指しゃぶり、爪噛み……
歯並びが悪くなる要因は「くせ」にあった?
〜赤ちゃんの口腔環境(後編)〜

2019.05.16

ミキハウス編集部

子どもにありがちなくせが長く続くと要注意です

指しゃぶりや舌突出、爪噛みなど子どもによく見られる「くせ」。こうした行為も歯並びや噛み合わせが悪くなってしまう原因になっているそうです。ここでは石山先生に代表的なくせを取り上げていただき、どんな心配があるのかを説明していただきましょう。

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【指しゃぶり】

「指しゃぶりを続けていると、上あごと上の前歯が前に引っ張られ、下の前歯が内側に押されるために上の歯と下の歯の噛み合わせが悪くなって、口をきちんと閉じることが難しくなります。また指を吸い続けることであごの側面に力が加わるので、普通はU字型に並ぶ歯が、V字型になってしまうことも。ちなみに、おしゃぶりを長く使い続けても同じようなことが起きる可能性があります」(石山先生)

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【舌突出】

「舌突出癖のある子は、いつも上下の歯の間に舌を入れているので上下の歯の間にすき間ができてくる可能性があります」(石山先生)

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【口呼吸】

「口呼吸があると、くちびるや頬の筋肉が発達しにくいので上の前歯が出てしまうことがあります」(石山先生)

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【爪噛み】

「硬い爪を噛んでいるうちに前歯の歯と歯の間にすき間ができたり、歯がねじれてくることもあります。前歯だけで爪を噛むくせがあると、受け口(反対咬合)になることもあります」(石山先生)

【舌のくせ】

「虫歯になった乳歯を抜いたりしてすき間ができると、そのすき間に舌を入れるくせがついてしまうことがあります。そうした舌のくせは、発音や口周りの筋肉の発達にも影響してしまう恐れがあるんです」(石山先生)

舌は口を閉じた状態だと上あごに当たっているのが正しい位置だそうです。筋肉の発達が十分でない場合も舌で下の歯を押すような形になり、受け口(反対咬合)になってしまうことがあるとか。

他にも歯並びに影響する子どものくせとしては、くちびるを咬もうとする「咬唇癖」や「歯ぎしり」などもあげられるそうです。

「あごの形状には遺伝的な要因が働くことも多いのですが、くせが長く続くと、歯並びや舌、口周りの筋肉、骨などの発達にも影響して形が変わってしまうことがあります。赤ちゃんの頃ならそれほど心配は要りませんが、奥歯が生えて噛み合わせがしっかりできあがるのが2歳半ぐらいですから、3歳をすぎてもくせが止まらないようであれば歯科医師に相談していただきたいと思います」(石山先生)

次のページ くせを直すだけで、歯並びや噛み合わせの悩みが解消することも

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