風しんの流行 犠牲になるのは赤ちゃんです 
抗体検査とワクチン接種を

ミキハウス編集部

注意すべきは、妊娠初期の妊婦さんに感染させること

注意すべきは、妊娠初期の妊婦さんに感染させること

風しんがやっかいな感染症である理由、それはなにより妊娠20週頃までの妊婦さんが風しんウイルスに感染すると「先天性風しん症候群」を引き起こす恐れがあることです。

妊活前に、男女とも予防接種の記録を確認するか抗体検査を

妊活前に、男女とも予防接種の記録を確認するか抗体検査を

「先天性風しん症候群」とは、おなかの赤ちゃんに難聴や白内障、心疾患などが起こる先天性の異常です。妊婦さんのおなかの中で赤ちゃんの耳や目、心臓などの器官ができ上がっていく妊娠20週ぐらいまでは、特に注意が必要だと言われています。

たとえば妊娠1か月で風しんを発病すると、50%以上の赤ちゃんに異常が起き、2か月で35%、3か月で18%、4か月で8%程度の赤ちゃんに影響するというデータもあります。

妊娠を望んでいる女性は、まず予防接種の記録を母子健康手帳などで確認しましょう。記録が見つからなければ、医療機関で抗体検査を受けて確かめることもできます。パートナーも妊活前に抗体の有無を調べておく必要があります。

風しんを予防するには、ワクチン接種しかありません

風しんを予防するには、ワクチン接種しかありません

日本では2004年に推計患者数約4万人の爆発的な流行があり、2012年~13年にも全国で1万5千人以上の感染が報告されるなど社会問題になっています。こうした流行を防ぐにはワクチン接種で集団免疫を獲得するしかありません。

抗体保有率を上げて、集団免疫を獲得すれば、大規模な流行は防げるのです。しかしながら、現時点では集団免疫獲得には至っていません。風しんのワクチンは有効性、安全性が確立しており、さらに日本では、望めば接種できる“手に届くワクチン”にも関わらず、そうなっていないのです。

ちなみに風しんワクチンは2回のワクチン接種で十分な抗体価を持つことができ、基本的には一生保持できます。つまり2回接種すれば安心できるワクチンであり、新型コロナのように何度もブースター接種をする必要はありません

次のページ “空白の世代”の抗体検査が急務です

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