「キラキラネーム」はもはや普通? 平成最後の名づけ調査でわかったママ・パパの名づけ事情

「キラキラネーム」はもはや普通?
平成最後の名づけ調査でわかったママ・パパの名づけ事情

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今年4月末、平成が幕を下ろします。さまざまな出来事があり、社会のあらゆるところで「変化」のあった30年間ですが、生まれてくる赤ちゃんにつける名前も様変わりしつつあるようです。

赤ちゃんのいる家庭を訪問することの多い助産師の田中淑恵先生は、「最近は若い世代を中心に自由で多様な名づけが目立つようになった」と感じているそう。またおなかの赤ちゃんに名前をつけて呼ぶ「胎児ネーム」も浸透してきました。

今回ミキハウスは、全国のママ・パパに名づけについての意識やキラキラネームに対する感じ方、胎児ネームの使い方などについて伺いました。田中先生のお話を交えながら、平成最後の「名づけ調査」の結果をご紹介しましょう。

〈調査概要〉

調査概要

ママとパパの思いを込めた名づけが定着

赤ちゃんが一生を共にすることになる名前。わが子の幸せな人生を願うママ・パパとしては、どんな名前にするべきかおおいに悩みますね。

「最近は祖父母世代が名づけについて関わることはなく、ママ・パパの意思が尊重されるので自由に名前をつける風潮が定着しています」と語るのは助産師の田中淑恵先生。そこで、赤ちゃんの名前を決めるポイントと、誰が実際に名づけをしているのかについて聞きました。

 

《字画と音の響きにこだわるママ・パパは5割以上》

赤ちゃんの名前を考える時にママ・パパがこだわるのはどんなことなのでしょうか。意識したこと気をつけたことについてお聞きしたところ、このような結果が得られました。

昨年の結果と比較すると、1位「字画がよい」、2位「音の響きがよい」の順位が入れ替わったものの内容に大きな変化は見られません。

7位の「他の子どもたちとかぶらない名前にする」と10位の「ママ・パパの好きなものからとる」が若干増えているのは、自分たちらしさを大切にしたいという意識が強くなっているからかも知れません。

 

《ママ・パパ主導の名づけが定着》

続いて伺ったのは名づけの「主体」について。つまり、どなたが中心になってお名前をつけましたか、という質問に対する回答です。これを見ると、名づけの“主役”が一世代前と変わってきていることを見ることができます。

昔から名づけの主体はママとパパだったことには変わりないものの、その割合はそれぞれ増加。興味深いのはパパの増加率より、ママの増加率の方が著しいところです。一世代前に比べてママが名づけの主導権を握るケースが増えているといえます。また、ママ・パパが比べるケースが全体的に減っていることも大きな特徴と言えるかもしれません。現代の名づけは、昔に比べて夫婦ふたりで決める傾向が強まっていることが見えてきます。

 

《誰かを参考にするのではなく、つけたい名前をつける》

「お子さまの名前を決める際に参考にした人の名前はありますか?」という問いには、「参考にした人はいない」という答えが66.5%と圧倒的に多い結果に。赤ちゃんの名前は自分たちにゆかりある名前である必要はなく、それよりも感性に合った名づけをしたいというママ・パパの意識の表れと見ることができるでしょう。

平成に生まれた新しいタイプの名前「キラキラネーム」

キラキラネームとは、それまでの名づけとは違う感覚でつけられた、一見変わった名前のことを指します。平成時代に生まれ、そして定着していったキラキラネーム。東京・世田谷区でひと月に20件以上の赤ちゃん訪問をしているという田中先生は「その時々のはやりの漢字や音の傾向はありますが、最近のママ・パパはキラキラネームを意識しているというより、自分たちがつけたい名前を自由に選んでいるのではないでしょうか」と言います。

例えば、「陽」と書いて「はる」と読む名前は一昔前では考えられませんでしたが、今や普通の読み方になっている、というように。

「確かに漢字の読みが難しい名前は多くなっています。特に自身も平成生まれという若いママ・パパは、漢字の読みにも凝って名前を考える傾向があるようです。これには2004年(平成16年)以降、子どもの名前に使える人名用漢字が増えたことも影響していると思います」(田中先生)

 

《キラキラネームに抵抗感なしが5割弱》

キラキラネームに対する見方を尋ねると、「とても好意的」と「やや好意的」、「好意的でも批判的でもない」と抵抗感のないママ・パパは48.4%と半数近くにのぼります。「やや批判的」と「とても批判的」は51.7%と半数を超えていますが、どんな名前をキラキラネームと呼ぶのかについての主観の違いもありそうです。ママ・パパの名づけに対する新しい感覚、名づけの多様性はキラキラネームの「定義」そのものを変えつつあるのかもしれません。

なお、キラキラネームについて「とても好意的」と答えた人のコメントには、「今っぽい」、「親が一生懸命考えたのだからいいと思う」という意見が目立ちました。「やや好意的」な声の中には「旦那さんもキラキラネームだから」(23歳ママ/第1子0歳、女の子)というものもあり、初期のキラキラネーム世代がすでにママ・パパになっていることが分かります。「好意的でも批判的でもない」を選んだ人の多くは「親の自由」「愛情がこもっていればいい」と答えています。「やや批判的」、「とても批判的」で多いのは、「親のエゴではないか」「読めない名前は苦労しそう」という意見です。

