うちの子が本当にハマった《年齢別》絵本ランキング 
子育て中のママ・パパに聞きました!

ミキハウス編集部

お子さまのお気に入りの絵本、教えてください――今回、そんな質問をミキハウスクラブメンバーに投げかけたところ、たくさんの回答が寄せられました。ママやパパも読んだ名作から、定番のシリーズもの、話題の人気作まで多くのタイトルがずらり。本記事ではその結果を年齢別に分けてランキング化いたしました。

子育ての専門家や教育者がオススメするものでもなく、出版社や書店が売りたいものでもない。「あなたのお子さま」が実際に読んで、好きになった絵本についてお聞きした今回のランキング。どんな結果となったのでしょうか?

 

今回のランキングはミキハウスクラブメンバーを対象に、2022年6月8日〜20日に実施したWebアンケートをもとに作成したものです。アンケートの回答総数は4,706名、年齢別に好きな絵本を挙げていただきました。また好きな絵本が複数ある場合は、複数ご記入いただき、その合計総数を集計いたしました。なお「●●シリーズ」という回答は、そのシリーズ=1タイトルとして集計しています。

 

〈0―2歳未満〉No.1に選ばれたのはあのシリーズ!

〈0―2歳未満〉No.1に選ばれたのはあのシリーズ!

それではまず0歳から2歳未満までの人気絵本ランキングからご紹介します。生まれてから2歳になるまでの赤ちゃんや小さな子どもは、どんな作品に夢中になっているのでしょうか?

現役子育てママ・パパが選ぶ〈わが子が本当にハマった絵本〉、1位に選ばれたのは「だるまさん」シリーズ(かがくいひろし作/ブロンズ新社)でした!


2008年に第一弾となる『だるまさんが』が刊行されて、『だるまさんの』、『だるまさんと』のいわゆる「が・の・と」の3部作は、この14年で完全にファーストブックの定番となっていますが、今回のアンケートでも727票を集めて見事首位に輝きました。丸くて赤いだるまさんの動き、言葉の響き、いずれも小さい子どもの心をギュッとつかんでくれる内容です。

続いて2位は、『いないいないばあ』(文:松谷みよ子、絵:瀬川康男/童心社)。


1967年、日本初の本格的なあかちゃん絵本として誕生、2020年に日本の絵本ではじめて累計発行部数700万部を超えた名作中の名作です。やはり日本でもっとも売れている絵本、そこにはしっかり“理由”があるのですね。

3位は『しましまぐるぐる』(絵:柏原 晃夫 学研プラス)。


「いっしょにあそぼ」シリーズのなかでも、もっとも人気の高い本作は、赤ちゃんでも見やすいコントラストの強い配色、そして赤ちゃんが生まれながらに反応するとされる“しましま”と“ぐるぐる”がいっぱいの作品です。今回のアンケートでも、特に1歳未満の小さなお子さんに人気が高かったことが伺えます。

4位も大人気作品がランクインです。世界中の子どもたちに愛されている不朽の名作『はらぺこあおむし』(作:エリック・カール、訳:もりひさし/偕成社)。


鮮やかで特徴的な絵、そして穴の開いた仕掛けもあり、わかりやすいストーリー展開で子どもたちだけでなく親世代にも大人気。なお今回のアンケートでは、2歳以上の子どもにも愛読されていることがわかっています。果たして2歳以上のランキングでは、何位にランクインされているのでしょうか?

5位は「もいもい」シリーズ(絵:市原 淳、監修:開一夫/ディスカバー・トゥエンティワン)。


『もいもい』、『もいもい ボードブック』、『もいもい どこどこ?』といずれも人気の本シリーズは、東京大学赤ちゃんラボと株式会社ディスカバー・トゥエンティワンの共同研究の末に誕生しました。今回のアンケートでも見事にランクイン、特に1歳未満のお子さんに人気が高いことが判明しました。


 

〈2歳以上―4歳未満〉世界的名作が堂々の1位!

〈2歳以上―4歳未満〉世界的名作が堂々の1位!

2歳〜4歳は語彙も増えてきて、またさまざまな体験から感情を学び、自己と他者の違いなども認識してくるようになってくると言われています。今回のランキングでは、好む絵本も変わってくることが見えてきました。しかし、1位に選ばれたのは0〜2歳未満の小さな子どもにも支持されたあの作品。

見事連続ランクイン! 第1位は『はらぺこあおむし』(作:エリック・カール、訳:もりひさし/偕成社)でした。


2歳未満でも4位にランクインした本作が、2歳〜4歳未満の部で1位に。赤ちゃんにも大人気ですが、少し大きくなった子どもにも「おもしろい」と評価された形です。ちなみに本作は4歳以上―5歳未満の部でも9位にランクインしており、幅広い年齢層に支持されていることが伺えます。

2位は「ノンタン」シリーズ(作:キヨノサチコ/偕成社)。


『ノンタンぶらんこのせて』『ノンタンはみがきはーみー』、『ノンタンのたんじょうび』など人気作目白押しの本シリーズが、2位にランクインしました。1976年にスタートしているので、今のママやパパも子どもの頃に読んだという方も多いのではないでしょうか。

