続いては、小さい赤ちゃんの感染症を予防する方法について、基本的なことを教えていただきましょう。
「日常生活の中でできることは、ママ・パパやお兄ちゃん、お姉ちゃんなど家族が、外から帰ったら、うがい、手洗いを徹底して、自分たちも感染症にかからないようにすることです。家族がインフルエンザやRSウィルス、胃腸風邪などの感染症にかかると、高い確率で赤ちゃんにうつってしまいます。感染した人の唾やくしゃみにはウィルスが潜んでいて、それを触ることで感染してしまうので、感染症にかかっている人がマスクをして唾を飛ばさないようにすることと、おもちゃやタオルや食器などを赤ちゃんと共有しないことが大切です」(阪下先生)
日常生活でできる最も効果的でシンプルな感染症予防策は、やはり手洗いとうがい。特に手洗いは、トイレの後、オムツ交換の後 、料理の前後、病気の人の看病の前後、ごみをさわった後、咳を手で覆った後、鼻をかんだ後などは必ず行いましょう。
ここで、病院でも推奨されている「正しい手の洗い方」をご紹介します。
【正しい手の洗い方】
- 流水で手を濡らして、水洗いする。
- 水を止めて、石鹸をつける。
- 手の甲、手のひら、指、爪もこすり合わせながら、しっかり石鹸で洗う。
- 流水で石鹸をしっかり洗い流す。
- きれいなタオルで拭くか、空気乾燥させる。
短くても20秒間。ハッピーバースデーの歌を一回歌うと約20秒です。
きれいに手を洗ったら、保湿も忘れないでください。
「慌ただしい子育て生活の中で20秒の手洗いは、なかなか大変」と阪下先生。でも、感染症を赤ちゃんにうつさないためなら、20秒間の手洗いをぜひ頑張って実行したいですね。
続いてはインフルエンザの予防接種。正直、赤ちゃんへの効果はどれほどなのでしょうか。
「もちろん効果はあります。インフルエンザの予防接種は、赤ちゃんがいるご家庭では、ママ・パパ、お兄ちゃん、お姉ちゃん、おじいちゃん、おばあちゃんまで、家に出入りする全員の方にしていただきたいと思います。赤ちゃんも生後6か月になったら打つことができます。
その他の予防接種もぜひ受けてください。たくさんの種類があるのでかかりつけ医と相談しながらスケジュールをたててくださいね。ロタウィルスワクチンは任意予防接種ですが、季節にかかわらず生後6週間から受けられます。ロタウィルスによる下痢や嘔吐の症状から赤ちゃんを守るために、必ず受けてください。ロタウィルスは接種できる期間が決まっているので、早めにすませておきましょう。あらかじめ予防接種を受けておけば、万が一感染しても症状は軽くてすみます」(阪下先生)
予防接種は、自分自身のためだけでなく、家族や周りの人に感染が広がらないようにするためにも有効な手段ですから、早めにすませておきたいものですね。