ミキハウスはベビークラブ会員さまを対象に、1年に1度、子育ての喜びや感動、苦労などを五・七・五の17音にのせた「ミキハウス子育て川柳」を募集、優秀作品を発表しています。
第3回目となる今年もたくさんのご応募をいただきました。応募総数786句の作品の中から、優秀作品に選定された11句をご紹介します。
丸2年を経過した「コロナ禍の子育て」。子育て中のママやパパはどのような本音を川柳で表現してくれたでしょうか。子育ての悲喜こもごもが凝縮された「ミキハウス子育て川柳」の優秀作品をごらんください!
まずは1本目から。コロナ禍で、里帰り出産ができないケース、もしくは逆に行き来がしづらくなったことで、出産前後に里帰りする期間を長くするケースなど、変化を余儀なくされています。そんな里帰り出産を終えて、自宅に帰ってきたママが思わず漏らした“本音”。
【作者コメント】
里帰りを終えて帰ってくると何も子育ての理解がない夫が待っていて大変でした。
【ミキハウス子育て川柳選定委員からのメッセージ】
ちょっとがっかりしちゃったママの切ない気持ちを、この川柳は豊かに表してくれていますね。ちょっとどういうこと?と思ってしまう心を押さえ、静かな言葉を選んでおられるからこそ、そのブルーな情景や辛さを見事にされていると思います。でも、大きな子という表現に、ママの愛を感じます。
続いてはリモートワークでの“あるある”。自宅でのお仕事の機会が増えると、こういうアクシデントもありますが、ちょっとほっこりしますよね。
【作者コメント】
リビングで赤ちゃんにミルクをあげていた時のこと。すぐ近くでWEB会議をしていた主人のマイクに子どもの大きなゲップの音が入ってリモート先の相手に笑いが起きた。会議の相手は子どもが産まれたことを知っている人ばかりだったので空気が和やかになった。
【ミキハウス子育て川柳選定委員からのメッセージ】
思わず笑ってしまいました。同じような経験をした人は日本中にたくさんいらっしゃると思います。コロナ禍だからこその出来事であると同時に、ママや赤ちゃんへのまわりの人たちの優しい気持ちが伝わるあたたかな川柳ですね。
この1年、いや2年にわたり、リアルに友だちや知人と会えない時期も多かったですが、その反面、SNSでの繋がりは深まりましたよね。
【作者コメント】
コロナ禍での妊娠中、出産、育児中、一番精神的に助けられたのは月齢の近いツイッターのみんなでした。顔も名前も年齢も住む場所も知らないけどこれからも心強いかけがえのない戦友たちです。
【ミキハウス子育て川柳選定委員からのメッセージ】
この川柳は、今の子育てママの状況を一番表現している!とすごく共感できました。タイムラインで流れてくるエピソードはもちろん、つぶやいたことに優しくコメントしてくれたり、応援してくれるツイ仲間。この時代を生き抜くたくましいママからのエールでもありますね!
コロナ禍で“日常”になったものといえば、やはり「手洗い」ですね。ちょっと面倒だなと思ったり、普通じゃないよな、手洗いそのものを後向きにとらえてしまいがちですが、こうやって前向きなことを言われると、パッと目の前が明るくなるような気がします。
【作者コメント】
保育園で手洗いの仕方を教わって帰ってきた日。 家での手洗いの時に息子が言った言葉です。 それまではちょいちょいピッピッと雑だったのが、しっかり洗えるようになりました。
【ミキハウス子育て川柳選定委員からのメッセージ】
小さいながら手洗いが大事!とわかっている息子さん。手洗いが上手と保育園でも先生に褒められたのかもしれませんね。やる気を出して、一生懸命手を洗っている姿が思い浮かびます。そのうちママやパパにも良い手洗い方法を教えてくれるようになるのでは?