 

《身近なキラキラネーム》

ママ・パパ世代にとってキラキラネームはどれくらい身近なものなのでしょうか。「自分以外の誰かに対してキラキラネームだと思ったことはありますか」の問いに対して思ったことがあると答えたのは67.6%。キラキラネームはやはり特別なものではなくなっているようです。

 

《キラキラネームの人に聞きました》

それでは、自分の名前をキラキラネームと考えている人はどれくらいいるのでしょうか。「自分の名前を『キラキラネーム』だと思いますか」という問いに対して、95.9%の人が「自分でそう思わないし、人から言われたこともない」と答えています。回答してくれた5084人のうち、自分の名前をキラキラネームだと思っている人はわずか45人で、人から言われたことがある人も175人という結果です。

そこで自分はキラキラネームだと思う45人に、そう思うようになった年齢を尋ねました。小学生の頃にはすでに自覚があった人が40.0%いるものの、中学生以降と答えた人も37.7%と多く、自分にとっては当たり前だった名前でも成長するにつれて人との違いに気がつく様子がうかがえます。

自分の名前がキラキラネームだと思い始めたきっかけを具体的に書き出してもらったところ、「漢字で絶対に正しい読み方をしてもらったことがないから」(29歳ママ/第1子0歳、女の子)、「アニメキャラと同じ名前で保育園の時にからかわれたので」(27歳ママ/第1子1歳、男の子)、「同じ名前の人がほかにいないから」(31歳ママ/第1子0歳、女の子)などがありました。

また、「キラキラネームで良かったこと」としては、「すぐに名前を覚えてもらえる。会話の糸口になりやすい」(28歳ママ/第1子2歳、女の子)「かわいい名前だねと言ってもらえます。あだ名も気に入っています。珍しいので他の人とかぶったことがないです。おそらく世界に1人です」(28歳ママ/第1子0歳、女の子)というコメントが寄せられました。

反対に「キラキラネームで悪かったこと」という問いには、「漢字の説明をするのが恥ずかしい」(31歳ママ/第1子0歳、男の子)、「呼び間違え」(26歳ママ/第1子4歳、男の子)があげられています。

キラキラネームの人たちは漢字の読みや音の響きで嫌な思いをすることもあるけれど、人と違う名前はコミュニケーションツールとしても使え、自慢にもなることがあるというところでしょうか。

「胎児ネーム」は愛情を伝えます

昨今、耳にすることが多くなった「胎児ネーム」。田中先生は「ママがおなかの赤ちゃんにニックネームをつけることはずっと前から行われていました」とのことで、特に最近に限った傾向ではないようです。ただ、「胎児ネーム」という言葉ができたことで、こうした行為が顕在化され、より一般的に使われるようになっているとのこと。最近は夫婦の間だけでなく、SNSで友人・知人とコミュニケーションをする時に胎児ネームを使うというママ・パパもいるようですよ。

「胎児ネームをつけてみんなで使うのはとてもいい事です。妊娠を実感しにくいパパも赤ちゃんの存在を感じて、パパになる自覚が芽生えるのではないでしょうか。夫婦で子育てをする意識が高まるとママの気持ちが安定して、それはおなかの赤ちゃんにもいい影響を与えます」(田中先生)

 

《胎児ネームの認知度は上昇中》

「胎児ネームを知っていた」というママ・パパはこの1年で5.5%増加し、76%になっています。

一方、胎児ネームを知っているママ・パパは増えているというのに、胎児ネームをつけていなかったという回答が今回のアンケート結果ではちょっぴり増えています。

「母親学級に来るプレママの中には、おなかの子に胎児ネームで呼び掛ける方も少なくありません。胎児ネームがあると話しかけやすいですよね。生まれてくる日を楽しみにしている気持ちを言葉にして伝えてあげると、赤ちゃんにもいい影響があるようですよ」(田中先生)

「胎児ネームをつけてよかったと思うこと」を尋ねたところ、「いっぱい話しかけてあげることができた」(30歳ママ/第1子0歳、男の子)、「あだ名のように夫婦で気軽に話しかけることができた」(32歳ママ/第1子0歳、女の子)「いろんな人が胎児ネームで話しかけてくれた」(30歳ママ/第1子1歳、男の子)などの答えが寄せられました。

 

《少数派ながら、そのまま名前になるケースも》

「胎児ネームと生まれてからの名前の関係」については、2回の調査のどちらも8割以上の人が「実際の名前は全く異なる」と答えています。でも2019年には「そのまま名前にした」が7.5%、「実際の名前は別だが関係している」は8.9%となっていて、胎児ネームをつける時から名づけを考えているママ・パパもいることが分かります。

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平成が終わり、新しい時代が始まります。ママ・パパの名づけへの意識はまた新しい方向へ向かっていくのかもしれません。しかし、それでもママ・パパが妊娠を喜び、わが子の誕生を待ち望む気持ちはいつの時代になっても変わらないものでしょう。ママ・パパが思いを込めて考えた名前は、赤ちゃんへの愛情の証。そんな気持ちをいつまでも忘れずに、成長していくわが子と向き合っていけるといいですね。

【回答者プロフィール】
調査にご協力いただいたママ・パパを、年齢、性別、男女別お子さまの人数で分けると以下のようになります。
(n=5,086)

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