赤ちゃんのおやつ 正しいあげ方、楽しみ方

2018.05.10

ミキハウス編集部

生後5~6か月までは、おっぱいやミルクだけで成長する赤ちゃん。やがて体が大きくなると、それだけでは成長のための栄養やエネルギーを補えなくなってしまいます。そこで固形物を食べる練習として、はじめるのが離乳食。個人差はありますが、1歳半ぐらいまでには離乳食が1日3回になり、徐々に大人の食事に近い幼児食へ移行していきます。

ここでママ・パパが気をつけた方がよいことがあります。それは、体力、知力ともにどんどん発達する幼児期には、多くのエネルギーが必要だということ。例えば、厚生労働省の資料(※)によると、日本人の成人女性(18〜49歳)の1日の推奨摂取カロリーは約2000㎉とされていますが、実は1~2歳児で900~950㎉、3~5歳になると1250~1300㎉と、1歳児でもママの食事の約半分のカロリーが必要になります。とはいえ幼児は胃も小さくて、1度にたくさんの量を食べるのは困難。そこで、不足しがちな栄養やエネルギーをおやつで補充しましょう――というのが今回のお話です。

そこで今回は、食生態学の研究者であり、長年、母子の健康向上に取り組んでいる管理栄養士の宇野薫さんに、幼児期のおやつについてお話を伺いました。宇野さんは、栄養学の観点からだけでなく、ママ・パパとのコミュニケーションや情操面での発達につながるおやつの与え方やその効用などについて教えてくださいました。

 

子どもにとってのおやつが意味すること

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おやつと聞いて、甘いお菓子を連想するママ・パパは多いのではないでしょうか。たしかに大人はちょっと休んで疲れを取りたい時、甘いおやつを食べることが多いもの。でも子どもにとってのおやつは、あくまでも食事で足りない栄養を補うための『補食』、つまり“栄養と水分を補給するもの”と考えて、と宇野さんはおっしゃいます。

「子どものおやつには、食事で不足しがちな食物繊維やビタミン、ミネラルを含んだ食品を与えるのが望ましいです。また子どもは汗をかきやすいので、活動することで失われた水分を補給することも大切。おやつの時には甘くない飲み物も忘れずに与えてください」(宇野さん)

おやつをはじめるタイミングは、一般的には、外遊びが増え、動きも活発になってくる1歳から1歳半ぐらいが目安です。

「1日3回幼児食を食べるようになったら、食事で栄養やエネルギーが充分に摂れているかどうか、まず体重や成長曲線から判断して、おやつをはじめるべきかどうかを判断してください。ただ実際には、子どもは家族がおやつを食べていると、それを見て欲しがるようになるんですよね。ですから、そういう時は『まだ早いからあげない』と頑なになる必要はないので、少しだけで結構なのであげてください。おやつは栄養を補給するだけでなく、親子のコミュニケーションの機会としても貴重な時間になりますから、一緒に楽しいおやつの時間をすごしていただくといいのではないでしょうか」(宇野さん)

確かに、おいしいものを家族と一緒に食べると、自然に笑顔がわいてきて、幸せな気持ちになりますね。おやつは生活のリズムを整える上でも、朝は10時、午後は3時というように、時間を決めて与えることも大切とのことです。

次におやつにしたい食品や与える時の工夫について伺っていきましょう。

次のページ “おやつはじめ”におススメのおやつはフルーツと乳製品

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