アトピー性皮膚炎から始まる“アレルギーマーチ”から
わが子を守る方法

2019.06.20

ミキハウス編集部

日本人の2人に1人がなんらかのアレルギー疾患に悩まされている――そんな衝撃的な数字が平成23年に厚生労働省から発表されました(※1)。平成17年の調査では3人に1人だったので、わずか6年で急増したことが分かります。こうした現状をうけて、政府は平成26(2016)年6月27日にアレルギー疾患対策基本法(※2)を成立させ、アレルギーの予防や啓もうに国をあげて取り組むことを決めました。

そんな中、アレルギー疾患の原因のひとつとして注目されているのが、乳児期からのアトピー性皮膚炎です。子どものアレルギー研究で国際的にも高い評価を受けている国立成育医療研究センター・アレルギーセンタ―の山本貴和子先生に乳児期からのアレルギー疾患の対策について教えていただきましょう。

 

増える食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の関係

アレルギー疾患は20世紀の後半から先進国を中心に急激に広がりを見せています、特に食物アレルギーを発症する子どもが20年ほど前から急増し、社会問題にもなっています。環境省が行った全国調査(エコチル調査 ※3)で約10万人近い妊婦さんを調べたところ、約半数の妊婦さんがアレルギー疾患になったことがあることがわかりました。これはアレルギー体質をもった赤ちゃんがたくさん生まれていることを意味しています。

食物アレルギーとは、特定の食品を食べた時に起きるアレルギー反応で、かゆみや蕁麻疹(じんましん)など皮膚の症状が多いのですが、腹痛や呼吸困難などが見られることもあります。特に赤ちゃんは体の不調を上手に伝えることができないので、離乳食などで初めての食べ物をあげる時にはアレルギー反応がないか注意深く見守ることが必要とされていますが、赤ちゃんの食物アレルギーが増えている原因のひとつとして、国立成育医療研究センターの山本先生が教えてくださったのが、「湿疹により食物アレルギーを引き起こすIgE抗体を作ることと、離乳食を始める時期が遅くなっていること」です。

「食べる前に湿疹などでバリア機能が壊れた皮膚からその食べ物のアレルゲンを体内に取り入れてしまうと、からだはそれを異物と認識してアレルギーを起こす抗体(IgE抗体)を作ることがわかってきました。初めて食べた時にアレルギー反応が起きることがありますが、これは食べる前からアレルギー反応を引き起こす可能性のあるIgE抗体を体内に作ってしまっているからです。一方、口から食べることで、その食物に対する免疫寛容(体がその食物を異物と認識しないで受け入れるようになること)ができるのですが、離乳食を始める時期が遅くなると、免疫誘導が遅くなり食物アレルギー性になる可能性が高くなるというわけです」(山本先生)

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