3人に2人が経験アリ 
デジタル時代、夫婦で「あえての手紙」がもたらすもの

2021.01.28

ミキハウス編集部

夫と交わした“ラブレター”……今読むのは恥ずかしいけど、いつか読み返したい。

夫と交わした“ラブレター”……今読むのは恥ずかしいけど、いつか読み返したい。

次に紹介するのは、Jさん(会社経営/子ども:7歳と3歳)とTさん(会社員/子ども:5歳と9か月)、Mさん(会社員/子ども:4歳と1歳)の3人のママ。皆さん、結婚前から結婚後の一定の時期まで、月1回から年数回という頻度で、夫と手紙のやり取りをしていたそう。

結婚記念日や誕生日のプレゼントに添えたカードに、ふたりの思い出や感謝の気持ちを書いて渡していたというJさんはこう言います。

「私が手紙を書いたのは、面と向かって言いにくい『ありがとう』 や『これからもよろしく』という言葉でも、手紙ならうまく伝わる気がしたから。一番印象に残っているのは、不妊治療がうまくいかなかった数年間に交わした手紙ですね。そのやり取りの中で、落ち込みがちな私の気持ちをちゃんと分かってくれている夫を頼もしく感じたし、この人とならこれからもがんばれると信じることができました。子育てと仕事に慌ただしく時間がすぎてしまう最近は、残念ながら手紙を書く機会がなくなってしまったけど、あの当時、互いに手紙をやり取りしたことはとても大切なことだったと思います」(Jさん)

一方、Tさんも結婚前に月に1回のペースで手紙のやり取りをしていたそう。

「夫と出会って、結婚するまで4、5年でしたけど、毎月続けていました。手書きの文字は書き手の温度感が伝わってくるんですよね。文字を間違えて消している跡にさえ、その時の彼の様子が心に浮かんで、うれしくなったものでした」(Tさん)

Mさんも結婚前は記念日などに手書きのメッセージを送りあっていました。3人のママたちが実感したのは、気持ちを整えて言葉を選びながら書く手紙の“伝える力”のようです。

「今の時代はSNSやメールなどのデジタルツールで常につながっているように思えるけれど、頻繁なやり取りの中で埋もれてしまう言葉もあるような気がします。お互いへの感謝や思いやりは、手紙にした方が伝わりやすいんじゃないかな。今でも当時の便箋や封筒が残っていて、それを見るだけで手紙を書いた時の気持ちを思い出して、懐かしかったり、ちょっと恥ずかしかったりするんですよね」(Mさん)

形として残るがゆえに、実はデジタルよりアーカイブ性が優れているのでは、という体験者ならではの意見も出つつ、そのアーカイブ性が「恥ずかしさ」を感じさせることもあると、3人が口を揃えます。

「恥ずかしいという気持ち、よく分かります。私自身も、ふたりの関係性も、当時とはずいぶん変わっています。その頃の自分たちを思い出すと、恥ずかしくて手紙を読み返すなんてできない! でも、絶対に捨てることはできない大切なものなんですよね」(Tさん)

「私も同じですね。捨てられません。でも、子どもには絶対読まれたくないから、全部まとめて隠してあります。おそらく、いつか読み返したいと思う日が来るのだろうと思うんですよ。たとえば、お互いにおじいちゃん、おばあちゃんになった頃、『あの頃は楽しかったね』なんて、若い日を懐かしく思い出せるのは素敵な事じゃないかなぁ」(Jさん)

子育てに忙しいこともあり、かつて記念日などで送り合っていた手紙の習慣もなくなったとTさんもJさんも漏らす中、Mさんは、最近になり夫婦で交換日記を始めたそうです。

「私は子どもが寝てからでなくては自分の時間が持てないけれど、夫は朝が早い仕事なので夜も早く寝るんです。そうすると大事なことでも、子どもがいるところで話をするしかなくて。だんだん会話がわかるようになってきた上の子が、ふたりの間に入ってきてしまうようになりました。それで夫から提案されたのが交換日記です。育休中の私が日常生活とか子どもの成長の様子を書くと、夫からは仕事のことや今やりたい事について返事がきたりします。彼がマメなので続いているんですが、ふたりのコミュニケーションにすごく役立っていると思います」(Mさん)

手書きの文字からにじみ出す思い。机に向かって一生懸命書いている様子まで思い浮かんで、ほっこりと温かい気持ちになりますね。ふたりの思い出がたくさん詰め込まれた“ラブレター”は、老後の何よりの楽しみになりそうですよ。

次のページ 約95%のママ、パパが手紙で絆が深まったと回答しました

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