赤ちゃんのスキンケアの基本は、お肌を清潔に保つことと保湿です。肌を乾燥から守るために、入浴の際には以下のことに気をつけましょう。
【1】ママ・パパの手によく泡立てたベビーソープやシャンプーをたっぷりとって、直接やさしく洗う。首、脇、手足のくびれ、指などは重なった皮膚を伸ばしながらママ・パパの指を入れて奥まできれいに
【2】ソープやシャンプーが残らないようにしっかりすすぐ
【3】お風呂からあがったら、からだを擦らないようにタオルでやさしく包みこむようにして水分をしっかりと取る
【4】からだを拭いたら、すぐにたっぷりと保湿剤を塗る
保湿は特に丁寧にしてあげたいですね。お風呂上りや朝やお昼間の着替えで服を脱がせた時に塗ってあげることを習慣にすれば、赤ちゃんにもママ・パパにもそれほど負担なく続けられそうです。
「ベビー用の保湿クリームやオイル、ワセリンなどで保湿しましょう。ママ・パパが指にたっぷりととって、からだ中にくまなく塗ってあげてください。ちょっと多めかな、と思えるくらい塗ってもらった方がいいと思います」(山本先生)
なお、アトピー性皮膚炎を発症すると赤ちゃんはかゆみで泣いたり、肌を掻いてしまったり。夜もぐっすり眠ってくれず、ママ・パパは疲れ切ってしまうこともあるようです。
服やシーツにワセリンやクリームが付くとシミになりそうでたっぷり塗るのをためらうママ・パパもいるかも知れませんが、油のシミならお洗濯できれいに取ることができます。アレルギー疾患の予防にもつながるので、赤ちゃんの肌の保湿のために、迷わずたくさん塗ってあげてくださいね。
赤ちゃんのからだの洗い方、外用薬・保湿剤の塗り方については、独立行政法人環境再生保全機構のパンフレット(https://www.erca.go.jp/yobou/pamphlet/form/00/archives_a-000.html)で詳しく説明されています。HPからダウンロードすることもできますから、参考にしてください。
〈参考資料〉
(※1)「世界初・アレルギー疾患の発症予防法を発見」(国立成育医療研究センター 2014年10月)
http://www.ncchd.go.jp/press/2014/topic141001-1.html
(※2)「100%に子どもの寝具から鶏卵アレルゲンが検出」(国立成育医療研究センター 2019年3月)
http://www.ncchd.go.jp/press/2019/20190305.html
【プロフィール】
山本貴和子(やまもと きわこ)
国立研究開発法人 国立成育医療研究センター アレルギーセンタ―・総合アレルギー科医師 日本小児科学会・小児科指導医 日本アレルギー学会・専門医 医学博士 子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)メディカルサポートセンター・チームリーダー 「妊娠中からの児のアレルギー疾患予防ヘルスリテラシー教育プログラムの開発と評価」プロジェクト代表