七野先生によると「ビタミンDは魚やキノコ類には多く含有されているものの、他の食物にはほとんど含まれていないために食物として摂れる量は限られています」とのこと。
「大人も子どももだいたい10~25マイクログラムが一日の必要量ですが、食物から摂れるのは5マイクログラム程度。残りは紫外線に当たって作らなくてはならないんです。ただし水分と一緒に体外に排出される水溶性の栄養とは異なり、ビタミンDは脂溶性ですから、体の中で作られるとある程度留まっているという特性を持っているので、毎日必ず摂取しなくてはいけないと神経質になる必要はありません」(七野先生)
上の表からも分かるようにビタミンDは魚類ときくらげに多いのですが、必要量を食品からだけ摂取するのは大変そうですね。やはり紫外線の力を借りてビタミンDを作ることが必要なようです。
日光浴の時間について環境省の「紫外線環境保健マニュアル」(※)では、「10マイクログラムのビタミンDを生産するのに必要な時間」として、標準的な肌タイプの日本人(日に焼けると赤くなるものの数日で小麦色に変わる)なら、東京都心の雲が少しある日の屋外という設定で、8月1日の昼ごろなら両腕と顔を露出した状態で日焼け止めをしていない場合は3分間、1月1日の昼ごろなら顔と手を露出して日焼け止めをせずに50分と試算しています。
紫外線をカットする日焼け止めを使用していたり、顔や腕を衣服や帽子などで覆っている場合は、さらなる時間が必要ということになります。顔が焼けてしまうことに抵抗がある方は、手足だけちょっと長めに紫外線に当てるなど“工夫”をしてみてはいかがでしょうか。