食事を補うものとしてのおやつには、どんな食べ物が適しているのでしょう。まず小さな子どもにオススメのものについて宇野さんにお聞きしました。
「乳製品や果物から始めるのがいいと思います。ヨーグルトはたんぱく質やカルシウムを多く含んでいるし、果物はビタミンや食物繊維が豊富で水分も摂れるので、小さな子どもたちのおやつとしては、理想的な食べ物と言えます」(宇野さん)
下の図は、一般社団法人「ラブテリ トーキョー&ニューヨーク」が作成した「子どもにおススメのおやつ」のパンフレット。
ヨーグルトと果物の他にも、海苔、ゆで卵、野菜スティックなどが挙げてあります。
「1回の分量としては、りんごなら半分が目安。その他のフルーツの場合も、だいたいフルーツボウル1皿と考えておいてください。果物をひと口で食べられる大きさにカットしたり、トマトの皮をむいたりと、食べやすくなる工夫をしてあげると食が進みますよ。私はこれを『食のカスタマイズ』と呼んでいます。子どもの様子を見ながら少しずつ大人が食べる形に近づけていくのも、ママ・パパにとっては成長を感じる楽しさにつながるのではないでしょうか」(宇野さん)
この他にも、おやつに取り入れたい食べ物として、「ふかし芋」、「干し芋」、「おにぎり」、「寒天やゼリー類」、「甘栗」、「大豆(きな粉など)を使ったお菓子」、「グラノーラ」、「小魚」などがあると宇野さん。どれも食物繊維やビタミン、ミネラルなどが豊富で栄養補給に役立つ食品ばかりですね。
おやつをはじめるにあたって気をつけたいのは、やはりアレルギーのこと。離乳食の時と同じように、おやつで初めて口にする食品もアレルギーに気をつけたいものです。キウイやパパイヤなどの果物にアレルギー反応が出る場合もありますから、初めての食べ物は必ず行きつけの病院が開いている時間に与えるようにしましょう。
また、プチトマトやウズラの卵、小さなゼリーなどは、子どもにちょうど良さそうなサイズに思えますが、実は噛まずに飲み込んでしまうと、のどに詰まってしまう恐れがあります。こうした一口で食べられそうなサイズの食ベ物は、ちゃんと噛んで食べるようになってから与えた方が安心です。
また、宇野さんのもとにはママからこのような相談も届いているそう。
「よく聞くお話としては、“お店で売っているお菓子を与えても大丈夫でしょうか”とか、“お遊び会などでスナック菓子などが出されると、子どもが食べたがって困っている”というもの。そういう時は、こう答えるようにしています。『個人的には、できるだけ食品添加物などは入っていないおやつが好ましいのではないかと思いますが、家の外でもその“ルール”を運用するのは大変です。なので、持ち運びに便利な赤ちゃん用のせんべいやビスケットなどは外出用として使ってもいいし、よそのお家で出されるスナック菓子を我慢させることはないでしょう』。やっぱり年齢を重ねれば、外で市販のいろいろなお菓子を食べる機会は増えてくるので、そうであれば家の中では、可能な限り自然なものを与えたいと思いますね」(宇野さん)
理想で言えば手作りのお菓子が望ましい、と宇野さんは言います。忙しすぎて、手づくりは無理というママ・パパもいるでしょうが、ふかし芋なら一度に2~3食分をゆでて冷凍庫に保存しておけば、温めるだけで食べられるし、余ったご飯をラップで丸めてきな粉をまぶすだけでも、立派な手作りおやつになります。あまり難しく考えずに、手作りおやつにトライしてみてもいいかもしれませんね。