妊娠後期のおなかの張りは、多くの場合が生理的に起こるものなので、安静にすることで収まります。しかし、なんらかの病気が原因で張る場合もあるので注意しましょう。
リスクの高い「常位胎盤早期剥離」
妊娠後期の張りで最も緊急性が高いのは、「常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)」という病気の場合。胎盤が突然子宮からはがれてしまうために、赤ちゃんの命を維持することが難しくなり、妊婦さんも出血多量で危険な状況になってしまうことがあります。
「常位胎盤早期剥離」の症状は
常位胎盤早期剥離の症状は、急な激痛と非常に強いおなかの張り。おなかが板のように硬くなるほど張りが強いのが特徴です。この病気の原因は分かっていませんが、一般には妊娠高血圧症候群があると常位胎盤早期剥離が起こりやすいということは言われています。
おなかの硬さや痛みがいつもと違うなら、迷わず病院へ
常位胎盤早期剥離を早期発見することは難しいとはいえ、妊婦さんの「なんだかいつもと違う」の一言で、常位胎盤早期剥離が発覚することも。実際、「なんとなく気持ちが悪い」と胃腸の不調を訴えている妊婦さんを調べてみたら、常位胎盤早期剥離が見つかることもあります。
また出産前になると胎動は収まってきますが、妊娠38週でも赤ちゃんは1時間に1回ぐらいは必ず動きますので、妊婦さんはその動きに注意してください。
常位胎盤早期剥離にはいろいろなパターンがあるので、出血のあるなしにかかわらず、おなかの硬さや痛みがいつもと違うと感じたらすぐに病院に行ってください。