特集「赤ちゃんのいる寝室」第2回 
たまにはママにも自由な睡眠を!赤ちゃんもママ・パパも“幸せになれる寝室”とは

2018.08.30

ミキハウス編集部

ママ・パパにもやさしいフレキシブルな寝室を

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母子密着型の就寝が大多数を占める(日本の子育て世帯の)寝室の現実をママたちはどう感じているのでしょうか。梅本先生の調査では、家族全員同じ部屋で寝ているママの3人に1人は、「部屋に一人で寝たい」と思うことがあるとか。

この中で「常に一人で」を求めているのは3割で、7割は「時々一人」を望んでいます。理由の中には「配偶者のいびきや寝相の悪さからの解放」も一部あるそうですが、一番多いのは「たまには一人でゆっくり寝たい」という安眠欲求。次いで、「読書やテレビ等一人の時間が欲しい」という希望。梅本先生は、「夫に対する不快感というより、母子密着型育児からの一時的な開放と自分のための時間を欲するママの気持ちの表れ」と分析しています。

「自分自身の経験でもありますが、特に赤ちゃんを抱えたママたちは育児と家事と仕事で精一杯です。赤ちゃんの寝顔を見ながら眠るのは、“いやし”でもありますが、熟睡できないこともしばしば。ママがいつも睡眠不足気味では、パパとの生活を楽しむ余裕なんて持てませんよ(苦笑)。子どもができて夫婦関係が変わってしまった場合、それはママがパパをなんとなく受け付けなくなった…というようなこともあるかもしれませんが、多くの場合はママの寝不足に起因していると考えられます。なので月1回、ママをひとりでゆっくり寝かせてあげるなどして、睡眠不足を解消することも大切だと思います」(梅本先生)

1日の大半を眠りの中ですごし、成長していく赤ちゃん。そんな赤ちゃんを見守るママ・パパにとっても「寝室」は1日の約3分の1をすごす場所ですから、おろそかにすることはできませんね。この機会に赤ちゃんとママ・パパがより幸せな毎日を送るための「我が家なりの寝室」について考えてみませんか?

 

〈参考資料〉
※1 「夫婦の就寝形態の特徴と寝室・私的領域の計画課題について」(2011年)https://www.jstage.jst.go.jp/article/aija/76/660/76_660_281/_pdf
※2 篠田有子:就寝形態論 家族の構造と心、世織書房(2004年)
※3 今井範子:住様式からみた住宅平面に関する研究、京都大学博士論文(1986年)、「第4章 寝床様式と主寝室」より。1978年から1979年に行われた、マンションと公団住宅に住む家族(主に核家族)が対象の調査。第一子2歳までの77家族の83%、3歳から未就学児までの162家族の56%が親(母)子同室就寝。また、夫婦別室就寝は15%存在。
※4 Caudill, W. and Plath. D. W. “Who sleeps Whom? Parent-Child Involvmemt in Urban Japanese Families,” Psychiatry, 29, pp.344-366, 1966

 

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<プロフィール>
梅本舞子(うめもと・まいこ)
筑波技術大学 産業技術学部 総合デザイン学科 講師。博士(工学)、1級建築士。主な研究テーマは、「日本の住様式と住要求構造の関係」、「開放型の住宅計画論の構築―住まいを開くことのメリットの検証」、「セーフティネット住宅の拡充」など。共著に「受け継がれる住まいー郊外の住生活に残る和の要素」ほか。6歳と2歳の男の子のママ。

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