世界の子育て Vol.2 ドイツ編(後編)
医療費&教育費が無料 
経済的不安が少ないドイツの子育て

2019.03.28

ミキハウス編集部

祝福はするけど……パパの育児休暇取得に関するドイツ人の本音

――日本ではパパの育児休暇はまだまだ一般的ではありませんが、ドイツは皆さん取るんですか?

溝口さん:取りますね。私の夫は育児休暇を1か月しか取らなかったんですけれども、男性でも半年ぐらいのまとまった休みを取ることは珍しくありません。1年間休む人もいるようです。

――素朴な疑問ですが、会社はそれで業務に支障が出ないんですか?

溝口さん:日本とは働き方から違うから、社員が半年休んでも何とか回りでカバーしていける……ということなのでしょう。

――普通に考えると、人員が減るわけですから影響がないと言ったら嘘になりますよね。それがわかっているから、私たち日本人は「周りに迷惑をかけるから」と権利を行使できなかったりする。

溝口さん:ええ。もちろんドイツでも本音と建前みたいなのがあって、たとえば私の夫が上司に育児休暇を取ると話した時の上司の第一声は「君もか!」だったそうです(笑)。でもすぐに「イヤイヤごめん。おめでとう!」と言い直してくれたと聞きました。上司としては、「また育児休暇で職場からいなくなる社員がいるのは大変」というのが本音でしょうが、もちろん「ノー」とは言えない社会なんですよね。

――なるほど、興味深いお話ですね。話は変わりますが、家庭の中でのパパとママの役割分担は、どんな感じでしょうか。

溝口さん:家庭によって違いますが、日本と比べるとだいたいの家庭でパパが自然に家事、育児をやっていると思いますよ。ちなみに、うちの夫は家にいる時は家事や育児をほとんどやってくれるので、私の週末は文字通りのお休みです。

――やっぱり「育児はママの役目」という感覚を持つ人は少ないですか?

溝口さん:いなくはないし、実際にママが家事・育児を全部やっている家庭もあるようですが、社会にはそれをやらせている男性を非難するような空気があると思います。ただ北欧みたいに完全に平等というのではなくて、やっぱりママの方が時短で働いていたりはしますね。

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