【ミキハウス子育て調査】
4,700人アンケート 家事・育児分担の理想と現実とママの本音

今回ミキハウス妊娠・出産・子育てマガジンでは、全国のミキハウスクラブ会員を対象に家事・育児の分担に関する意識調査を実施いたしました。一口に家事・育児といってもその中身は実に多種多様。それぞれの“ジョブ”をどちらが担当することが多いのか、その細かい分担割合までお答えいただいたうえで、現状の課題についてもコメントをいただきました。

現役子育て世帯の実態と本音から見えてくるものとは――。

 

どんな人が回答を寄せてくれている?

どんな人が回答を寄せてくれている?

本記事はミキハウスクラブ会員を対象に、2022年6月8日〜20日に実施したWebアンケートをもとに作成しています。回答総数は4,706名。ご回答者の年齢割合は20代未満が0.2%、20代が17.1%、30代が58.3%、40代が14.3%、50代が5.3%、60代が4.6%となっています。

男女比は男性5.8%、女性94.0%、残りの0.2%が無回答となっています。

回答者のうち妊娠中(お子さまがいないも含む)は1.5%。子どもの数が1人は61.3%、2人が30.7%、3人が5.4%、4人が1.0%、6人以上が0.1%となっています。

また仕事の状況も、産休中が3.3%、育休中が23.1%、時短や在宅勤務含めての通常勤務が39.2%、専業主婦(主夫)が32.5%、その他が1.9%という回答。また共働き率は60.8%となっています。

 

家事・育児分担の割当は!?

家事・育児分担の割当は!?

まず、アンケートではママとパパの育児・家事分担についてお聞きしました。ご自身の家庭の家事や育児、すべてを10としたとき、ママとパパの分担割合がどうなるのか、体感的にもっとも近いものを選んでいただいています。なお祖父母や兄弟姉妹のサポートは除外して、ママとパパの割合だけに絞ってご回答いただいております。


もっとも多かったパターンは「ママ7:パパ3」(45.6%)で、それに次ぐのが「ママ9:パパ1」(31.6%)。「ママ10:パパ0」(6.9%)を加えると約84%のご家庭が家事育児の7割以上をママが担っているという回答結果となりました。

一方、パパが7割以上やっている、と回答したのは全体の2%程度。回答者の体感をもとにお答えいただいているので純然たる客観的評価ではないとはいえ、ママとパパの家事育児分担の割合には大きな負担差が存在しているのは間違いないようです。

なお同調査では「理想」の分担割合についてもお聞きしています。その結果がこちら。


理想として多かったのは「ママ5:パパ5」(60.2%)、さらに「ママ7:パパ3」(34.3%)となりました。「ママ5:パパ5」「ママ7:パパ3」で約95%を占める結果となっています。理想と現実のギャップは大きいですね。

 

“ジョブ”別に分担割当を聞いてみました

“ジョブ”別に分担割当を聞いてみました

それでは、さらに細かく実態を見ていきたいと思います。今回のアンケートでは、家事・育児を項目別にわけてそれぞれママとパパ、どちらが担当することが多いかをお聞きしました。

お聞きした“ジョブ”内容は以下の通りです。

■食品の買い物
■食事の準備・料理
■お風呂の準備
■お風呂の掃除
■ゴミ捨て
■トイレ掃除
■子どもの食事の世話
■子どものおむつ替え
■子どもの出かける準備
■子どもの着替え
■子どもの寝かしつけ
■洗濯・洗濯物干し
■洗濯物を取り入れる・たたむ・しまう
■お弁当作り
■部屋の掃除
■子どもの送り迎え

各項目について、「ママがすることが多い」/「パパがすることが多い」/「その時に応じて、できる方がする」/「曜日や日にちで決めている」/「祖父母や外部サポートを利用」/「その他」の6つで、当てはまるものを選んでいただきました。

なお回答結果のなかには、「ママ(orパパ)がすることが多い」けど「その時に応じて、できる方がする」や「曜日や日にちで決めている」という回答も含まれるため、「ママがすることが多い」と「パパがすることが多い」と答えた割合のみをピックアップし、比較しています。

 

食品の買い物や食事の準備はほぼママが!

食品の買い物や食事の準備はほぼママが!

