新入園の季節
この春、子どもを保育園に通わせるママ・パパに読んでもらいたいお話

ミキハウス編集部

保育士さんはわが子の成長を見守ってくれる子育てのパートナーです

保育園での子ども

――ちょっと視点を変えた質問になりますが…保育士さんからママ・パパに要望があるとしたら、どんなことでしょう。

田所さん:一番うれしいのは、保育士に話しかけていただくことですね。コミュニケーションをしっかり取れるようにしていただきたいです。どうしてこんなふうにするのかなとか、ちょっとでも疑問があるなら直接たずねていただきたいと思っています。保育士は同時に何人もの子どもたちの世話をしているけれど、一人ひとりに愛情を持ち、健やかな成長を願って接しています。そんな子どもたちの保護者の方ともたくさん話して、いい関係を作りたいと思っているんですよ。

――でも保育士さんはいつも忙しそうで、声をかけにくいという先輩ママの意見を聞くことがあります。

田所さん:そう思われているのであれば、保育士としては申し訳ないことだと思います。でも遠慮はいりませんから、忙しそうにしていても話しかけてみてください。お散歩の回数のこととか、家ではこうしているとか、お昼寝の時間とか、何でもいいんです。保育士もお子さんをより深く理解できれば、もっと適切な保育ができるようになるでしょう。保護者の方にも園の方針や意図など話すことでわかっていただけることはあると思うんです。保育士と保護者の方の信頼関係ができれば、お子さんはもっと園での生活を楽しめるようになりますよ。

――なるほど。保育士さんとコミュニケーションを取る努力はわが子のためですね。子どもたちは長い時間を保育園ですごしますから、保育士さんの存在感は大きいですよね。

田所さん:昼間の時間のほとんどを保育士とすごしていますからね。最近は延長保育のお子さんが増えて、長いお子さんでは12~13時間も保育園でお預かりすることがあります。長時間保育になると、お友達が次々と帰っていくわけですから、お子さんもちょっとさみしい思いをするかもしれない。ですから私たち保育士は、お迎えまでの時間をできるだけリラックスしてすごせるような配慮を心がけています。

――長時間保育の増加以外で、最近の保育園が変わったと思われることはありますか?

田所さん:お父さんの姿が日常的に見られるようになったことでしょうね。10年ぐらい前にはまだ珍しかったのですが、今では朝夕の送迎や保護者会にお父さんが来られるのは当たり前です。自然体で子育てに関わるお父さんの姿は確実に増えています。

――子どもたちを取り巻く環境は保育園でも変わりつつあるんですね。これは“喜ばしい変化”と言えますね。

田所さん:そうですね。そういう家庭で育つお子さんたちが、これからの家族のあり方を変え、子育てに対する社会の価値観も変えていくのでしょう。お子さんを真ん中にして、お母さん、お父さん、保育士が手を取り合って、お子さんに最良の保育をしていく。それが保育園のあるべき姿だと思います。


巣立ちの季節はもうすぐです。保育園は万全の準備を整えて、子どもたちを待っています。保育士さんと保護者が、子どもの成長をともに見守るパートナーとしての関係を築いていけるといいですね。それでは家族みんなが元気で新しい生活をスタートできることを願っています!

田所真由美(たどころ・まゆみ)

江東区こども未来部 保育計画課 運営指導係長(保育待機児童対策担当係長 兼務)
平成21年度から平成26年度まで江東区立保育園園長を努め、平成27年度から江東区こども未来部保育計画課運営指導係となり、現在に至る。

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