
お宮参りには、父方の祖母が赤ちゃんを抱いてお参りするという風習があります。これは、平安末〜中世(おおむね12〜16世紀)に広まった「産の忌(いみ)」――出産を「忌み(けがれ)」とみなし、一定期間は神事を慎む――という規範の名残で、産後まもない母親への配慮にも基づくものです。
とはいえ現代では、父方の祖母に限らず家族で抱っこを交代したり、ママ・パパと赤ちゃんだけで参拝したりするスタイルも一般的です。家族の事情や体調を最優先に考えましょう。
赤ちゃんが着るものは? 親はどんな服装がいい?

お宮参りでの赤ちゃんの正式な服装は和装になります。光沢のある白い絹生地でできた「白羽二重(しろはぶたえ)」を身に付けるのが基本。その上に、男の子なら鷹や鶴などのおめでたい柄の「のし目模様」、女の子なら華やかな「友禅模様」の祝い着を重ねることが正式とされています。
ただ、お宮参りでしか着ないものなので、購入せずにレンタルしたり、他の機会にも着られそうなベビードレスを選んだりするご家庭も増えています。白羽二重の代わりにベビードレスを着させて、その上に祝い着を羽織るスタイルも一般的となっています。またベビードレスにケープをあわせるスタイルもあり、はじめての行事にふさわしい、ワンランク上の雰囲気になります。
ママやパパの服装は、赤ちゃんの装いに合わせて、和服、スーツ、ワンピースなどから選ぶのが一般的です。神聖な場所へのお参りとなるので、カジュアルすぎる服装やスタイル(半ズボンにビーチサンダルなど)は避けましょう。
ただし、そこまで厳密にルールがあるわけではありません。特に最近ではライフスタイルや価値観もさまざまになっていますので、基本的なマナーを守ってお宮参りをすれば問題ないでしょう。
なにを持って行けば安心?

大切な行事とはいえ、あまり長時間の外出にならないようにしたいものです。
どうしても時間がかかってしまうときは、母乳のママもミルクを用意したり、授乳しやすい服装にしたりしておくと、なにかと安心です。
なお和装の場合、授乳用の着物はないため、着たままで授乳することになります(着物を着ていても授乳をすることは可能です)。洋装は授乳口の付いたフォーマルな服もあります。
着替えやおむつ、授乳用品、ブランケットなども忘れずに。撮影をするなら、カメラ・スマホの充電を満タンにし、モバイルバッテリーも用意しましょう。

神社の境内は階段や砂利道も多く、歩きやすいとは限りません。荷物はできるだけコンパクトにしつつ、抱っこひもに加えて、赤ちゃんだけでなく荷物も載せられるタイプのベビーカーがあると移動がぐっと楽になります。