まずはスーパーや商店などへの食品の買い物について。「ママがすることが多い」と回答したのは72.4%、「パパがすることが多い」と答えたのは8.6%となりました。お買い物はママがやっているご家庭が多いようですね。また「その時に応じて、できる方がする」は17.0%、「曜日や日にちで決めている」は5.2%、「祖父母や外部サポートを利用」は7.1%となっております。


続いては、食事の準備や料理について。こちらも「ママがすることが多い」は83.9%、「パパがすることが多い」は5.2%と、ほとんどのご家庭ではママ担当であるようです。一方、「その時に応じて、できる方がする」は10.5%、「曜日や日にちで決めている」は2.3%、「祖父母や外部サポートを利用」は5.6%となりました。

 

お風呂の掃除はパパも結構やっているようです

お風呂の掃除はパパも結構やっているようです

お風呂の準備についても結果はごらんのとおり。63.3%の方が「ママがすることが多い」と回答、「パパがすることが多い」は18.7%にとどまりました。また「その時に応じて、できる方がする」は19.1%となっています。


お風呂掃除はほぼ半々の割合。ママが40.8%、パパが38.5%となっています。「その時に応じて、できる方がする」も19.3%を占めており、比較的バランスが取れた結果となっています。

 

ゴミ捨てはパパの仕事?

ゴミ捨てはパパの仕事?

ようやくパパ初勝利! ゴミ捨てに関しては「ママがすることが多い」のは22.5%、「パパがすることが多い」のは61.3%となりました。一方、「その時に応じて、できる方がする」も15.3%とそれなりの割合となっています。


トイレ掃除もママがやっているご家庭の方が多いようですね。今回のアンケートでは「ママがすることが多い」は68.2%、「パパがすることが多い」は18.0%と大きく開きが。また「その時に応じて、できる方がする」は12.7%でした。

 

食事の世話とおむつ替えは“できる方がする”ご家庭も

食事の世話とおむつ替えは“できる方がする”ご家庭も

子どもの食事の世話はママがやっているご家庭がほとんどのようです。「パパがすることが多い」と回答されたのはわずか3.0%のみ。一方、「その時に応じて、できる方がする」が24.5%も占めているので、ママを基本にパパがお世話をできるときはする、という形が多いのかもしれません。


同様の傾向は子どものおむつ替えでも見られました。「ママがすることが多い」は6割近くを占め、「パパがすることが多い」は2.8%のみ。しかしながら39.2%が「その時に応じて、できる方がする」という回答でしたので、食事の世話と同じようにおむつ替えもママがやることが多いけれども、その時に応じて、できる方がするご家庭が多いようです。

 

出かける準備やお着替え、寝かしつけはどっち?

出かける準備やお着替え、寝かしつけはどっち?

子どもとのお出かけには何かと準備も必要です。手指消毒用のアルコール、ウェットティッシュ、おしりふき、ハンカチ、ティッシュ、おむつ…等々、持っていくものはたくさんありますよね。こうした準備は、ほとんどのご家庭でママの担当になっているようです。実に84.8%のご家庭が「ママがすることが多い」と回答、「パパがすることが多い」はわずか1.8%にとどまっています。また「その時に応じて、できる方がする」は14.5%です。


子どもの着替えもママが担当しているご家庭が多いという結果に。ママが67.8%に対してパパは3.5%。ただし「その時に応じて、できる方がする」が31.8%です。


子どもの寝かしつけも約7割がママ担当というご家庭でした。パパ担当だというご家庭も1割弱あり、また「その時に応じて、できる方がする」という回答も21.4%と2割を超える割合となりました。ママが寝かしつけするご家庭が多いですが、これもパパが担当するケースも少なからずあるようです。

 

洗濯物は、洗って、干して、たたんで、しまうまでがお仕事です

洗濯物は、洗って、干して、たたんで、しまうまでがお仕事です

洗濯・洗濯物干しにママが68.9%、パパが12.1%とママ担当となっているご家庭が多いようです。一方で「その時に応じて、できる方がする」が20.4%に上るので、5軒に1軒は臨機応変に分担しながらやっている実態が見えてきます。


洗濯は洗って干して終わりではなく、取り入れて、たたんで、タンス等に収納するまでして、業務としてようやく完了です。このあたりまでしっかりやっているのは…やはり、「ママがすることが多い」が74.1%で「パパがすることが多い」は9.0%となりました。ただし「その時に応じて、できる方がする」が18.7%と、小さくはない割合となっています。


