1500g以下で生まれた赤ちゃんを守る母乳バンク」という命のインフラ

2020.02.13

ミキハウス編集部

すべての赤ちゃんが健康に育って欲しいという願いを込めて

赤ちゃんの足

――第2号の母乳バンクは6月から東京で稼働を始めるそうですね。

水野先生:はい。第2の母乳バンクでは年間1000人の赤ちゃんに提供することを目指しています。今までは供給できる量が多くなかったので、できる範囲でやっていくしかなかったのですが、第2の母乳バンクで成果が出れば、他の地域にも拠点を増やすことがでるでしょう。将来はドナーミルクを必要としている日本全国の赤ちゃんに届けられる体制を作りあげていきたいと思っています。

――いつもは元気いっぱいのママでも、妊娠期間中は無事に出産までこぎつけるだろうかと不安な気持ちになることもあります。母乳バンクができると、赤ちゃんとママ・パパにとって安心できるインフラが整うということになりますね。

水野先生:そうですね。1500g以下の赤ちゃんを出産されたお母さんでも、自分の母乳が出るまではドナーミルクを使える、という選択ができることは大変な安心にもつながります。

――先生の活動を知って、ドナー登録をしたいというママもいるのではないかと思います。

水野先生:この活動は母乳を提供してくださるお母さん方のご協力がなくては成り立ちません。産後に母乳がよく出るというお母さんには、ドナーミルクを必要としている子どもたちがたくさんいることを思い出して提供していただけると助かります。ただ申し訳ないことに、今は母乳をいただいても処理能力がないというのが現実です。第2の母乳バンクが稼働を始める今年6月頃から日本母乳バンク協会のHP(https://jhmba.or.jp/)で新規のドナーさんの募集が始まりますので、それまでお待ちいただけますでしょうか。母乳バンクへのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。


子どもたちみんなが元気で成長するように願い、日々努力を重ねておられる水野先生のご活躍には頭が下がります。2020年2月12日の衆議院予算委員会でも、国をあげて母乳バンクの活動を推進していくことが確認されました。子育て世代に優しい社会を実現するためにも、みんなで母乳バンクの活動を見守り、応援していきたいものですね。

<参考資料>
水野克己(みずの・かつみ)

昭和大学医学部 小児科学講座 小児科学部門 教授 医学博士。小児科専門医、新生児専門医、インフェクションコントロールドクター(ICD)、公益社団法人日本小児科学会 理事、一般社団法人日本母乳保育学会 理事長。
2017年に未熟児を支援する一般社団法人 日本母乳バンク協会の代表理事として、全ての子どもたちの健康と幸せを見守る活動を続けている。

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