目的は家族のリフレッシュのために! 赤ちゃんと行くはじめての旅(前編)

ミキハウス編集部

レジャーや観光重視より、のんびり滞在型の旅行がオススメです

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授乳やお昼寝の赤ちゃんの生活リズムを考えると、はじめての旅行はレジャーや観光よりお部屋でくつろいですごすことを大切に考えた方が安心です。村田さんは、「部屋ですごす時間が長くなるので、眺望や風呂などの設備にこだわってみてはどうでしょう」と提案してくださいます。

【ホテルの選び方、決め手は?】

赤ちゃんと泊まる際、温泉で癒されたいというママ・パパも多く、旅館を選択することもあるでしょう。畳に布団だとベッドからの落下の心配がなく安心な一方で、動けるようになると、床の間の花瓶や障子など見慣れないものに興味津々、ヒヤヒヤすることもあります。旅館に事前に相談すれば、危険なものは片付けるなど配慮をしてくださるところも多いですし、最近は強度のある障子も出回っているので、そういった客室だと安心です。」(村田さん)

ホテルでも最近はファミリー向けとして、入り口で靴を脱ぐ部屋が増えているそうです。それなら赤ちゃんが絨毯の上をハイハイしても汚れを心配することはなさそうですね。

それでは、ベビークラブ会員の先輩ママはどのようにしてホテルを選んだのでしょうか? アドバイスをご紹介します。

「畳の部屋だとハイハイできて良い、部屋食もあり、雨でも部屋でゆっくりすごせる温泉はオススメ」(6か月)
「ベッドの旅館が増えているが畳に布団がやはり気が楽。8か月だと動き回るので最初に花瓶などは手の届かないところに移動させておく」(8か月)

自宅ではベッド派のママ・パパも、赤ちゃんをホテルのベッドに寝かせるのは落ち着かないという回答もありました。旅先で人気の和室ですが、自宅とはお部屋のつくりが違いますから、安全には十分気をつけたいですね。

【ネット情報は参考になる?】

最近は宿泊先を選ぶ際に、口コミサイトなどを参考にされる方も多いかと思います。こうしたネットの利用方法について、村田さんはこう言います。

「先輩ママの口コミなどは参考になる情報が多いと思います。ただし設備、備品、赤ちゃん向けのサービスなど事実についての情報は参考にしても、食事の味など人によって基準が違うことについては一歩引いて見ることも必要でしょう。口コミの時から状況が変わっている可能性もあります。宿泊先を選んだら、直接電話をかけて小さな赤ちゃんがいることを伝え、利用できる設備やサービス、不安に思うことなど詳しく尋ねてみるとよいかと思います。電話ならスタッフの方の対応ひとつで、なんとなくサービスの雰囲気もわかりますし、先方にも事情がわかるので、滞在時も配慮をしてくれるところも多くあります。口コミもいいですが、正確な情報はやはり問い合わせが一番です」(村田さん)

口コミでチェックするのは施設の状態など事実に基づいた客観情報のみにして、好き嫌いなどの主観が入る部分については「あくまで参考程度」と村田さん。気になる宿泊先には、電話で設備やサービス内容を確認した方がよさそうですね。

先輩ママもアンケートにこう回答しています。
「情報として掲載がなくても、直接宿や店舗に問い合わせればベビー用の椅子があったり、ベビーベッドの貸し出しがあったりしたので、無理だと諦めずに行きたい所には問い合わせてみるのも一つの方法だと思います」(5か月)
「口コミサイトなどで得られなかった情報は直接宿泊施設に問い合わせてみて、行ってから慌てないよう事前に調べておく」(1か月)

旅先で少しでものんびりした気分でいられるように、ネットの口コミだけではなく、事前に直接連絡して確認を取るといいかもしれませんね。

【赤ちゃんを温泉に入れても大丈夫? 泉質は?】

旅先で気になるのが、温泉に小さな赤ちゃんを入れていいのかということ。「一口に温泉と言っても泉質はいろいろ。体にやさしい単純泉なら安心ですし、刺激性の硫黄泉、酸性泉、放射能泉などは避けましょう。湯温は、37~39°Cのぬるめがオススメです。大浴場は雑菌も気になる方もいるでしょうし、湯温の調整ができ、パパの手が借りられるという点でも、貸切風呂や客室露天風呂などを上手に利用されるといいですよ。皮膚が薄くて体の小さな赤ちゃんはすぐに温まってしまうので、少しつかる程度で大丈夫。新鮮な温泉にタオルを浸して、それで体を包んであげるだけでも温泉効果があります。大人と同じようにお風呂に入るとのぼせてしまうのでお気をつけください」(村田さん)

温泉に入れるのが心配なら、客室のお風呂が温泉ではないところを選んで、赤ちゃんは客室で体を洗ってあげてもいいかもしれません。温泉に関しては、先輩ママのこんな経験談も。

「“赤ちゃん可”となっている旅館でも、オムツがとれてないと温泉に入れないところがありました。予約前に分かると助かると思いました」(9か月)
「温泉付きの個室にしたら赤ちゃんのペースでお風呂に入れることができ、ママもゆっくりお風呂を楽しめた」(6か月)

脱衣所にベビーベッドはあるか、浴室内に赤ちゃん用のいすはあるかなど、入る前にチェックしておきましょう。赤ちゃんが他のお客さんと同じ浴槽に入れるお風呂でも、まず体をシャワーでしっかり洗うなど配慮を忘れずに。

※    ※    ※

子育ては毎日続くもの。時には旅行に行ってリフレッシュすることも必要ではないでしょうか。ママやパパが元気で子育てを楽しめれば、赤ちゃんもハッピーになりますしね。

さて、続く後編では高速道路や公共交通機関を使う時の注意や、赤ちゃん連れの旅に便利なものなどを取り上げます。

 

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【プロフィール】
村田和子(むらたかずこ)
旅行ジャーナリスト 旅で子どもの知的好奇心やコミュニケーション力を育てる「旅育」を提唱し、『旅育BOOK~家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ(2018年・日本実業出版社)』を出版。1児の母。息子さんが9歳の時には、子連れ旅行で47都道府県を制覇し、海外旅行の経験も豊富。子育て向け雑誌や新聞など、各種メディアで子連れ旅行・旅育について紹介。現在はトラベルナレッジ代表として、講演やコンサルティングなど、幅広い活動を旅の魅力を伝えている。

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