妊娠中の不眠の対処法は、まずストレスをためないこと。
「イライラや不安な気持ちはホルモンの影響と考えて、ありのままを受け入れてください」と吉村先生。
その上で、少しでも眠れるようにするにはどうしたらいいのでしょうか。吉村先生のお話をもとに、以下にまとめました。
就寝前にお風呂に入ってからだを温めてください
お湯が熱すぎると交感神経を刺激してしまうため、38〜40℃のぬるめのお湯での入浴がおすすめです。体温が上昇すると、その後体温が下がる中で眠くなり、入眠しやすくなります。
就寝時刻の90分前くらいに入浴するのが理想的です。また、ぬるいお湯だからといって長風呂は控えてください。妊娠中は全身の血流量が増えてのぼせやすいため、入浴時間は10分前後が目安です。
日中は軽い運動をしましょう
日中に十分な運動をしていると、睡眠の質を改善してくれます。心拍数が過度に上がるような激しい運動や転倒やからだのへの衝撃を与えるような運動は控えて、ウォーキングやマタニティヨガなどの軽い運動にしておきましょう。たとえば妊娠後期の場合、朝夕30分ずつのウォーキングなどは非常に効果的です。軽い運動はストレス軽減にも役立つので、一石二鳥といえるでしょう。
日中の仮眠は15分程度で
妊娠中は、昼間に眠くなる方が多いのですが、その場合、日中の仮眠を取りすぎないことが夜の睡眠の質を上げることにもつながります。これは妊婦さんに限ったことではないですが、仮眠は15分程度の短いもので。1時間以上の仮眠は、生活リズムそのものを崩しかねないのでやめておいた方がよいでしょう。
睡眠前のパソコン、タブレット、スマホの使用は控える
これも妊婦さんに限らずですが、夜寝る前にパソコンやスマホを見るのはやめておきましょう。各種デバイスの画面から出るブルーライトは、睡眠を促すメラトニンの分泌を抑えるため、睡眠を妨げることが指摘されています。ついついベッドに入って、SNSをチェックしたり、動画を見たりしてしまいがちですが、それが睡眠の質を下げている原因のひとつかもしれません。
妊娠後期の睡眠姿勢は「シムズ体位」がおすすめ
おなかが大きくなる妊娠後期は、お腹の圧迫感や、寝返りが打ちにくくなるなどで、どうしても不眠になるケースが多いです。そこで、お腹の重みを感じにくい「シムズ体位」で寝てみてはいかがでしょうか。
やり方は簡単。からだの左側を下にして横向きに寝ます。少しうつ伏せ気味になりつつ、右足は付け根から曲げてください。このとき、抱きまくらやクッションなどを使って、右足を抱き枕の上にのせるなどして浮かせると結構楽ですよ。
またシムズ体位で寝ると、背中が蒸れにくいため、夏場に暑くて眠れない方にもおすすめです。