ユージの子育てパパ座談会(後編)
「僕らががんばれば、未来の子育て環境はよくなるはず」

パパたちが考える 子育てしやすい職場環境、社会とは

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ユージさん 最近、子育てに積極的なパパが実際に増えてきた感じがしているんですけど、みなさんはどう思います?

加藤さん 僕はミキハウスで、プレママやプレパパ向けセミナーを担当しているのですが、数年前から明らかに参加するパパが増えてきているんですよね。それを考えると、子育てに関わろうとしているパパは多くなっていると思うんです。

ユージさん それ、すごくいい傾向ですね。加藤さんはどうして子育てに積極的にかかわろうとされたんですか?

加藤さん 僕の場合、もともとそういうマインドを持ってはいませんでした。ただ、子どもが生まれた時、周りの先輩たちから「子どもの成長は一瞬だからちゃんと見とけよ」と言われたことがひとつのきっかけになったんです。先輩たちは仕事が忙しくて、子育てにあまりかかわることが出来なかったのを、今となって後悔しているのかなと。みなさんがそう言ってくれるなら、どうにか時間を作って、子育てもちゃんとやった方がいいよな、と思ったんです。

押川さん 素晴らしい会社ですね(笑)。正直、周囲の理解というのは、本当にその人のいる環境によりますよ。私が働いている職場は、どちらかというと保守的な人たちというか、昔ながらの価値観が残っていると思うのですが、確かに上の世代の中には(会社の)仕事に比べたら育児なんてたいしたことない、という感覚がある人もいるように思えます。自分の仕事にプライドを持っているという意味では素晴らしいのですが、こういう会社で働いているパパはやりづらい面もあるかもしれない。

中込さん 僕の会社は育児をサポートする制度は整っているほうなので、娘が生まれるとき、「男の育休をとる!」と宣言していたのですが、仕事が忙しくて結局とりませんでした。

押川さん もっとも国が進めている働き方改革とかで、最近は休みが取りやすくはなってきてはいますよね。まぁ、休暇の制度は昔からあるけど、それを使うか使わないかは、本当に職場の“空気”が大きい。「子どもの運動会で休みます」って、本当は堂々と言っていいはずなのに、うちの場合、「え、そんなことで休むの?」って反応をされるかもしれませんね。(苦笑)。

ユージさん 子育てをサポートする制度はあるけど使いづらい空気があるってことですね。例えば育休をとった方がボーナスをもらえる、もしくは育休の間はその人の給料を半分にして、その分をみんなに分配するみたいなものがあれば、もっと休みやすくなったりしませんかね。育休をとることで、みんなにメリットがあるように。

中込さん 形骸化している制度そのものを変えてしまおうというわけですね。 

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ユージさん はい。僕は会社員じゃないのでちょっと特殊ですが、育児のための休暇を長期的に、なおかつ気軽に取れるシステムがあると、それはママを助けるだけではなくて、パパ自身が成長できる時間にもなると思うんですよ。自分がやってわかったことは、子育てって親として、男としてひと皮もふた皮もむける機会でもあるから。それを考えると、企業にとっても社会にとっても、パパのための産休や育休をしっかり取らせることってすごくメリットがあると思います。

今井さん 子育てをすることで人間的に成長できるというのは、僕にも実感があります。フリーランスという働き方をしている僕にとって、仕事が減るのは困るので、どこまで子育てを優先すべきかという葛藤は正直あります。だけど、妻の育児の負担を軽くしてあげるのも家族としてとても大切な事ですし、そういう「気付き」も子育てをしたことで得たものかなと思います。

中込さん 「共稼ぎ」が一般的になっているとはいえ、「メインで働くのは男」という感覚はまだ強いですよね。実際僕の妻は、復帰はしたけど時短なのでやりたい仕事が以前のようには出来ない。やはり男である僕の仕事にプライオリティを置いていて、妻はその犠牲になっているわけです。そういった労働者側の感覚のほかに、企業側の問題として、男女間の雇用格差も結局は子育て環境を悪くしていると思います。でも働く量とか質とか待遇とかが、パパもママも同じ条件になったら、女性の方が家事・育児を多く負担しなきゃいけない理由はなくなります。主婦の「婦」が「夫」でもいいわけです。女性の雇用環境を整えれば、結果的にパパも子育てをしやすくなるんじゃないかと思います。

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加藤さん そうですね。企業も追いついていかなければいけないのに、現実問題としてそこが難しかったりする。これは個人的な考えですが、変わるべきだと思っていながら、どう変えていったらいいか分からないという職場も少なくないのではないしょうか。それを考えると、アクションをすべきは、僕らのような今現役で子育てをしている世代。僕らの世代が少しでも変えていけたら、次の世代はもっと変えてくれるはずです。今、子育てをしている自分たちが意識して子育てに参加することが、理想的な子育て環境であり子育て世代に優しい社会を実現するのではないでしょうか。

 

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