妊娠が分かってから、ママはどんどん大きくなっていくおなかに大きな喜びを感じつつも、「出産したら、体型はどうなるのかしら?きれいでいられるかしら?」とちょっぴり心配になってしまうこともあるでしょう。
本特集では産前産後のママのからだについて、医学的な見地からまとめてきました。最終回となる本記事では、妊娠、出産とママからだにとってのはじめてのことが次々と起きる日々を快適にすごし、産後は無理なくボディラインを整える“やさしい下着”について考えてみたいと思います。
衣料品メーカーの「ワコール」さんは、あらゆる層の男女がさまざまなシーンで使う下着を開発・販売されてきました。もちろん、産前産後の女性のからだのことを考えた“やさしい下着”も。そこで、同社で長年、商品開発に携わってきた西村恵美さんと、売り場で多くのお客さまと接してきた武田順子さんに産前産後のママのからだの変化を念頭に、どういう下着選びをすればよいのか、アドバイスしていただきました。
“妊娠初期からからだは変化している”だからこそ、下着も“からだの変化に合わせる”がベターです
胎児の成長とともに体型が大きく変化する妊娠期の下着は、「心地よくサポートする」が基本です。それは妊娠初期も同じことです。
ほとんどのママが妊娠に気がつくのは、妊娠2か月になる頃でしょう。ちょっと熱っぽかったり、つわりでなんとなく気分が優れなかったり…。そんなプレママは、下着のつけ心地に敏感になることもあるようです。
「妊娠2か月ぐらいだと、見た目は妊娠前と変わらないのですが、おなかは毎日少しずつ膨らんでくるし、乳腺も発達を始めます。体調については個人差がありますが、妊娠が分かったら、からだを締め付けない、着けごこちのやさしいマタニティ用の下着に替えていただいた方が、生活するのが少し楽になると思います」(武田さん)
ちなみに最近のショーツのトレンドは、おなかを出して着る股上の浅いタイプ。臨月でも使えるし、産後は普通のショーツにもなりますよ。
もちろん、おなかをすっぽり覆うタイプもありますから、好みに合わせて選びましょう。
バストは妊娠後期から授乳期になると、妊娠前より約2カップ程度分大きくなると言われています。そのため「大きく、重くなっていくバストを押さえつけることなくサポートできるブラが理想」と武田さん。
「妊娠初期に今までのものがちょっときつくなってくると、普通の下着を大きなサイズにするだけで済まされる方もいますが、プレママはおなかと胸がふっくらしてきても、背中や脇はほとんど変化がない“独特の体型変化”をしています。マタニティ用の下着が快適なのは、そうした体型を考えて設計されているからなんです」(武田さん)
ストレッチ性の高い素材を使い、ブラとショーツが上下揃ったおしゃれなマタニティ用の下着も増えています。ママのからだをやさしく包む下着なら、おなかの赤ちゃんも居心地がいいかも知れません。妊娠が分かったら、早めに長く使えるマタニティ専用の下着を身につけたいものですね。