赤ちゃんを守るために知っておきたい「冬の感染症対策」

2019.11.28

ミキハウス編集部

感染症の治療法と解熱剤について

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赤ちゃんが感染症にかかって熱を出したり嘔吐・下痢をくり返したりすると、ママ・パパは心配でたまりませんね。ここではそんな時に知っておきたいそれぞれの感染症の治療法について先生に教えていただきます。

インフルエンザ

赤ちゃんがインフルエンザに感染すると、「タミフル」という抗インフルエンザ薬を投与される事が多いです。タミフルは苦味が強いので、与える時にココア、ヨーグルト、オレンジジュース、イオン飲料に混ぜると飲みやすくなります。バニラアイスや乳酸菌飲料は苦味が強くなるので避けたほうがいいでしょう。

ロタウイルス感染性胃腸炎

脱水症状を防ぐための水分補給をして、下痢や嘔吐、発熱などの症状が収まるのを待ちます。嘔吐がなければ、経口補水液や子ども用のイオン飲料を与えます。

RSウイルス感染症

安静にして、必要な場合は鼻水や咳などの薬を与えます。RSウイルスに感染すると鼻汁もふえるため鼻づまりになって、赤ちゃんはおっぱい・ミルクが飲みづらくなります。そのようなときは縦抱っこにして、与えると飲みやすくなることもあります。

最後に解熱剤の使い方について。病院で診断してもらって解熱剤を出してもらったはいいけど、どれくらいの体温で解熱剤を飲ませるか、様子を見るべきか、ママ・パパは迷ってしまうのではないでしょうか。

「体温が高くなるのは赤ちゃんの体がウイルスと闘って増殖を防いでいるからです。つまり高熱は体がちゃんと機能している証拠であって、それ自体が異常なことではありません。安易に解熱剤を使っては、ウイルスの増殖を防げないことになります」(水野先生)

子どもは大人よりも熱に反応する体のセンサーが敏感なため、熱が出やすいそうです。また40℃の熱でも元気な子もいれば、37℃台でぐったりしてしまう子もいるという具合に個人差も大きいそうです。

「熱が高くて気分が悪いと食欲がなくなってしまいます。飲まず食わずでは回復が遅れますから、解熱剤で一時的に熱を下げて、水分や栄養を補給する事が必要な場合もあります。(使用の目安と言われる)38.5℃を超えたら解熱剤を使うというのではなく、医師に相談のうえ、あくまでもその子の様子を見て与えたほうがいいかを判断したいですね」(水野先生)

ただ、赤ちゃんが感染症にかかると大人よりも急激に症状が重くなる場合がありますから、熱っぽい、食欲がないなど気になったら、早めにかかりつけの小児科で診てもらいましょう。

もうすぐクリスマスやお正月がやってきます。家族ですごす楽しい時間のためにも、感染症対策には家族みんなでしっかりと取り組みたいですね。

<参考資料>
水野克己(みずの・かつみ)

昭和大学医学部 小児科学講座 小児科学部門 教授 医学博士。小児科専門医、新生児専門医、インフェクションコントロールドクター(ICD)、国際認定ラクテーション・コンサルタント(IBCLC)、公益社団法人日本小児科学会 理事、一般社団法人日本母乳保育学会 理事長。
2017年に未熟児を支援する一般社団法人 日本母乳バンク協会を設立し、全ての子どもたちの健康と幸せを見守る活動を続けている。

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