ようやく赤ちゃんとの生活に慣れてきて、とまどうことが少なくなってくるのが生後1か月くらいの時。その頃、赤ちゃんが順調に成長しているか、ママのからだは元に戻ってきているかを検査する「1か月健診」が行われます。具体的にどんなことを検査するのか、どんな準備をしておけばいいのか――。
本記事では「赤ちゃんの健診内容」、「ママの健診内容」、「健診に持っていくもの」、「健診の際に気をつけたいこと」など、順にまとめていきます。
どんなことを診てもらう? 気になる健診内容について
「1か月健診」の最大の目的は赤ちゃんの健康を確認すること。仮に健康上の問題があっても早期発見することで、適切な対処を行えるので、非常に重要な健康診査といえます。
赤ちゃんを産んだ病院で母子ともに受けるのが一般的で、日にちは退院時に産院から指定されることが多いです。病院によっては赤ちゃんとママの健診は別の日に行われることもあります。
1か月健診でチェックすることは以下の通りです。
【身体測定】
赤ちゃんが順調に育っているかを確認するために行います。新生児期は、1日あたり約20g~30gずつ体重が増える時期です。
なお厚生労働省が公開している「平成22年乳幼児身体発育調査報告書」によると、生後1か月の男の子は身長50.9~59.6cm、体重3.5~6.0kgで、女の子は身長50.0~58.4cm 体重3.4~5.5kgぐらいとされています。
ただしこれはあくまで目安。出生時の身長や体重は赤ちゃんによって違うため、平均値を重視するのではなく、着実に成長していっていることを確認してもらいましょう。
【全身状態のチェック】
黄疸(おうだん・肌や粘膜が黄色くなること)、股関節脱臼(だっきゅう)、鼠径(そけい)ヘルニア(内臓がおなかの中から足の付け根にはみ出る病気)など、新生児に多い症状が出ていないか、医師が目で見たり体に触ったりしながら調べます。
また1か月くらいまでの赤ちゃんの肌は、ホルモンの分泌が盛んであるため、顔を中心に湿疹が出やすいため、気になされているママ・パパも多いことでしょう。そのあたりの不安もあれば、気軽に相談してみてください。
【原始反射のチェック】
生後間もない赤ちゃんならではの〈3つの反応〉をチェックするものです。
■「把握(はあく)反射」:手のひらを指で触ると握りしめようとすること
■「吸てつ反射」:口もとに指が近づくと吸いつこうとすること
■「モロー反射」:近くで大きな音がするとビクッと両手を上げること。
【ビタミンK2シロップの投与】
「乳児ビタミンK欠乏性出血症」を防ぐために飲ませます。ビタミンKは血液を固めるために必要なビタミン。ビタミンKが不足すると出血し易くなるので、それを予防するために投与するのです。
なお入院中と1か月健診など合計3回のビタミンK2シロップの投与が一般的ですが、3回投与してもビタミンK欠乏症を発症する赤ちゃんもいます。そのため日本小児科学会では生後3か月まで毎週1回K2シロップを投与する方法を勧めています。
【生活全般に関する問診】
授乳状況、睡眠や排泄の様子、「泣いているときに声をかけると反応するか」など、ふだんの様子を確認し、発育に異常がないかを見るためのものです。この時に聞きたいことや心配事があれば、医師にぜひ質問しましょう。あらかじめ聞きたいことをメモしておくと安心です。