初めての冬を迎える赤ちゃん。外は寒いので、まだ小さな赤ちゃんは、ほとんどの時間をお部屋ですごしていることでしょう。そんな暮らしの中でも、お熱を出したり、鼻水が出たりということは、よくあること。
また、外気が乾いているうえに、暖房でお部屋の空気も乾燥しているこの季節は、赤ちゃんのお肌も荒れがちで、スキンケアは欠かせませんね。
小児医療の最先端の現場で、多くの子どもたちの治療にあたる阪下和美先生は、家に帰ると、3人のお子さんを育てる超多忙な先輩ママ
そこでミキハウス「出産準備サイト」は、冬の赤ちゃんに起こりがちな健康上のトラブルとその対処法について、国立成育医療研究センターの小児科医・阪下和美先生に教えていただきました。
こちらもあわせてお読みください
パパとの絆を強くするお風呂は気持ちいい~! 冬場の沐浴と入浴のコツ
お外に出ない小さな赤ちゃんでも、油断しないで
インフルエンザを代表とする冬の感染症。大人でもつらい症状が出るものですが、小さな赤ちゃんがかかってしまうと、なおさら大変です。ウィルスや菌から赤ちゃんを守るためにママ・パパは何ができるのでしょうか。
一般的に赤ちゃんはママから抗体をもらっていて、生後6か月までは風邪をひきにくいと聞きますが、阪下先生はこう言います。
「たしかに赤ちゃんには、おなかの中にいる時にママからもらった抗体があり、生後数カ月間は赤ちゃんを守る効果が持続します。しかしママがすべてのウィルスや細菌に対する抗体を持っているとはわけではないので、生後1か月でも2か月でも、感染症にかかるリスクはあります。冬に流行しやすい感染症には、インフルエンザ、RSウィルス、ノロウィルスなどがあります。お兄ちゃん、お姉ちゃんが保育園に通っていたり、おじいちゃん、おばあちゃんや家族以外の人もよく出入りする家だと、ウィルスや細菌が家の中に持ち込まれる可能性が高まるので、小さい赤ちゃんでも風邪をひいてしまうことはあります。“まだ6か月になっていないから”、“外に出していないから大丈夫”と油断しないでくださいね」(阪下先生)
なお、生後3か月未満の赤ちゃんの場合は、38度以上の熱が出たら病院を受診し熱の原因を検査する必要があるとのことです。
「RSウィルスにかかると、赤ちゃんの肺の中の小さな気管支に炎症が起こるので、痰が増えたり、息がぜいぜいしたりします。特に月齢3ヶ月未満の赤ちゃんでは、呼吸困難になり入院治療が必要になることもあります。胃腸かぜのウィルスで赤ちゃんがかかると重症化しやすいものに、ノロウィルス、ロタウィルスがあります。ロタウィルス感染症は、特に冬に流行りやすいというわけではないのですが、月齢の小さい赤ちゃんがかかると下痢・嘔吐をくり返すことで脱水症状を起こすリスクがあります」(阪下先生)
言葉をしゃべれない赤ちゃんは、自分で不調を訴えることができないので、突然の高熱や嘔吐などにママ・パパが気づいて、感染が分かることがほとんどのようです。感染症が流行る時期になったら、体調管理に特に気を配りつつ、おっぱいやミルクの飲み方、機嫌の良し悪しなども注意して見ておきましょう。