特集「赤ちゃんのいる寝室」第1回 
乳幼児コミュニケーションの専門家が語る
赤ちゃんにとって“良い眠り”“良い寝室”とは

2018.08.23

ミキハウス編集部

赤ちゃんが生まれてから自宅の寝室をどうするかは、ママ・パパにとって大きな問題です。赤ちゃんをお世話しやすい方法はないか、赤ちゃんだけでなく親もゆっくり眠れる方法はないものか、などとあれこれ思いを巡らせることでしょう。

そこで、ミキハウス出産準備サイトでは、「赤ちゃんが生まれてからの寝室」について考えてみたいと思います。第1回目は、乳幼児コミュニケーションを研究する立正大学社会福祉学部の岡本依子先生にお話を聞き、“寝かしつけ”と“寝かし方”についてまとめます。

 

まずは“寝かしつけ”から考えていきましょう

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0歳児の赤ちゃんにとって、「寝室」はただ眠るだけでなく、眠りにつくまでの時間をママ・パパとすごす場所でもあります。親子のコミュニケーションについて詳しい岡本先生は、寝かしつけは親子の信頼関係を築く時間と考えています。

「特に生後2か月ぐらいまでは、授乳後眠ったと思って布団やベッドに置くとすぐに目を覚ましてしまったり、なかなか眠れなかったりする赤ちゃんもいます。ママやパパは入眠のお手伝いをすることになりますが、この時間がとても大切。背中を触りながら、語りかけたり、子守唄を歌ったり、1歳をすぎてくれば読み聞かせなどもいいでしょう。ママ・パパを独占できる時間が毎日必ずあると確信することは、赤ちゃんに大きな安心感をもたらします」(岡本先生)

そして入眠前、明かりを消してからが「特に大切な時間です」と岡本先生。部屋が暗くなると、赤ちゃんはママ・パパの声や皮膚の感触をより強く意識するようになると言います。

「明るいところでは目から入ってくる情報が優先されますが、就寝前の暗いお部屋の中では視覚以外の感覚が敏感になるんです。そのためママ・パパの息遣いや手のぬくもりを感じながら赤ちゃんは安心して眠りにつくことになります。短くてもいいので、毎日必ず入眠前のふれあいの時間を作ってくださいね」(岡本先生)

時間をかけて一生懸命寝かしつけようとしても、眠ってくれない赤ちゃんに、ママ・パパはどうしたらいいのでしょう。

「赤ちゃんはママのお腹の中にいる時から人の声を聞いているので、とにかく人に興味があります。なので、寝かしつけたと思っても、ママとパパがまだ起きている気配や、近くで何か楽しそうなことがあるようだと敏感に察してしまうこともあります。まだ起きていたいと“心のこり”がある状態なので、眠りが浅いとそれで起きたり、そもそも寝つけなかったりするんです」(岡本先生)

赤ちゃんが眠れない一番の原因が、“心のこり”とは、ちょっとかわいらしいですね。寝つきの悪い赤ちゃんに悩んでいるなら、いっそママ・パパも一緒に眠ってしまうという手があるかも知れません。その代わり朝は早起きして、赤ちゃんが起き出す前にやり残した家事や仕事を終わらせてしまいましょう。

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