Q.陣痛がきたら、入院するように言われていますが、せっかく病院に行ったのに、一度家に帰されたという先輩ママの話を聞きました。ベストのタイミングで病院に行きたいと思いますが、それはいつごろでしょうか?
Q.先日、病院に行ったら、階段を上り下りしている妊婦さんを見ました。出産のために入院した方でしたが、これは何のためですか?
入院する目安は、基本的に陣痛がきてからですね。おしるし(産徴)があって陣痛に進むことが多いですが、産徴(さんちょう:おしるし)が起こってから陣痛がすぐにくる人とこない人がいます。また、痛みが弱く不規則な「前駆陣痛」の場合には、そこから分娩まで一気に進むということはありません(陣痛については「やすのり先生のキーワード解説(4)」も参考に)。
10~15分おきに規則的にやってくる陣痛が、1時間くらい続いたら病院に来てください。と私は妊婦さんにいっています。1時間に6~8回陣痛がきたら、ということです。すでに出産の経験がある経産婦の場合はお産の進みが速いので、陣痛が15分間隔にくるタイミングで、病院に向かったほうが安心ですね。
ただ、お産は人によって違うので、質問にあるようなベストのタイミングを知るのはとても難しいことです。妊婦さんが病院に来られたら、陣痛計で痛みを測定したり、赤ちゃんの心音を聞いたりして、その後どうするかを医師は判断します。まだ、お産までに時間がかかると判断した場合、病院にいるよりも、家にいるほうがリラックスできると思うので、自宅に帰るようにすすめるケースも多いですよ。
その後、再度病院に来るまでの時間の目安ですが、これも、人によって違うので、なんともいえないんです。たとえば、夕方病院に来て一度帰されて、明け方にまた来る人もいれば、3~4日後に来る人もいます。「さっき帰されたのに、また来ちゃった」という妊婦さんも実際にいらっしゃいます。
入院したけれど、まだ分娩まで時間がかかる場合は、階段を上り下りしてもらうことがあります。妊婦さんが体を動かしたり、立っていたりすると、お腹の赤ちゃんの頭の位置が重力によって下がります。そうすると子宮頸管が開き、お産の進行をうながすことができるからです。上り下りでなく、散歩やただ立っているだけでも効果はあります。
生まれるタイミングは、本当に赤ちゃんによってそれぞれ違います。何度も病院に来ることになり、大変な人もいるかと思いますが、やっぱり自然経過をみるのがいちばん大切です。