3位はこちらもロングセラー「ぐりとぐら」シリーズ(作:なかがわ りえこ、絵:おおむら ゆりこ/福音館書店)です。


ふたごの野ねずみ「ぐり」と「ぐら」の物語。1960年代に誕生して以来、11言語に翻訳され、時代と国境を越えて多くの子どもたちに読まれ続けている名作です。作者のなかがわ りえこさんは元保育士。第1作の『ぐりとぐら』にはカステラが登場しますが、これは勤めていた保育園での読み聞かせの際、ホットケーキが登場する『ちびくろ・さんぼ』が人気だったことから、より美味しいものを登場させたい、ということでカステラを描いたそうです。

まったく同じ票数を集めた同率3位は、こちらも連続のランクインとなった「だるまさん」シリーズ(かがくいひろし作/ブロンズ新社)です。だるまさん、強い!


赤ちゃん時代からの読み聞かせで、子どもが好きになり2歳になっても3歳になってもずっと読み続ける、というケースが多いようです。

5位は「アンパンマン」シリーズ(作:やなせたかし/フレーベル館)。アニメでも大人気、小さな子どもにとって最強コンテンツのひとつアンパンマンは、絵本でも支持されていることが改めてわかりました。


言わずもがなの大人気アニメの原作。初めて絵本で登場したのは1973年のことなので、なんと来年2023年はアンパンマン生誕50周年です。まだまだ子どもたちに愛され続けることでしょう。


 

〈4歳以上〉のランキングは、あの作品がトップに

〈4歳以上〉のランキングは、あの作品がトップに

4歳にもなると少し複雑なストーリーもわかるようになってくるため、好きになる本も様変わりしてくるようです。もちろん2歳、3歳のランキングにも入ってくる作品もありますが、全体的に大きな変化があることが今回のアンケートから見えてきました。

それでは4歳以上のランキングのご紹介です。

1位は「100かいだてのいえ」シリーズ(いわいとしお/偕成社)。


第1作目の『100かいだてのいえ』は星を見るのが大好きなトチくんが100階建ての家のてっぺんを目指して上がっていくと、10階ごとに違う動物が住んでいて、上の階に上がるたびに楽しい出会いが待ち受けているというストーリー。その他の、『ちか100かいだてのいえ』、『うみの100かいだてのいえ』、『そらの100かいだてのいえ』なども人気作となっています。

2位は「ノラネコぐんだん」シリーズ(作:工藤ノリコ/白泉社)。


ちょっといたずら好きなノラネコたちと、真面目に働くワンワンちゃんたちの“攻防”をコミカルに描いた大人気シリーズが第2位にランクインです。本シリーズはどの作品もギャグ要素強めのストーリー展開(いつも同じ結末を迎えるノラネコたち)にハマる子どもが多いようです。

3位はまたまた登場の「ぐりとぐら」シリーズ(作:なかがわ りえこ、絵:おおむら ゆりこ/福音館書店)です。


4歳だけでなく5歳以上の子にも人気が高く、幅広い層に愛読されていることが今回のアンケートでも判明しました。さすがのロングセラーですね。

続いて4位は1973年に誕生、以来日本中の子どもたちに読まれている名作『からすのパンやさん』(作:かこさとし/偕成社)。


作者のかこさとしさんは、2018年に92歳でこの世を去るまで600冊を超える作品を残した日本を代表する絵本作家。本作以外にもたくさんの素晴らしい作品がありますが、やはり『からすのパンやさん』は今の子どもたちにも熱く支持されているようです。

5位にランクインしたのは「パンどろぼう」シリーズ(作:柴田ケイコ/KADOKAWA)。2020年に生まれたばかりの“新星”ですが、すでに子どもたちのハートを鷲掴みしています。


パンなのにパンを盗むパンどろぼう。そのシュールな設定、パンどろぼうのなんとも言えない表情に、好きになってしまう子どもが続出。絵本業界は昔ながらの名作が根強い人気を誇る一方で、こうした“新作”がランクインしているのは興味深い結果といえそうです。

ちなみに本シリーズは生まれてまだ2年、2位の「ノラネコぐんだん」シリーズも誕生からわずか10年。両シリーズに共通しているのは、なんともいえない魅力を放つ主人公が登場すること、そして彼らが繰り広げるシュールなストーリーが「笑える」ものであること。新作をつくる際は、このあたりをポイントにすれば、今の子どもに受けるのかもしれませんね。


 

みなさんの絵本選びの参考になりましたでしょうか? 今回ご紹介していない本でも、素晴らしい作品はたくさんあります。また本はそもそも、趣味や好みが色濃く反映するものです。みんなが好きな本が、自分の子も好きになるとは限らないので、絵本選びは自由に、そして子どもの声(意見)に耳を傾けていただければと思います! それでは、素敵な本との出会いを。

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