やせるだけでなく「食べること」が大事
「産後ダイエット」のホントの話

ミキハウス編集部

“母乳のレベル”を上げて「きれいになるために」食べてやせる

――つい「○kgダイエット」という文字ばかりに気をとられていましたが、産後のママであれば、妊娠時に体重が増えているわけですから、十数kgの減量に成功しても特別なことではないわけですね。逆に、350kcalも多くエネルギーを摂取しなくてはいけないとは驚きです。

350kcalとは、チョコレート1枚分くらい。ここで何を食べるかで“母乳のレベル”が変わります。つまり、母乳の質が上がるか、下がるかが決まるということです。たとえば、チョコレートばかり食べていたら、チョコレートの母乳じゃないですけども(笑)、チョコレート由来の脂肪が多い母乳になってしまいます。母乳は脂肪がとても多いんですね。けれども、魚由来のDHA、EPAなどの体で作ることのできない必須脂肪酸がないと、よい母乳にはならないんです。

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きちんと主菜や野菜なども食べて、母乳のレベルを上げることですね。そのほか、赤ちゃんの骨を育てていくために乳製品をとることも大切。これを怠っていると、自分の骨がカルシウムとなって子どもに持っていかれてしまい、あっという間に骨密度が下がったり、たんぱく質不足で皮膚がボロボロになったりします。

お母さんは食べたものを母乳にして、出しているので、出産後タレントさんみたいにきれいになりたいなら、きれいになるために何を食べるか、どれだけ食事時間をつくるかが大事なのです。

――食事の大切さはわかりましたが、とくに産後直後は赤ちゃんのことに忙しく、食事のことまで気がまわらないような気がします…。

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「この24時間体制はいつまで続くんだろう?」と泣きたくなる毎日ですよね。食事をつくる時間もないし、買い物に行くにしても赤ちゃんをおぶっていかなくちゃいけないし、荷物も持たなくてはいけない。そうやって、一人で子どもを育てようとすると、体がきれいになるどころか、やつれちゃう。だから、ダンナさんと二人で育てようとし、時には、おばあちゃんやおじいちゃんの手を借りることも頭に置いておいてほしいです。

授乳期は、「主食」「副菜」「主菜」「牛乳」「乳製品」「果物」の5つグループの料理や食品を、1日にそれぞれ1品目ずつ増やすことが目安です。1品目増やすには、主食はおにぎり1個、副菜は野菜料理をひと皿、主菜は卵1個、または卵1個分くらいの肉や魚、大豆製品、そして、牛乳、乳製品はヨーグルトや牛乳100㏄かチーズ1片、果物はみかん1個くらいを多く食べましょうということです。

――母乳が出にくく、粉ミルクを使うママたちもいますが…。

粉ミルクで育てている人も、体重を落とさなくてはいけないのは同じです。1日173kcal、だいたい200kcalを目標に減らしていけばいいでしょう。そしてバランスよく食べること。

母乳が出るか出ないかは、産後ケアに左右されると考えるのが一般的です。出産直後の病院での教育によって、母乳の出方が違うという研究結果もあるくらいで、自分のせいじゃないことも多いんですね。赤ちゃんも初めて、お母さんも初めてでは、うまくいかないということもありますし、いろんな人に授乳の仕方を見てもらうのもいいと思います。悩んでいるとますます出なくなるので、大らかな気持ちで挑戦していくことをおすすめします。しかし、母乳が出ない方や母乳で悩んでいる方もいらっしゃいますよね。そんな方は無理をしないで、人工乳を利用し、元気に子育てできるよう健康的な食事を心がけてくださいね。

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