部屋の掃除は、「ママがすることが多い」が70.3%で、「パパがすることが多い」が9.0%、さらに「その時に応じて、できる方がする」が22.0%となっています。最近は民間のお掃除サービスなどもありますが、「祖父母や外部サポートを利用」回答されたのはわずか2.2%にとどまっています。

 

通園がはじまったらお弁当や送り迎えもありますよね

通園がはじまったらお弁当や送り迎えもありますよね

結果はごらんのとおりで、子どものお弁当づくりはママがやることが多いご家庭が圧倒的に多いです。一点、注釈があり、この回答については「その他」が30.2%となっていること。アンケート対象の中には、お子さんが通園前などで、日常的にお弁当づくりをする必要がないご家庭も多く、そのことが関係していると推察できます。


最後は子どもの送り迎え。こちらもお弁当づくり同様、日常的に送り迎えをする必要がないご家庭もあるので、「その他」が22.5%とそれなりの割合になっています。それ以外での数字になりますが、ここでもやはりママ担当となっているのが54.4%、パパ担当はわずか5.0%となりました。また「その時に応じて、できる方がする」が17.0%となっています。

 

育児・家事への不満、ママたちの本音

育児・家事への不満、ママたちの本音

続いて、パートナーの育児・家事について不満を感じる部分、直してほしい部分について、自由回答でお聞きしました。事前にお伝えするとコメントのほとんどはママからの「不満」でした。いずれも、かなり厳しいコメントが並びますが、直接伝えられないママたちの“本音”と思ってください。

なお、こちらのコメントをピックアップしている編集スタッフは、6歳の女の子と3歳の男の子を持つ子育て中のパパ。各コメントは、当事者として身につまされる思いで(まるで自分に言われているかのように)、胸にこみ上げるものを感じつつ編集いたしました。

ママとパパの対立をいたずらに煽るために辛口コメントを選定しているわけではなく、いただいたコメント全体の傾向を見ながら、学びの多いもの、課題が浮かび上がるものをセレクトしております。願っているのは、よりよい家事・育児が社会に広がること……。それではお読みくださいませ。



「『できる方がやる』というスタンスでやっているが、夫が疲れているのか、やりながら溜息を吐いたり、不機嫌な顔をしながらやっていることがあるが、見ているこちらも気が滅入るので、無理してやらなくていいと感じている」(30代ママ/子ども1人)

「共働きの時は家事をもっとしてくれたが、私が育休になりほとんど何にもしてくれなくなったこと。おむつ替えや、ミルクを飲んだ後の片付けなど、面倒なことは手伝ってくれないこと」(40代ママ/子ども1人)

「仕事が終わって疲れているので帰宅後スマホを見てリフレッシュしているが、その時間を少しで良いので子どもとの時間に使って欲しい。 寝る時間になると自分だけさっさと寝室へ行ってしまう。暗くなった部屋で長男の話し相手をしているので、たまには次男の寝かしつけをして私がしっかり長男に向き合う時間が欲しい」(40代ママ/子ども2人)



「在宅ワークが増えこちらも仕事だとは分かっているのですが、家にいるのならもう少し家族とすごす時間を増やして、子どもたちと食事やお風呂に一緒に入るなどコミュニケーションの時間を作ってほしい」(30代ママ/子ども2人)

「専業主婦だから家の事、子どもの事は自分(ママ)がやる事が当たり前という風潮や考え方についてプレッシャーや負担を感じる。自分(ママ)が風邪や病気で動けない場合にはどうなってしまうのだろうという不安もついて回る。当然、友人との遊びや気分転換に行くには負い目を感じる」(30代ママ/子ども1人)

「家事に育児にたくさんやることがありバタバタ動いているのに、子どもをみてるふりして携帯を見ている。子どもが寝たあとに日中できなかったことがあるのに主人はゴロゴロしていたり、お酒を飲みながらTVを見ている。休日も子どもの離乳食が終わり、私が呼ばないと起きてこない。オムツをかえてと言ってからなかなかかえずにいる。うんちしてるとかえずに私を呼ぶ」(30代ママ/子ども1人)



「言わないとやらないところが不満。 基本的に平日はワンオペなので諦めているが、土日は少し手伝ってくれてもいいのになと心の中で思いつつ、専業主婦なのでぐっと我慢している」(30代ママ/子ども2人)

