「ハナ」「ナオミ」はグローバルな名前?
米国人研究者が分析する日本の名づけ

ミキハウス編集部

どんな名前にも、親の思いが込められています

Touch of the family. Hands of parents and their baby in the bed. Dog watching the sleeping boy.

――先生はかつてキラキラネームに関する論文をまとめられていると伺っております。今回のアンケート結果でも「キラキラネームを避ける」というママ・パパが約半数という結果ですが、これについて先生はどうお考えですか?

ウンサーシュッツ先生:まずキラキラネームという概念に一貫性がないので、避けるか避けないか、好きか嫌いかという問いの前提が違う場合もあると思うんですね。ただいろいろと分析をしてまとめると、「普通には読めない当て字的な漢字を使う」とか「漢字を見ても読めない」というのが大きなポイントだと思います。

――キラキラネームという言葉自体がメディアで使われるようになったのは、この10年ぐらいのことだと思いますが、研究者としてはこの「現象」をどうご覧になっておりますでしょうか。

ウンサーシュッツ先生:以前調べたのですが日本では1960年代から70年代にかけて万葉がな風の音を使った名前が増えてきたそうです。その時にひとつの音にひとつの漢字を当てはめて使う名づけが見られるようになりました。例えば「茉莉花(まりか)」。当時としてはかなりキラキラした名前ですが、音のためだけに漢字を使っていたので、比較的読みやすかったんですね。それが90年代以降に変わり始めます。一つの名前に音読みと訓読みが混在したり、止め字を使わないなど、新しい形の名前が登場してきました。日本の社会でも個性重視の傾向が強まっていった時代ですから、それが名づけにも影響して、わが子に個性的な名前をつけたいと考えるママ・パパが増えたということだったのでしょう。背景には、情報量を飛躍的に増やしたネットやSNSの発達とも密接な関係があると思います。

――情報がたくさんあれば、新しい名づけのアイデアも浮かびますしね。

ウンサーシュッツ先生:米国でも最近は個性的な名づけがよく見られるようになりました。よくあるのが、音は同じでスペルを工夫するというやり方です。「CRYSTAL(クリスタル)」という名前なら、同じ発音をするKRISTALやCRYSTELとスペルを変えて個性を表現するママ・パパは確実に増えていますね。

――漢字の当て方、読み方で幅をもたせる日本人と、スペルで個性を出すアメリカ人。なんとなく共通する傾向があるんですね。

ウンサーシュッツ先生:ここで私が強調しておきたいのは、ママやパパは9か月以上悩みに悩んで子どもの名前を付けているということです。仮にちょっと変わった名前や読み方でも、そこには親の思いが詰まっているんです。他人にはその理由が伝わらなくても、きっととても素晴らしい経緯があるはずなんです。他人にはそれが見えないから、時には評価できないこともあるけど、その理由が見えたら違う評価ができるかもしれません。

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