【専門医監修】妊娠超初期に気をつけるべきこと

“妊娠超初期” 7つの心得

“妊娠超初期” 7つの心得

受精前の妊娠0週と妊娠1週も妊娠超初期と考えると、妊娠超初期の心得とは、“妊娠前から気をつけたいこと”と言い換えられます。

「つまりは、“妊娠超初期”からはじめる、では遅いんですね。妊娠したい、赤ちゃんが欲しいと思ったときから、ライフスタイルも変えてください。妊娠しやすいからだを、自らで作っていくんです。だからこそ、赤ちゃんが欲しいママ・パパはここで紹介する7つ心得をぜひ実践していただきたいですね」(吉村先生)

その1.葉酸を摂りましょう

その1.葉酸を摂りましょう

妊娠可能年齢の女性がビタミンB群の1種の葉酸を一定量摂取していると、胎児の脳や脊髄(せきずい)のもとになる神経管の発達がうながされ、先天性の神経管閉鎖障害児が生まれるリスクが減ることがわかっています。葉酸にはビタミンB12とともに赤血球を作る働きもありますから、おなかの赤ちゃんに栄養を届けて、プレママの貧血を予防するためにも必要な栄養素なのです。
葉酸は、ほうれん草、アスパラガス、枝豆、レバー、イチゴなどに多く含まれています。普段は食べ物から摂取する量で充分なのですが、妊娠初期には通常の2倍近くの400㎍が必要(※1)になるとされていますから、赤ちゃんを望んでいるなら妊娠前から市販のサプリを飲むようにしましょう。

その2.禁煙は絶対。もちろんパートナーも

その2.禁煙は絶対。もちろんパートナーも

妊娠中の喫煙・受動喫煙(※2)は、早産や前置胎盤などの妊娠合併症や先天性心疾患、乳児突然死症候群などとの関連が報告されています。受動喫煙を避けるためには、プレママだけでなく、プレパパも禁煙が必要です。
「たとえばパートナーは、ベランダなど別の場所で喫煙すればいいだろう、と考える人もいますが、そういうものではありません。衣服や頭髪などに付着した成分をプレママが吸い込んでしまうだけで同じ影響があるし、電子タバコや加熱式たばこも胎児に悪影響を及ぼすので、子どものことを考えるのであればきっぱり禁煙以外の選択肢はありません」(吉村先生)

その3.アルコールは止めて、カフェイン含有の飲み物も「控え目」に

その3.アルコールやカフェイン含有の飲み物は「控え目」に

「日本産婦人科医会によると、1日のアルコール摂取量が15ml未満であれば、胎児の影響は少ないとされています(ないわけではありません)。15mlの目安は、ワインでいうとグラス1杯、日本酒はコップ1/2杯、ビール350ml 缶1本で、胎児への影響が明らかになるのは1日90ml以上から。この量を超えると『奇形の発生が明らかに高くなる』とされ、1日120m以上になると『胎児アルコール症候群発生率30~50%』となります。

妊娠が分かったら、禁酒をおすすめします。また妊娠期に関わらず、少量の飲酒でも胎児に影響を及ぼす可能性があるので、妊娠中の女性はお酒を止めるようにしてください。なお妊娠超初期に、妊娠とわからず飲酒したとしても、妊婦や胎児にただちに影響を及ぼすことはないので、仮にその後流産したとしても『あのときの飲酒が原因で…』と考える必要はありません」(吉村先生)

コーヒー、紅茶、緑茶などのカフェインが含まれた飲み物は1日1~2杯程度なら、赤ちゃんへの影響は確認されていないそうです。過度な量にならないよう「たしなむ程度」を心がけられる方であれば、多少のカフェインを気にする必要はないといえるでしょう。

その4.感染症予防を徹底しましょう

その4.感染症予防を徹底しましょう

免疫力が落ちやすいプレママはインフルエンザ、風邪などにも感染しやすく、感染すると重症化することもありますから、ワクチン接種、マスク、手洗い、三密を避けるなど徹底した感染予防を心がけましょう。

風疹、B型肝炎ウイルス、HIVなどは妊娠が分かった時に検査をして母子感染を防止することになっていますが、妊娠前にパートナーと一緒に検査をして、必要な場合はワクチン接種をしておけば、おなかの赤ちゃんの感染を心配する必要はなくなります。

その5.薬の服用は医師に相談しましょう

その5.薬の服用は医師に相談しましょう

妊娠4週から12週ぐらいまでは器官形成期と呼ばれていて、赤ちゃんの脳や心臓など主な器官が形成される大切な時期です。

「妊娠4週未満の、妊娠を自覚していない“妊娠超初期”に市販の風邪薬や胃腸薬を飲んだからと言ってほとんど問題にはならないのですが、薬の中には体内に長く残る特性を持つものがあります。妊娠を考えているなら、薬の服用は事前に医師に相談していただきたいです」(吉村先生)

持病などで継続的に服用している薬がある場合も、妊娠を望んでいることをかかりつけのお医者さまに話しておきましょう。

その6.妊娠前から続けているスポーツならOKです

その6.妊娠前から続けているスポーツならOKです

「妊娠するかもしれないから」という理由でずっと続けてきたスポーツをやめる必要はありません。ただし妊娠2か月から3か月までの間は流産しやすい時期なので、短距離走やバーベルを使った筋トレなどの無酸素運動は念のために控えたほうがいいとのこと。

「激しいスポーツをしたから流産したというエビデンスはありません。ただ万が一の時に、『あんなことをしなければ…』と自分を責めるのは心の健康に何よりよくないですからね」と吉村先生。妊娠が分かるまでは今まで通りの生活を送り、妊娠初期はウォーキングや散歩でからだを動かして、安定期になったら無理しない範囲で好きなスポーツを楽しめたらいいですね。

その7.赤ちゃんの成長のために塩分を控えたバランスのいい食事を

その7.赤ちゃんの成長のために塩分を控えたバランスのいい食事を

吉村先生によると、「妊娠超初期7つの心得」の中でも特に注意すべきことがあるそうです。

「それは葉酸の摂取と禁煙です。妊娠をしようと考えるなら、この2つは守っていただきたいと思います。その上で、普段から規則正しい生活とバランスのよい食生活を心がけていただければ、妊娠しやすいからだづくりにもつながるはずですよ」(吉村先生)

赤ちゃんを待ち望んでいるプレママ・プレパパにとって、妊娠の判定が待ち切れない妊娠超初期。これから始まる約9か月の妊娠期も、プレママは赤ちゃんの成長に伴った適正な体重増を心がけ、元気にすごしたいですね。

<参考資料>

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