やせるだけでなく「食べること」が大事
「産後ダイエット」のホントの話

ミキハウス編集部

産後は女性の体をリセットするチャンス!

――ほかに、産後のママがとっておいたほうがよい食材、栄養分はありますか?

野菜の葉酸も、赤血球をつくったり、神経系にも関与してきます。あとは野菜、果物のビタミンCも大切。軟骨のコラーゲンの生成には、たんぱく質とビタミンCが必要だからです。その他免疫の働きにも関与してきますから、野菜や果物はたっぷり食べてほしい。免疫に強い子どもになってほしいですよね。

逆にとらないほうがいいのは、妊娠中と同じですが、お酒、たばこ、カフェイン。指導する方によっては、「お酒は少しくらいなら大丈夫」と言われる場合もあるそうですが、栄養士としては、これらはほんの少しでもダメと言っておきたいです。

また、赤ちゃんのためだけでなく、自分のためにも、バランスよく食べてほしい。産後は、自分の体をきれいに作り直すチャンス。産後のママの体は、栄養分を全部赤ちゃんにとられて、“スカスカ”の状態と言ってもいいほどです。だからこそ、産後は体をリセットするチャンス。この時期に食べるもので、体を作り直せるということなんです。

 

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――お母さんの体は出産でダメージを受けているんですね。

それから、妊婦のときは体の脂肪の量が多い状態になっています。赤ちゃんを守るクッションとして、お腹のまわりに脂肪がつくんです。出産を機にこれを減らしていかないといけません。脂肪を燃やすためにはビタミン、ミネラルが力をおおいに発揮します。これらを体内に取り込むことによって、脂肪も燃えていきます。脂肪分の多くない食事を心がけていれば、その体内の脂肪は母乳のほうに移動します。けれど、ケーキやドーナツなどを食べるとこちらの脂質が母乳へいき、お腹まわりの脂肪がとれずに残ったままに。「体重は減ったんだけど、お腹の脂肪が落ちないのよね」ということがあれば、こういうことが体内で起こっている可能性があります。

――バランスよく食べて、あとは体型戻しのためのエクササイズをプラスすればいいんですね?

はい。今赤ちゃんといっしょにできるエクササイズや体操などが、いっぱいありますよね。そういうものを使って、骨盤の位置をきちっと直したり、胸のラインを矯正したりするといいと思います。

出産後、バランスよくちゃんと食べて体をつくる。そうすれば、ママも体の中からきれいになれるし、赤ちゃんも初めての食育をスタートすることができます。ママと子ども、ひいてはパパも元気になって、笑顔になれるはずです。食べることに気をつかわないと、きれいになれるチャンスを失ってしまうことになります。ぜひ、体重を落とすことだけでなく、食事に気をつけて、きれいになってください。

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今井さん、ありがとうございました。
出産を控えるママのみなさん、無事出産を終え、まさに産後の体型戻しに励んでいるみなさん。今回のお話で自分の体と赤ちゃんの健康について、理解が深まったのではないでしょうか? ママが体の中からきれいだと、ママ自身もうれしく、子どもも家族もみんなが幸せになれそうですね。

本サイトでは、細川モモさんの栄養学に関するお話など、引き続き、ママとパパと赤ちゃんの健康について、さまざまな情報をお伝えしていきたいと思います。

 

【プロフィール】

今井愛(いまい・あい)さん
公益財団法人神奈川県予防医学協会 健康創造室
管理栄養士、公認スポーツ栄養士、公益社団法人日本栄養士会会員
横浜市スポーツ医科学センター内科診療科勤務を経て、出産後、個人事務所「今井愛生活事務所」を設立。今年4月から、公益財団法人神奈川県予防医学協会に勤務する。また、法政大学や鎌倉女子大学でスポーツ栄養学の講義も担当。6歳、4歳になる2児の母でもある。

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