《プロフィール》
芳林堂書店東長崎店 飯田和之(いいだ かずゆき)さん
大学受験時代に習慣になった読書がきっかけで、現在の会社に入り書店員になったという飯田さん。東野圭吾作品などの推理小説好きの、2歳の女の子のパパです。趣味が多く、好きなものはトコトン突き詰める性格とのことですが、本にハマったのは意外と遅咲き。
書店員さんといえば、幼い頃から本に親しんでいそうなイメージですが、「僕は遅咲きの本読みなんで」と謙遜される飯田さん。果たしてそんな飯田さんの選ぶ絵本とは一体どんなものなのでしょうか?
「『もこ もこもこ』(文研出版 谷川俊太郎 作 / 元永定正 絵)は、2歳の娘に何度も繰り返して読み聞かせています。水平線に突起物がいきなりニョキニョキ生えてきたりする絵がとってもユーモラスですよね。100万部を超える大々ベストセラーですが、個人的には言葉を書いている詩人の谷川俊太郎さんが、私が通っていた中学校の校歌の歌詞を書かれていたりして愛着があり、『谷川さんの絵本』ということに注目して手に取りました。娘は舐めたり、ガジガジ噛んだりするほどこの絵本が大好き(笑)。自分に接点がある絵本を、子どもが喜んでくれるのは感慨深いです」(飯田さん)
特に子どもが幼い頃の絵本の選択は、親に一任されているようなもの。口コミを参考にする以外には、自分の過去に共通点があるなど、パパとママ自身が愛着の持てる絵本を読み聞かせするのもいいかもしれません。
「『ぐりとぐら』(福音館書店 中川李枝子 作 / 大村百合子 絵)のシリーズも昔からのベストセラーですが、森の中でカステラを作る場面などは大人心にも美味しそうですよね。」
「『からすのパンやさん』(偕成社 かこさとし 作)シリーズも、見開きに色んなかたちの美味しそうなパンがいっぱい。読み聞かせすると娘は、『パン、パーン!』と言って大興奮しています」(飯田さん)
食べものなどをテーマにした絵本は子どもが夢中になるのではと話してくださった飯田さん。
対象年齢は少し上がりますが、売り場では『おしりたんてい』(ポプラ社 トロル 作)も人気なのだそう。
「においますね」が口ぐせの紳士が主人公のユーモラスなお話ですが、全体の雰囲気はとってもお洒落。子どもたちの興味を惹きそうなモチーフだけど上品さが保たれている絵本というとことが、今選ばれている理由かもしれません。
(芳林堂書店HP: http://www.horindo.co.jp/ )