昨年同様、今回もコロナ禍における立ち会い出産について詠んだ川柳はたくさんありました。それだけ、ママやパパにとって出産時に立ち会いができる、できないは重要な問題なのですよね。
【作者コメント】
ずっと昔から産むときは立ち会いと思い続けていたが、全く無理だった。検診から1人だった(笑)
【ミキハウス子育て川柳選定委員からのメッセージ】
出産は立会い出産でと願っていたことが、コロナ禍のため実現できなかったやるせない気持ちが伝わってきます。大変でしたね。その気持ちをストレートすぎるくらい「お断り」という一言に込めた一句です。潔さを感じます。
立ち会い出産はできなかったけど、結果オーライという方もいたりするようです。続いては、そんな新米ママの“ここだけの話”――。
【作者コメント】
当初立ち会い出産を予定しておりましたが、コロナで立ち会いができませんでした。ただ、実際に分娩の時になると、ここに主人がいたら…と思うほど、自分が身のふり構わず出産に集中し、その時の顔を見られたら…と思うと、立ち会いしなくてよかったかなと、個人的に思います。
【ミキハウス子育て川柳選定委員からのメッセージ】
本当は旦那さんに一緒にいてほしかったけど、でもいなくてよかった。出産に思い切り集中したママの素直な気持ちがストレートに表現されていてすごく共感できる一句ですね。獣顔(けものがお)という表現にもくすっとしてしまいました。
“待ったなし”の出産に比べると、結婚式は時期を見て、という方も多いのではないでしょうか? 時期を見すぎて、延期をし続けているうちに、赤ちゃんを授かってしまったママとパパ、そして赤ちゃんのお話。
【作者コメント】
コロナで結婚式を何度も延期している内に、息子を妊娠しました。元気いっぱい産まれてくれて、春に行う予定の結婚式には、息子に主役を奪われそうです。
【ミキハウス子育て川柳選定委員からのメッセージ】
おめでとうございます。結婚・妊娠・お子さまの誕生を同時にお祝いできる結婚式、素敵ですね。延期延期だったからこそ、きっと心に残るセレモニーになることでしょうね。そして間違いなく、かわいい息子さんが主役になることでしょう(笑)
マスクが日常的なアイテムとなり、マスクをしていない顔が見慣れないものに……なんてことにもなっていたりしますよね。
【作者コメント】
マスクをしているとお父さんのことがわからないことがあり、泣いてしまったのでコロナ禍あるあるだな~と思いました。
【ミキハウス子育て川柳選定委員からのメッセージ】
赤ちゃんが泣いてしまって困惑しているパパの姿、目に浮かびますね。赤ちゃんもちょっと困ってしまったのかもしれません。パパにとってはちょっぴり悲しいできごとですが、コロナ禍あるあるのほほえましい風景です。マスクなしのパパを見せてあげられる日が来てほしいと思わせてくれる一句です。
続いてもマスクにまつわる一句です。目は口ほどに物を言う――なんてことも言われますけど、マスクした状態で、目で感情を伝えるのって実際には結構難しいもの。でも、それでも子どもに優しさを伝えようとする人、それを受け止める子どもやママ・パパ……そんなステキな瞬間を切り取った一句。
【作者コメント】
電車の中、機嫌が悪くなってしまった我が子ですが 急に静かになったと思ったら少し向こうに座る男性がマスク越しに面白い顔と動きをしてあやしてくれていました。 触れられない、マスク越しにしかコミュニケーションができない中ですが、とても有り難く、嬉しい出来事でした。
【ミキハウス子育て川柳選定委員からのメッセージ】
あたたかい気持ちを届けてくれる一句ですね。電車の中、バスの席、駅のホーム。赤ちゃんが泣きだしたとき、優しいまなざしで寄り添ってくれる人たちの存在はとても救われます。その様子が目に浮かびます。何より赤ちゃんの存在がわたしたちを優しい気持ちにしてくれているのだと思いました。
子どもはいつの時代も、ママやパパにいろいろなことを教えてくれます。コロナ禍でもそれは同じ。いや、コロナ禍だからこそ、子どもに学ぶことは、多いのかもしれません。
【作者コメント】
コロナの状況でも元気に遊び、しっかりコロナの状況を理解してマスクもして、受け入れて、そのなかで強く生きている子どもの姿に感動します。
【ミキハウス子育て川柳選定委員からのメッセージ】
どんな状況であっても、子どものもつ力は無限だと感じますね。今、目の前のことに一生懸命な子どもの姿。誰しも心を打たれます。その気持ちを短い表現の中に的確に表現されている力強い一句に感動しました。
最後の一句は、こんな大変な時代だからこそ、前向きでありたい、という願いがこもった作品です。
【作者コメント】
コロナ禍で産まれた子ども達が、あの頃は大変だったみたいだね!って話せる明るい未来になっているように願いを込めて
【ミキハウス子育て川柳選定委員からのメッセージ】
子どもたちもママたちも大変なことがいっぱいある今。けれども、子どもたちが成長して振り返ったとき、いつもマスクつけてたね、オンライン帰省したよねとか、笑って話せる日がきっと来る、そんな明るい予感を感じさせてくれました。素敵な一句ですね。
「ミキハウス子育て川柳」、いかがでしたでしょうか。コロナ禍での喜び、楽しみ、不安、不満――それぞれの視点、体験をもとに詠んでいるものなのに、どれも共感できる作品になっていますよね。
なかなか終わりの見えないwithコロナの時代。大変なこともありますが、でもやっぱり、毎日を少しでも楽しくすごせるように前向きでありたいものです。そして、いつかはこのコロナ禍でさえ、笑って振り返られる日がやってくるといいですよね。