特集「子育てママ・パパのwithコロナ対策」
在宅勤務で仕事量も8割減?
ワーママたちが語る「わが家のリモートワーク事情」

ミキハウス編集部

世界中でウィズコロナ、アフターコロナでのライフスタイルやワークスタイルが注目されています。日本でも多くの企業・組織が在宅勤務を推奨し、リモートワークがかなり一般的になりました。そんな“時代”となった今、子育て世帯はどのような働き方、育て方をしているのでしょうか。

そこで、今回はそんなワーキングママの在宅勤務の実態について迫りたいと思います。お話を伺ったのは、前回記事 に引き続き、「チーム育児」を提唱しているワーキングペアレンツのためのコミュニティ「両立チーム育児ラボ」 のメンバーの方々です。みなさん東京在住で、4月〜5月は保育園が休園という状況でした。そんな中で、ママ・パパは子育てと在宅勤務をどう両立させていたのでしょうか――。

 

【参加メンバー(順不同)】

子育てママ・パパのwithコロナ対策 参加メンバー

Jさん

6歳(小1)と2歳の子どものママ/会社経営。子どもたちを保育園に預け、オフィスに通勤していたが、緊急事態宣言に伴って自らの会社でも全面的にテレワークを導入。夫も在宅勤務中。

Hさん

4歳と2歳の子どものママ/会社員。朝9時から夕方6時まで職場で勤務していたが、4月2日から完全在宅勤務に。夫も在宅勤務となった。

Iさん

7歳(小2)、5歳、2歳の3人の子どものママ/会社員。職場ではコロナ前から、働き方改革と生産性向上のために一部リモートワークが導入されていた。3月の最終週から完全な在宅ワークに。夫は公務員で自粛期間中も出勤。

Tさん

2歳1か月の子どものママ/会社員。昨年4月に育休から復帰し、時短勤務をしていた。リモートワーク不可の業種のため分散出勤制となり、週1日の自宅待機日に加えて子育て世代のための特別休暇の活用で、1営業日おきの出社。現在、夫は完全在宅勤務。

Fさん

4歳と1歳の子どものママ/会社員。現在育休中。4月に復帰の予定だったが、リモートワークが難しい職場であることから、6月まで育休を延期した。夫も在宅勤務。

T(司会進行)

出産準備サイト編集部員。1歳の子どものママ/会社員 昨年7月に育休から復帰。会社の裁量労働制度を利用して、朝は定時より30分早く出社し、夕方は4時までという形の時短と、有給休暇の取得による週4日勤務という働き方をしていた。4月からは完全リモートワークとなっていた。夫も在宅勤務を経験。

 

在宅勤務&保育園休園の中、仕事と子育ての両立を頑張った2か月間

仕事と子育ての両立

T:外出自粛の中で、日本では多くの企業でリモートワークが本格的に始まりました。みなさんのご家庭では働き方にどんな変化がありましたか?

Jさん:保育園を休園にするという区からの通達があった4月7日から、私の会社では全業務をリモートで行うことにしました。クライアントさんもほとんど在宅勤務になったので、予定していた打ち合わせをリモート会議に切り替えるなどして、比較的スムーズに対応できていると思います。リモートだから、やりにくかったということもなく、それはひとつ大きな発見でもありました。また夫も在宅勤務となったので、ほとんどの時間を家族みんなですごすようになりました。

Hさん:私の場合、4月1日付けで異動があり、これまでと全く違う部署に配属になったばかりだったのに、翌日から完全リモートワークになりました。新しい職場には行けずじまいのまま慣れない業務に取り組むことになった上、その1週間後には保育園も休園に…。夫もリモートワークで家にいたので、ふたりで仕事をしながら子どもたちの世話をしています。

Iさん:もともとリモートワークの比率が高かった私の職場では、3月の最終週から完全在宅勤務になりました。クライアント訪問はなくなり、オフィスへの出勤もゼロ。ただ、うちは夫が公務員で、自粛期間も週5日出勤していたので、私ひとりで仕事をしながら、7歳、5歳、2歳の3人の子どもを見なければならなかったのはやっぱり大変でした。

Tさん:私の職場は業務の特性上、在宅勤務がありません。代わりに70~80%の分散出勤となり社員全員に週に1日程度“自宅待機日”が回ってきます。加えて私の場合は、子どもの休園・休校のための「特別休暇」を使っておりましたので、1日おきに自宅にいるような状態です。なお夫は週5の在宅勤務になっていて、4月~5月と保育園も登園自粛が続いていたので、私が出社している間は、夫は仕事になっていなかったと思います。

