お宮参りには、父方の祖母が赤ちゃんを抱いてお参りするという風習があります。これはもともと、出産をけがれたものと考える「産の忌(いみ)」から生まれたもの。お宮参りには、この機会にけがれを祓って、母親の“忌み明け”を行うという意味もあるのです。また、産後1か月の頃は、母親の体調が不安定なことも多いもの。それを気づかってできた習わしという考えもあります。
しかしながら現代では、父方の祖母以外が赤ちゃんを抱いて参拝することも珍しくありません。ママ、パパの両親がともに遠方に住んでいる場合など、ママとパパと赤ちゃんだけで行うというスタイルも増えています。
赤ちゃんが着るものは? 親はどんな服装がいい?
お宮参りでの赤ちゃんの正式な服装は和装になります。光沢のある白い絹生地でできた「白羽二重(しろはぶたえ)」を身に付けるのが基本。その上に、男の子なら鷹や鶴などのおめでたい柄の「のし目模様」、女の子なら華やかな「友禅模様」の祝い着を重ねることが正式とされています。
ただ、お宮参りでしか着ないものなので、購入せずにレンタルしたり、他の機会にも着られそうなベビードレスを選んだりするご家庭も増えています。白羽二重の代わりにベビードレスを着させて、その上に祝い着を羽織るスタイルも一般的となっています。またベビードレスにケープをあわせるスタイルもあり、はじめての行事にふさわしい、ワンランク上の雰囲気になります。
一方ママやパパの服装は、赤ちゃんの装いに合わせて、和服、スーツ、ワンピースなどから選ぶのが一般的です。神聖な場所へのお参りとなるので、カジュアルすぎる服装やスタイル(半ズボンにビーチサンダルなど)は避けましょう。
ただし、そこまで厳密にルールがあるわけではありません。特に最近ではライフスタイルや価値観も様々になっていますので、基本的なマナーを守ってお宮参りをすれば問題ないでしょう。
なにを持って行けば安心?
大切な行事とはいえ、あまり長時間の外出にならないようにしたいものです。
どうしても時間がかかってしまうときは、母乳のママもミルクを用意したり、授乳しやすい服装にしたりしておくと、なにかと安心です。
なお和装の場合、授乳用の着物はないため、着たままで授乳することになります(着物を着ていても授乳をすることは可能です)。一方、洋装は授乳口の付いたフォーマルな服もあります。
また、赤ちゃんの着替えやおむつなども準備しておくと安心です。撮影をする場合は、デジカメやスマホの充電をフルにしておくことに加えて、モバイルバッテリーなどを持参しておくとよいでしょう。
神社の境内は階段や砂利があって、決して歩きやすいところばかりとは限りません。赤ちゃんを抱いてそうした場所を歩くことは、慣れていないママ、パパにとっては想像以上に大変なもの。ベビーキャリーやベビーカーは赤ちゃんだけでなく、荷物を載せておくこともできるのであると便利です。