ほとんどのプレママは妊娠15週頃になるとホルモンの状態が安定して、つわりが収まります。乳腺も発達し、おなかの膨らみが目立ってくる時期です。この時期に起こりやすい代表的な症状をまとめました。
◆貧血
妊娠中の動悸やめまい、頭痛、立ちくらみの原因として、鉄欠乏性貧血があります。赤ちゃんの発育に欠かせない酸素や栄養を運ぶプレママの血液は、妊娠成立直後から徐々に増えていますが、赤ちゃんのからだが完成し、子宮が大きくなっていく妊娠中期には急激に増加します。鉄分が不足し、血液の増加に赤血球の増えるスピードが追いつかないと血液が薄くなって貧血を起こしてしまうのです。
レバー、ほうれん草など鉄分の多い食事は大切ですが、レバーなどからビタミンAを過剰に摂取すると赤ちゃんの発育に影響がある(※1)と言われていますから、鉄分だけを気にするよりバランスの良い食事を心がけましょう。
◆便秘
妊娠中に便秘に悩むプレママは少なくありません。便秘の原因として、胎盤の形成に関わる黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響で消化器の働きが抑制されること、大きくなる子宮に腸が押されることが考えられます。
便秘の予防には、生活リズムを整え、水分や食物繊維を含んだ食品を摂取し、散歩や軽い運動などでからだを動かすと効果があります。排便時にいきみすぎると肛門周囲の静脈がうっ血して痔になりやすいので気をつけましょう。
◆おなかの張り
椅子に座ったりして、ずっと同じ姿勢でいると、おなかの張りを感じることがあります。これは大きくなった子宮に静脈が圧迫されて、下半身の血流の循環が悪くなったためです。
おなかの張りを感じた時は、立ち上がって姿勢を変えたり、脚を上げ下げするなど、こまめにからだを動かすように気をつけましょう。
◆腰痛
おなかが大きくなって直立でバランスが取りにくくなってくると、背中が反り返って、腰の湾曲が大きくなります。腰や背中の痛みはこの姿勢のせいかもしれません。
腰痛の対策としては、体重増加を適正範囲内に抑え、長時間同じ姿勢を取り続けないようにすること。市販の湿布剤の中には、妊娠中は使用できない成分が含まれているものがありますから、事前にかかりつけの医師に相談してください。
◆動悸・息切れ
妊娠中の動悸や息切れはあまり心配はいりません。普段よりゆっくりとした動作を心がけ、動悸や息切れを感じたら治るまで休みましょう。万が一、咳、むくみ、だるさなどを感じるようならかかりつけ医を受診しましょう。
◆皮膚のかゆみ
皮膚のかゆみも妊娠中に起きやすい症状です。基礎代謝が上がり、ホルモンの影響で皮膚がデリケートになるためです。気になるほどのかゆみがあるなら、かかりつけ医に相談してください。