夫の在宅勤務

Fさん:私は4月中に育休から復帰する予定でしたが、この状況になって6月まで延長することにしました。会社にはもともとテレワークという働き方はなかったので、今回急遽一部の社員に導入したのですが、研究職の私の部署は該当するかが微妙なところで…。上司から「育休を延ばした方がいい」とすすめられ、それに従っています。夫は緊急事態宣言後にリモートワークを始めました。

T:突然始まった保育園の登園自粛要請には驚きましたが、当時(4月上旬)は感染する方が増加していたので、親としても不安が大きくて、「子どもを守るためには在宅の仕事と子育てを同時進行で頑張るしかない」と思いましたよね。

Jさん:子どもふたりの面倒を見ながらの在宅ワークは大変です。オフィスで集中して働いている時に比べると、仕事量は8割減…。夫も仕事をしなければならないので、最初のうちはどちらの仕事を優先するかで揉めたりもしました。そこで、大きなカレンダーに「この時間は大事なリモート会議がある」とか「この時間はどうしても仕事をしたい」とか、お互いの予定を書き入れてスケジュールを調整することにしました。完全に平等ではなくても、仕事の情報を共有しておくことで、子育てと仕事を協力してやっていけたのではと思います。それでもメールや資料づくりなどの事務作業のための時間はどうしても足りなくて、睡眠を削って仕事をすることもしばしばでした。うちの子どもたちは朝6時には起きるので、そういう時は本当につらかったですね。

Hさん:うちもJさんと同じで、夫とリモート会議のスケジュールを共有しながら、交代で子どもを見て仕事をしていました。私の会社は朝5時からリモートワークを始められましたし、夫は6時50分始業ということになっていましたから、ふたりとも一番早い時間から仕事を始められるように早起きして頑張りました。うちの子は放っておいたら8時半ぐらいまで起きませんから、集中して仕事に取り組める朝の数時間は本当に貴重でした。

在宅での早朝ワーク

T:早朝ワークですか。それはいいですね。Hさんが5時で、ご主人は6時50分始業…これは、それ以降の時間帯でなければ仕事をしてはいけないという会社のルールがあるわけですよね?

Hさん:そうそう。それより前に仕事をすると深夜残業の時間帯になってしまうんですよね。要はモバイルパソコンを使うと、どの時間に仕事をしているかが会社にわかってしまう。もともと社員の働きすぎをセーブするためのシステムなのですが、今回のようなケースではちょっと不便な気もしました。

Iさん:私は5月に転職したのですが、3月末から後任との引き継ぎも難しくなってしまったので、当初は有給消化期間にする予定だった4月を、後任の引き継ぎ業務に使いました。もともと、子どもの発熱で休まなければいけない時などにリモートで打ち合わせをすることもあったし、オンラインで仕事をしている時に横で子どもが騒いだりしても、「ごめん、ちょっと子どもにおやつあげて来ていい?」とか気軽に言える会社だったこともあり、やりづらさはなかったです。でも完全在宅勤務だと、どうしても子育ての合間に仕事をするみたいな感じになってしまうので、仕事はなかなかこなせませんね。

完全在宅勤務だと、子育ての合間に仕事をするみたいな感じ

Tさん:うちの夫の会社はオンライン化が進んでいなかったので、4月中は在宅でできる仕事はそんなに多くなかったんですよね。でも連休明けからリモート会議が入るようになってからは大変です。私が1日おきに出勤しなければいけないので、そんな日は、夫は子どもの世話をしながら仕事をしないといけない。どうしても外せない会議のときは、子どもに好きなテレビ番組を見せるなりして、どうにかしのいでいたようです。

Jさん:Tさんがいない日は、ご主人も大変だったでしょうね。わが家は私も夫も午前中10時ごろまではあまり仕事を入れないようにして、子どもたちがからだを動かして遊べるように家族みんなで外に出るようにしていました。公園が空いている朝の1時間に縄跳びや自転車でママ・パパとからだを動かせば、子どもたちは一応満たされるようでした。その後はタブレットを持たせたり、映画を見せたりして、親たちは仕事に集中するのが日課でした。

Hさん:年齢や性格もあると思うんですけれど、4歳の子は、「ママがお仕事しているなら、私もする」と言っておもちゃのパソコンを広げたりとか、ひらがなの練習をしたりとか、何でも親の真似をしたがるんです。そこで私は「これからしばらくはお互い集中してお仕事を頑張ろうね」と声をかけるようにしました。下の子もいるのでずっと静かなわけではありませんでしたが、上の子だけでも30分ぐらいは我慢してくれるので、ずいぶん助かりました。

次のページ 子どもの成長を普段以上に実感できた、という幸せも

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