I:イヤイヤ期が終わるのはいつ頃でしょう? 言葉で気持ちを伝えられるようになったら終わりますか?
佐久間先生:言葉がうまく操れるようになることも必要でしょう。また3~5歳ぐらいで脳の機能が発達してくることが、イヤイヤ期の出口と関係があるとも言われています。イヤイヤ期が強くて、「お名前は?」と聞かれても「イヤ!」と答えるほどの子どもでも、自分の気持ちを抑制したり、切り替えたりと心のコントロールができるようになるといつの間にか終わることが多いですね。
I:一般的なイヤイヤ期をすぎた後も、ずっとイヤイヤが続いているようなケースもありますよね。
佐久間先生:そうですね。もし「終わらないな」と感じるなら、一日を振り返ってどういう時にイヤイヤが起きたのかを親御さんは思い返してみたらどうでしょう。子どものこだわりや親の思い入れなどがすごく強くて、ぶつかりがちなポイントがあるのかもしれません。それがわかれば、子どもにどうしたいか聞いたり、親がどうしてほしいのか話したり、一緒に対応を考えることができますよ。
I:ところで、イヤイヤ期の子どもがいるママ・パパが一番困るのは、外で「イヤ!」と泣き叫ぶ子どもをどうしたらいいかということなのですが、対処法はありますでしょうか?
佐久間先生:場所やその時の状況が許すのであれば、子どもが落ち着くのを少し待つという方法がいいだろうと思います。でも親側の余裕や、周りの迷惑も考えるとなかなか難しいでしょうから、結局、泣く子を抱えて連れて行くということになりますかね。その時に無言で抱き上げるより、「ここで泣くとみんなに迷惑だし、お母さんも困っちゃうから違う場所に行こうね」などと説明しながら連れて行くと、その時は聞いていないようでも、少しずつ理解するようになるのではと思います。
I:怒るというのは効果的ではないですか?
佐久間先生:強く叱るということですか? 子どもを怖がらせて黙らせるのはその時は効いても、怖くて嫌だったという記憶しか残らないでしょう。どうして自分が叱られているのかということに気づかなければ意味がありません。
危険なことをした時は強く叱らなければならないけれど、自分を主張するために「イヤ!」を繰り返すわが子に感情的になって声を荒げてしまったことは私にもありました。後で反省して、よく考えてみると、仕事がすごく忙しかったり、夫と言い争いをした後だったり、子どもの「イヤ!」だけではない理由があったものです。イヤイヤ期のわが子に落ち着いて向き合うためには、親の気持ちに余裕がなければ難しいかもしれませんね。