新型コロナ予防のためにマスクや手洗いをし、密を避ける“新しい生活様式”を余儀なくされたこの1年、家族の暮らしはどんな風に変化したのでしょうか。小さな子どものいるママ・パパや赤ちゃんを迎えようとしているプレママ・プレパパはこの環境をどう受け止めているのでしょう。
ミキハウスでは、〈“コロナ禍の1年”を子育て世帯はどうすごした? コロナ禍の子育てリアル調査〉と題したアンケート調査を、「ミキハウスベビークラブ」の会員様を対象に昨年12月18日から今年1月18日まで行いました。調査結果から見えてきた“本音”は、多くのママ・パパが家族とすごす時間が増え、絆を強めていることを肯定的に捉えている様子でした。
(調査概要)
回答を寄せてくださったのは7,600名のミキハウスベビークラブ会員のみなさまです。男女の割合は女性98.2%、男性1.8%。お子さんはおひとりの方が一番多く52.1%で、おふたりいらっしゃる方は16.9%でした。現在妊娠中の方も27.2%います。
“家族時間”が増えたと回答した方の約68%が「よかった」と回答
コロナ禍の中、飛沫感染や接触感染を防ぐためのマスク着用やこまめな手洗い、3密防止など、これまでにないさまざまな気配りや工夫が求められています。そこでまず尋ねたのは、コロナにより生活習慣や外出の頻度など、家族の暮らし方に変化があったか否か。
実に95%近くの方が、マスクを着用し、こまめな手洗いなどを実践していて「衛生意識が向上」したと回答。この冬インフルエンザなどの感染症が減少しているのはこうした対策の効果と言われていますから、ずっと続けていきたい習慣ですね。
また、「お友だちと遊ぶ機会が減った」(81.5%)、「外遊びが減った」(68.2%)、「実家に帰る頻度が減った。帰らなくなった」(41.1%)から見えてくるのは、ほとんどの時間を自宅か、決まった場所でいつもの相手とすごしている様子です。
続いての質問は、家族とすごす時間の増減について。職場でリモートワークが推奨されたり、通勤時の混雑緩和のための時短勤務が導入されたりと、働く環境も大きく変化したこの1年。平日であっても、ママ・パパが家で仕事をしている姿が当たり前になった家庭も少なくないようです。
これは大方の予想通り、「かなり増えた」(36.8%)、「どちらかというと増えた」(31.5%)、と「増えた」と回答された方が68.3%に上りました。多くの家庭で一緒にすごす時間が増えていることがわかります。一方、少数ですが「減った」(2.2%)と答えている方もいて、コロナ禍で忙しくなったママ・パパもいることがうかがえます。
つづいては【コロナ禍となり、ご自身のお仕事状況に変化はございましたか?】という質問。こちらの結果は、54.7%が「変わらない」という回答。その次に多かったのが、「仕事を辞めた」(10.2%)です。回答者はほとんどが女性ですから、新型コロナの感染が拡大していく中で、仕事より子育てを優先した、優先しなければならなかった、もしくは自身の意思に関わらず、辞めることになったママ・プレママも少なからずいたということでしょう。
なおその他の結果については、「完全リモートワークではないけれど、出社の頻度が減った」(9.2%)、「(春の)緊急事態宣言時にはリモートワークになったが、しばらくすると元に戻った」(7.9%)、「いまだにほぼリモートワークだ」(4.1%)という順になっています。
さて、コロナ禍で家族との時間が「かなり増えた」、「どちらかというと増えた」と回答した計5,190人の方に、増えた時間をどう感じているかをたずねました。
「『家族の時間が増えたこと』はよかった」と答えた割合は67.8%。多くの方が、家族時間が増えたことを、肯定的にとらえていることがわかります。コロナ禍の生活は衛生面の気配りや外出自粛など大変なこともあるけれど、家族とすごす時間の喜びや楽しさなど、思わぬ副産物をもたらしているようですね。
一方、「どちらとも言えない」(28.1%)と「よくなかった」(3.3%)の方は、ステイホームによる新たなストレスや悩みを感じているということでしょうか。
ちなみに、具体的にどんなよいことがあったのか、についてもお聞きしています。
「以前よりも、パートナーや家族と会話するようになった」(63.2%)
「以前よりも、みんなで食事をするようになった」(50.6%)
「子どもの成長をじっくり見守ることができた」(47.3%)
「以前よりも、子どもとたくさん遊ぶようになった」(18.9%)
このように、多くのママ・パパが生活の変化を実感しています。
その結果として、
「家族を大切に思うようになった」(53.2%)
「お互いの仕事への理解が深まった」(20.2%)
といった家族に対する意識の変化があり、
「お互いに家事分担の意識が高まった」(33.0%)
「子育てや家族の未来(将来設計)について語り合うことができた」(31.1%)
という具合に “よいこと”が次々と増えてくるようにも読み取れます。
続いては、コロナ禍の生活が家族との関係性に及ぼした影響についてお聞きしました。
【コロナ禍でご家族との関係性に変化はございましたか?】
この質問に対して、「おおむねよくなった」は13.3%、「どちらかというと悪くなった」は3.5%、「特には変わらない」が80.2%という結果です。
変わらないが約80%。暮らし方は変わっても、家族の関係性は変わらないという答えが多いのは、以前からいい関係だったということなのでしょう。一方で、よくなったと回答された方が約13%と、悪くなった方を大幅に上回っているのも印象的です。
どのようなところで、「よくなった」と感じているのでしょうか。自由記述式で答えていただいた回答からいくつかをご紹介しましょう。
・どこかに出かけることは減ったが、2人の時間が増えケンカも減った(ママ、27歳)
・夫がリモートワークになり、0歳の可愛い期間に一緒にたくさん子育てできた(ママ、32歳)
・家の中で家族一緒に遊ぶことが増え、子どもと料理したりお手伝いしてもらったり、いいコミュニケーションが増えた(ママ、40歳)
・よく会話をするようになり、主人も仕事の話もよくしてくれるようになり、お互いのありがたみが増した(ママ、33歳)
一方、「悪くなった」と回答された方のコメントです。
・旦那がリモートワークで昼食を作る手間が増えた。子どものお世話をあまり手伝ってくれない。仕事に集中させるために子どもを静かにさせたりしなくてはならず気疲れした(ママ、31歳)
・衛生面に対する価値観が合わない(ママ、36歳)
・先が見えなかった頃、子こどもと過ごす時間が長いとイライラが増し、自分の時間が減ることで育児に対して心の余裕がなくなった(ママ、34歳)
リモートワークや時短でママ・パパのおうち時間が長くなると、夫婦のすれ違いが少なくなり、今までは変わるはずがないと思っていた育児や家事の分担について見直す余裕も出てきた方もいる一方で、夫婦間で価値観の違いを感じて、やりすごせない場面が増えたことでストレスを感じていると方もいるようです。