「お皿洗いでもオムツ替えでも、旦那さんが何か協力してくれた時は直後にすぐに大袈裟レベルで褒めましょう。継続してやってもらうようにするためには、最初が肝心。良い行動をすれば良い反応など報酬がもらえる成功体験を持てれば、男性は同じことをリピートしてくれるので、サポートを受けたら思いきり褒める。これがフィードバック。直訳すれば“栄養を戻す”という意味です。そして、褒めつつも、さり気なく要求も付け足すのがコツ。『あとは○○があれば最高ね!』『今度は○○が加われば100点満点ね!』と、さらなるチャンスを伝える。これがチャンスフィードバックです」。
この“ポジティブフィードバック&チャンスフィードバック方式”が、大葉さんの提案するパートナーシップ・マネジメント。
「がんばり屋さんのママは甘え下手で、辛いとか、助けてとか、なかなか言えません。しかし、子育てはまわりのサポートがなくてはできないもの。“自分は甘え下手”と感じている人こそ、旦那さんに助けてほしいことを伝えておくことが絶対に必要です」
最近は、ぎりぎりまで働くプレママも増えていますが、仕事ができる人ほど、産後の赤ちゃんの世話にも仕事のやり方を持ち込んで、ストレスを溜めてしまう傾向にあるとも。
「仕事は予定調和ですが、産後は“予定不調和”が当たり前。産まれたばかりの赤ちゃんは、たったの3か月で倍の重さにも成長するのですから、昨日と今日ですべてが同じであるはずがありません。昨日の寝かしつけが、今日は通用しないことも。毎日が違って当然なのですから、日々赤ちゃんの観察日記をつけているような気持ちで接するのが一番です。仕事のように、そこにパターンを見つけ出そうとしたり、予定調和を期待したりすると、ものすごいストレスを溜めることになるので要注意」
言葉をもたない赤ちゃんに対する、ストレスマネジメントも重要なポイント。たとえば、さっきお乳をあげたばかりの赤ちゃんが泣くと、お母さんは「母乳が足りてないのかな?」と自分が悪いように感じてしまいがち。けれど、赤ちゃんの胃は産まれたときに、マカデミアナッツほどの大きさしかありません。赤ちゃんが頻繁に泣くのは、単に胃袋が小さすぎて一度にほんのちょっとしか飲めないから。お母さんは自分を責める必要など微塵もありません。
また、現在の育児事情は昭和の時代と大きく変わりました。そのため、自分の母親やお姑さんのアドバイスも、今の時代にそぐわないことが多々あります。それが現代ママのストレスの原因になることも。大葉さんは、こちらも妊娠中から上手にマネジメントをしておくことを提案しています。最近の育児事情は、最新の科学的証拠に基づくWHO(世界保健機関)や、ユニセフの情報がスタンダードであることをさり気なく会話の中で伝え、おばあちゃん世代の情報をアップデートしておくと有効だそうです。