では、先輩ママたちはどのように産後ケアを利用しているのか、その実情を見てみましょう。
アンケートによると、産後ケアを「受けた」または「受ける予定」「次回は受ける」と回答した方は、全体の35%程度。「受けなかった」「受ける予定はない」と回答した方が半数を超え、産後ケアの利用率は思いのほか低いことがわかります。
回答者のコメントから見えてくるのは、産後ケアサービスの周知不足や申し込みや予約の煩わしさ。サービス内容や金額の地域差についてのコメントも多く寄せられました。
“産後ケアについて知る機会がなかったので、自分から探すのではなく発信されてくるシステムだといいなと思う”
“利用までの手続きがいろいろあって大変だなと思った。もう少し気軽に利用できるといいなと思いました”
“自治体によってサービスの充実具合や補助金等も変わってくるので、全国で統一してもらえたら利用しやすいのにと思いました”
“市町村の補助もあったが「半日すごすのに5,000円か…」と思うと踏み込めなかった。金額が安ければ必ず利用したと思う”
“住民票のある場所だけでなく、里帰り先でも自治体の援助を受けながら利用できたら理想的だと思う”
“首都圏にあるような産後ケア専門施設が地方にはない。デイユースでもいいので月齢が大きくなっても利用できる施設が増えて欲しい”
24時間体制の赤ちゃんのお世話がはじまると、ママは自分の疲れや心やからだの不調はつい二の次にしてしまいがちです。ですが、専門家のサポートを受けることは決して贅沢や甘えではないと思います。
続いて、どのような産後ケアを受けたかをお尋ねしました。
この結果からは、専門家による産後ケアと同時に、家族からのサポートがママを支えていることがわかります。パートナーをはじめとした家族の助けは心強いものですが、里帰りができない人、親の手助けを受けられない場合もありますし、そもそもパートナーが満足いく育児休暇が取得できるとも限りません。
核家族化が進んだ現代の育児では、ママは孤独になりがちです。赤ちゃんのすこやかな成長・発達のためにも家族をはじめ、医療スタッフや地域の保健師など、専門家の手を上手に借りながら、ママが産後ケアにしっかりと向き合うことが大切でしょう。