「私が一人になれる時間を作って欲しいのが本音です。1時間なら一緒に入れるけどそれ以上や、食事やお昼寝の時間が重なるとお手上げ状態なので病院や美容院などにも行けないのでそこだけが不満です」(20代ママ/子ども1人)

「家事の負担がしんどいと相談した際に、仕事もしんどいよ、と言われると、専業主婦からしたら、何も言えなくなるので 仕事を引き合いに出さないで欲しい。 とりあえず『お疲れさま、ありがとう』と寄り添ってほしい」(20代ママ/子ども2人)

「私は結婚してすぐに引っ越し、妊娠・出産を経験しました。出産前と後で育児や家事の負担の割合はほぼ変わりありませんでした。私が専業主婦となり、夫が正社員で働いているおかげで今の生活が成り立っていることにはとても感謝なのですが、食事の後の洗い物や洗濯物は手つかずで、私が声をかけるとやってくれるということがほとんどです。休日には疲れもあり休みたい気持ちは分かるのですが、もっとうまく声かけし合いながら家事も一緒にできたら楽しいのかなと期待してしまいます。『言ってくれればやるよ』という受け身の姿勢ではなく、お互いが思いやりを持ち、夫にも自ら育児や家事に積極的に関わってもらえたらいいなと思ってしまいます」(30代ママ/子ども1人)



「いわゆる『見えない家事』に気づかないことが多い。その度に指摘するのも面倒なので、結局自分がやることになる。 家事育児のスタンスが『妻のお手伝い』、『空いた時間にやれる範囲で』という感じである。家事も育児も365日休みなく続いていくので、常に役割分担やスケジュールを明確にして担ってほしい」(30代ママ/子ども3人)

「授乳や寝かしつけはどうしても母しかダメ!という部分ではあるので仕方ないと思いますが、自分には関係ないと無関心ではなく、その間、上の子の世話など手伝えることはないか考えてほしい。育休=家で十分に家事ができると思っている傾向にある。自分の洗濯物ぐらい戻してほしい!」(30代ママ/子ども2人)

「仕事の時間や、自分のプライベートなど、独身のように予定をいれること。土日も仕事や遊びを入れ、ほとんど子どもと遊ばないこと。私は自分の時間は、仕事のみで、プライベートの自由がない」(30代ママ/子ども2人)

「育児を一緒にしてるというより、どこかで『手伝う』という気持ちでしているように感じます。自分から率先してというより、こちらからお願いしてから。が多く、なぜお願いしないといけないの?って思ってしまいます」(30代ママ/子ども1人)



「名もなき家事をもっと意識して欲しい。ミルクをあげて満足して終わるのではなく、洗って消毒をし、頃合いを測って次に使えるように消毒液からあげておいたり、ミルクがなくなればすぐに使えるように新しい缶を開けて準備をしておく。育児や家事の一部を切り取って、やった気になりがちで、それで大変だと思っているが、その前後にはまだまだ隠れた育児・家事、スムーズに育児・家事を進めるための下準備や後片付けなどがあることを知ってほしい。お仕事で大変なことはわかりますが、一度1日を通して自分もやってみれば、次の時間に向けて、どんな準備をどのような段取りでやれば良いのか、また相手がやってもらうと本当に助かることは何なのか、もっと見えてくると思うので、失敗しても良いので、1日を通して自分で体感してほしい」(40代ママ/子ども3人)

「どんなに疲れてても、私は必ず子どもの世話をするけれど、夫はその日の気分や勤務状況によってやらなくてもいい日があることに不満があります。また、つかみ食べなど、子どもがやりたいと意思表示をしているのに、掃除が大変など大人の理由でやらせないのが不満」(20代ママ/子ども1人)

 


いかがでしたでしょうか。ママにとっては共感できる内容で、パパにとっては思い当たる節もあるのでは……(少なくとも、担当編集で、2児のパパでまもある私としては思い当たる節がありすぎました)。家事育児分担というのは量だけでなく質も重要で、簡単に数値化できるものではないこと。また常に当事者意識を持ち、義務として仕方なくやる(=やらされる)のではなく、率先してテキパキとやることが大切なことを、ママたちののコメントから学ばせていただきました。

最後に子ども2人を育てる20代ママからのコメントで記事を締めたいと思います。

「理想的な育児・家事の分担割合も大事ですが、それ以上にどんな割合だとしても共感する態度、姿勢、感謝、お互いをリスペクトする気持ちが表に出ないと不満が起こる気がします」


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