今回のアンケート結果からは、産後ケアを利用率は決して高くはないものの、利用した人は「利用してよかった」と感じていることが見えてきます。また、これから出産を迎える人にも「絶対に使ってほしい」というコメントがたくさん寄せられました。
一方、「自身の産後ケアについて、十分な内容・サポートだった」と感じていない人の割合は、どちらともいえないという人を含めると約41%。実際の産後ママにとってはまだまだ足りていない面もあるのが実態かもしれません。
先輩ママたちからはこのような意見が。
“生まれた赤ちゃんと一緒に産婦人科に数日泊まれるサービスがありますが、何かに困っている人しか利用できないのかなと思い、利用しませんでした。リフレッシュのために泊まれるシステムがあればうれしいし、ぜひ利用したいです”
“宿泊型の産後ケア施設をもっと気軽に使えるようになって欲しい。 預けると「そんなに大変?」みたいな目でみられることが辛い”
“子連れで宿泊できる施設がもっとリーズナブルな金額で利用できるとうれしい”
上記のコメントにも表れているように、産後ケアサービスについての情報がママに十分に届いていないこと、パートナーや家族といった周囲の人の産後ケアに対する理解が不足していること、金額面のハードルを下げることも、今後産後ケアが広く活用されていくために解決すべき課題だと考えられます。
産後ママが置かれている環境や状況はさまざまですが、こうした要望を丁寧に拾い上げながらサービスを充実させていけば、だれもが産後ケアを特別なことと感じずに、気軽に取り入れられるようになるのではないでしょうか。
最後に、これから出産を迎えるママへ向けて、先輩ママたちからの温かいアドバイスもたくさん寄せられました。その中から一部をご紹介します。
“出産前はあんなに妊婦健診に通っていたのに、産後はからだがボロボロにもかかわらず、母のからだを診てもらう機会があまりにもないです。人生でこんなに命がけで取り組むことなんてなかなかないので、お金もかかりますが「受けて当然なんだ」というくらいの気持ちで、周りに感謝して、信頼できるところに赤ちゃんを預けて産後ケアを受けるのが、育児のいいスタートにつながると思います”
“産後のからだは自分が思う以上にダメージを受けています。自分には不要とは思わずに、どんどん使いましょう。私も最初緊張しながら予約の電話をかけた記憶がありますが、1回行ってみたら快適で、またすぐ行きたくなりました”
“「産後は安静に」と言われますが、なかなか現実的ではありません。しかし、頼れるものには頼り、自分のからだと赤ちゃんのことだけを考えて生活するよう心掛けてほしいです”
“楽をしているなどという後ろめたい気持ちはまったく持たなくていい。利用することこそが子どものため、母のため”
“出産も産後の母体も育児も赤ちゃんも千差万別です。1つの情報に捉われることなく、色々な物や人に頼ることをお勧めします”
“寝られる時は寝てください。子が寝るたびにSNSで調べまくっていましたが、そうすると親は寝られません。心配なことは何か一つのもの(私の場合は本)で調べた方がいいです。睡眠不足だと何もかもにイライラしてしまいます。睡眠一番!親が元気なのが一番!”
“辛くなる前にどんどん人に頼ったり、産後ケアを利用したりしてほしい。自分がやらなきゃと思い詰めないで、赤ちゃんと一緒に少しずつ頑張りすぎないで毎日をすごしてほしい”
“産後うつは誰でもなりうる。精神的に追い込まれないように気分転換が大事”
“助けて欲しいときは声に出すこと。周りに頼ること。助けてもらうこと”
“産後ケアは身体的にも精神的にもとても救われるのでおすすめです!特に初めて出産される方は、母乳のことなど親身に相談ができる助産師さんのサポートを受けられるのでおすすめです!”
“産後はボディケアと感情管理が重要です。骨盤矯正は早めにした方がいいと思います”
“赤ちゃんが元気に生きていれば、それ以外の家事なんてどうでもいい。手を抜いて自分が休める時間を確保してください”
“産後はからだもボロボロ、精神的にも疲れるので本当に無理しすぎず、頼れるところに頼りまくってすごしてほしい。 迷惑だからとか考えずに周りの人を巻き込んだらいいと思います。 後から思い返せばそんな事もあったなぁと思えるので、しんどい時もありますが一緒にがんばりましょう!”
現在の産後ケア事業は、それぞれの自治体によってサービス内容が異なっていたり、そもそも受け入れ施設の数も都心部と地方では格差があったりと、すべてのママにとって等しく身近なサービスとは言い難いのが現状です。
まずは産後のママのからだが労わるべき状態であることを、ママも含めすべてのひとが認知し、産後ケアが画一的なサービスではなく、柔軟に対応しながら、ママと子どもを優しくサポートするサービスへと発展していくことを願わずにはいられません。
まずはなにより、この記事を読んでくださったママ、プレママ、そしてご家族のみなさんに、産後ケアの存在と大切さを感じていただき、どういった産後ケアが受けられるのかを調べていただきたいと思います。子どものすこやかな育ちは、ママのすこやかな心とからだがあってこそ。声をあげづらいと思わず、胸を張って自分を労わってくださいね。