知見を集め、紹介することになりました」(田中さん)
『東京くらし防災』の冒頭には、「いますぐできる15のこと」という項目があります。日常的な行動の中で、少しだけ防災を意識することで、いざという時に役立つというものばかりです。妊婦さんや小さな赤ちゃんのいるご家庭に限らず、心がけておきたいことなので、ぜひ、ご家族やご友人にご紹介してみてくださいね。
《今すぐできる15のこと》 (「東京くらし防災」より)
01外出先では非常口を確認
もしもの時に身を守れそうな場所や階段、広い道路など避難ルートをチェックします。
02カーテンは閉めて寝る
カーテンを閉めると割れたガラスが飛び散るのを抑える効果があります。
03食器の重ね方を変えてみる
食器は高く積み上げず、下から「中→大→小」の大きさ順に重ねれば揺れに強い安定した置き方になります。
04包丁は使ったらすぐしまう
包丁や重い鍋などの調理器具は揺れで落ちたり飛んできたりしたらケガのもと。使い終わったらすぐにしまう習慣を。
05寝転んで危険を探してみる
部屋の中のインテリアが、揺れで倒れたり、落ちてくることもあります。危ないところがないか、部屋を見渡してみましょう。
06日用品は多めに買い置きする
大きな災害の後は、流通がストップしてお店に商品が並ばないことも。もしもの時に困らないように自分に必要なものはストックしておきましょう。
07行けるときにトイレは済ませておく
発災直後はトイレに行きにくくなることもあります。普段からこまめにトイレを済ませる習慣を身につけましょう。
08生理用品はもう一周期分かっておく
被災時はストレスで生理不順になることもあります。少なくとももう一周分の備えがあると安心です。
09災害時の集合場所を決めておく
災害用伝言ダイヤルやSNSなどの連絡手段を話し合っておくことはもちろん、自宅以外での待ち合わせの約束は、「○○小学校の正門前で午前9時に」など具体的に決めておけば、会える確率が高まります。
10公衆電話の使い方を子どもに教えておく
災害時の連絡手段の一つとして公衆電話があります。子どもに公衆電話の使い方を教え、保護者の電話番号を教えて小銭も持たせておくと安心です。
11地域の行事に参加してみる
ご近所さんと日ごろから顔見知りになっておきましょう。挨拶を心がけて、地域のお祭りやイベントなどにも参加すると近くに頼れる知人ができますよ。
12災害時にペットの預け先を探しておく
できる限りペットと一緒に避難するのが望ましいですが、受け入れが難しい避難所もあります。避難所や自宅以外の預け先があると、ペットのストレスも軽減されるようです。
13赤ちゃんとの外出時に使うママバッグは使った分だけ足しておく
ママバッグはもしもの時のも使えるように、使った分をすぐに補充します。持ち出しやすい場所に置くようにすると慌てませんね。
14チョコレートやキャラメルをカバンに入れておく
チョコレートやキャラメルなどのちょっとした食べ物や水、地図をママのバッグなどに入れておくと、万が一の時に役に立ちます。
15「東京くらし防災」を読んでみる
日々の暮らしをちょっと見直す感覚で、毎日少しずつ実践できる「防災」のヒントが満載。自分のペースで備えましょう。