三浦さんによると、ひな人形を飾り始めるのは、二十四節気で春の訪れを意味する「立春」(2018年は2月4日~18日)の時期か、厄払いに効果的で良縁に恵まれるといわれる「雨水」(2月19日~3月6日)の早めの時期がよいとされています。今年は2月4日から、遅くとも24日ぐらいまでに飾り始めるといいようです。なお、しまうのはひな祭りの翌日、3月4日というのが一般的です。ひな人形は早くしまわないと「嫁に行き遅れる」という言い伝えがあり、これは災厄を移した人形を早く遠ざけたいという思いや、女の子を片づけ上手にしつけたいという親心から生まれたものと考えることができるそうです。
「ただし、次のひな祭りまでしまっておくことを考えると、湿気が多い雨の日に片づけるのは避けた方がいいでしょう。言い伝えを気にしないなら、しばらく飾っておいても構いませんが、春の訪れを祝うという行事の意味を考えると、遅くとも春分までには片づけたいものです」とアドバイスしてくれる三浦さん。とはいえ、飾る時期については、地域差もあるようです。
「東北や九州などでは、ひな祭りを旧暦で祝う地域や4月3日としている地方もあるようです。いつからひな人形やひな飾りを出すか、いつしまうかについては、それぞれ自分の中で納得できる日を選べばいいのではないでしょうか」(三浦さん)
また、ひな飾りに供える菱餅やひなあられに使われている桃色・白・黄緑の色の組み合わせは、「雪の下には新芽が芽吹き、桃の花が咲いている」情景を表すものです。手軽に女の子の節句を演出したいなら、ランチョンマットや箸置きをこの3色の和紙で作るだけでも、食卓がひな祭りカラーで華やぎそうです。
桃の花、つるし雛、犬筥(いぬばこ)、犬張り子なども、ひな祭りの飾り物です。行事の意味を知ったうえで、ママ・パパの好みに合わせて、我が家流の初節句のお祝いを工夫してみてはどうでしょう。