風邪は?お熱は?肌荒れは? 赤ちゃんとすごす「初めての冬」

2017.12.07

ミキハウス編集部

赤ちゃんが感染症にかかったかもと思ったら

2

お熱や機嫌の悪さなど、赤ちゃんの様子に異常を感じた時、ママ・パパはすぐに病院に行くべきか、しばらく様子を見るべきか、迷ってしまいます。先ほどのお話ですと、生後1~2か月の赤ちゃんは38度以上の熱が出たら、まず病院に行くべきということですが、月齢の高い赤ちゃんについては、どうしたらいいのでしょうか。

「ウィルス感染症にかかった場合に出る症状は、風邪の原因となったウィルスの種類と、その赤ちゃんの中で起こる免疫反応の強さで異なります。熱の高さではなく、熱と一緒に他の症状があるかどうかが判断基準となります。例えば、呼吸がおかしい、機嫌が悪すぎる、ぐったりしている、おっぱいやミルクが飲めない、おしっこの量が少ない、下痢がひどいなどの症状があれば、病院に行ってください。また熱が5日間以上続く場合は受診してください」(阪下先生)

続いて伺ったのは感染症にかかった後にすべきこと。ママ・パパはどんな点に気をつけて看病したらいいのでしょうか。

「インフルエンザには抗インフルエンザウィルス剤がありますが、一般的な風邪のウィルスには治療薬がないので、症状を和らげる対処療法しながら、回復を待つことになります。熱が出ても機嫌よくニコニコしているようなら、基本的に薬は要りません。熱があり、おっぱいやミルクが飲めない、機嫌が悪いという時には、解熱剤を使ってもいいです。熱が下がって、気分が良くなれば、水分や栄養を取りやすくなるので脱水を防ぐこともできます。また、月齢の小さい赤ちゃんは鼻呼吸しかできません。鼻づまりがあるとおっぱいやミルクが飲みづらくなるので市販の鼻吸い器で鼻水をしっかり吸ってあげてください。胃腸風邪で嘔吐しているときは、一度にたくさんあげると吐いてしまうので、おっぱいやミルクを少量ずつ何度もあげましょう。ぐったりしている、おしっこが出ない、涙が出ない、など脱水を疑う症状があらわれたら、病院に連れていってください」(阪下先生)

お医者さんにかかるときに気をつけたいこと。例えば阪下先生は、「お薬をもらうために病院に行くと考えているママ・パパは多いです」とおっしゃいます。しかしこうしたスタンスは赤ちゃんのためにはあまりよくないようです。

医師に赤ちゃんの様子を診てもらうのは、診断を受けて適切なアドバイスをもらうためと考えていただきたいです。医師は必要のない薬は出さないものです。でも『お薬をもらえないから』とあちこちの病院に行くと、『そんなに治らないなら細菌性の病気かも知れない』と抗菌薬(抗生物質)を処方されてしまうこともあります。必要がないのに抗菌薬を服用するとお腹の中の常在菌が死んでしまって、下痢になってしまったり、赤ちゃんの回復が遅れたりすることもあります。もちろん、抗菌薬が必要な病気もありますので、その点を医師に見極めてもらう必要があります。病院はかかりつけを決めて、できれば小児科専門の先生に診てもらうことをおすすめします。大人と赤ちゃんでは同じ感染症でも症状が違いますし、いつもの赤ちゃんの様子を知っている先生に診てもらうのがベストです」(阪下先生)

赤ちゃんにお熱や咳、鼻水などの症状が出ると、すぐにでも治してあげたいと思うのが親心。その場合、都度、ネットなどでお医者さんを探して、あちこち病院を渡り歩くより、かかりつけの先生を決めたら、気になることは何でも相談できる信頼関係を築いた方が、いざという時に頼れて安心ですね。

次のページ 赤ちゃんへの感染を防ぐために、ママ・パパができること

この記事をシェアする

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

あなたへのおすすめ

おすすめの記事を見る

記事を探す

カテゴリから探す

キーワードから探す

妊娠期/月齢・年齢から探す