これまでママ・パパに見守られながら、ほとんどの時間を家庭ですごしてきた子どもたちは、入園すると、お友だちとある程度決められたスケジュールの中で生活することになります。
「なかなか保育園に慣れなくて困った」とか「毎朝泣かれて、こっちが泣きたかった」なんていう先輩ママ・パパの話を聞いて、「うちの子は大丈夫だろうか」と不安になる方もいるのではないでしょうか。
「保育園での生活は、子どもたちにとっては初めての集団生活ですから、心が揺れて当たり前なんです」と前出・宮里先生は言います。
「たいていの子が、最初のうちは泣いたりぐずったりするものです。にもかかわらず、入園したてから“いい子”でいられるように、事前に親離れの訓練をしたり、言い聞かせようとするのは、ちょっとかわいそうです。それよりも入園前には、ママやパパにいっぱい甘えさせてあげてください。それで余計に離れられなくなるなんて考えることはありません。子どもは、気持ちよく寝たりおいしく食べたりと、機嫌よくすごす時間を味わいながら、自然と旅立つ準備をしてくれるものです」(宮里先生)
また、毎日のお散歩で保育園の前を通って、園の様子をのぞいたりするのもおすすめだと宮里先生は言います。たしかに親にとっても保育園の様子を知ることができるし、子どもだって、いつも楽しそうなお兄ちゃん、お姉ちゃんがいる場所に入れたとわかったら、うれしくて、不安がなくなりそうです。
入園予定者のための一日入園もやっておいた方がよさそうです。実際、一日入園を経験して、安心できたという先輩ママは多いよう。愛知県在住の30代のママAさんは、子どもを保育園に預けることが心配で仕事を辞めることまで考えたこともありましたが、一日入園を通じてある“決心”がついたと振り返ります。
「保育園選びのために見学に行った時は、施設や設備ばかり見ていたような気がします。娘を入れることにしたものの、やっと歩き始めたばかりで、しゃべることもできないわが子に集団生活ができるのかと心配でたまりませんでした。でも一日入園で、0歳児から通っている同じ年の子たちが兄弟のように関わり合いながら保育士さんと遊んだり、給食を食べたりしている姿を見て、幼い子なりに社会性が育つことを実感。年上の子たちが小さい子たちに優しく接していたのも、預けてみようと思えた大きな理由でした。保育園って小さな社会です。今、明るくたくましく育っているわが子を見ると、あの時思い切って保育園にやってよかったと思います」(Aさん)
入園までに、子どもが急に熱を出したり、インフルエンザやみずぼうそうなどの伝染性の病気になったりしたときの対応も考えておかなくてはいけません。近くの病児保育の施設だけでなく、ベビーシッターサービスなどにも登録しておくといいでしょう。さらに登園にはどの道を使うのか、登園の際、地震など緊急事態が起きたらどうすればいいのかについても、パパとママで一緒に確認しておきましょう。