小学生に上がるまでスマホはNG?
乳幼児のスマホ利用を控えるべき明確な理由とは

2020.09.17

ミキハウス編集部

小さな子どもへのスマホの影響は大人の場合よりも深刻です

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2019年6月14日に静岡県浜松市で開かれた日本弱視学会総会と日本小児眼科学会総会の合同学会では、子どもや若者で問題になっている短期間に片方の目の瞳が内側に寄って左右の視線がずれる「急性内斜視」にはスマホなどの過剰使用が影響している可能性があることが発表されました(※3)。

内斜視というのはどちらかの目が内側に寄ってしまって視線がずれてしまう状態を言います。内斜視になると立体的にモノを見ることができなくなります。

内斜視とは

「両眼で立体的にモノを見る能力も6歳ぐらいまでに急速に発達します。にもかかわらず、ベビーカーに乗っているうちからスマホを見ている子どもたちも少なくありませんね。眼位(左右の目の見ている方向)も眼球運動も不安定な時期からのスマホの使用はとても心配です」(富田先生)

またスマホがからだに与える影響を考える時、デジタル機器の普及とともに取り沙汰されるようになったブルーライトの問題も忘れることはできません。ブルーライトは日光に含まれているもので、昼間たくさん浴びたブルーライトが日没とともに消えると、メラトニンという睡眠ホルモンが分泌されて眠たくなってきます。ところが夜遅くまでブルーライトを浴びていると、睡眠のパターンが崩れてしまうと言われています。

「スマホから出るブルーライトの量は多くはないものの、子どもの場合は目との距離が近いので影響が大きい」と富田先生は言います。ブルーライトは子どもの目に悪いというよりも生活習慣の乱れにつながるということのようです。

言うまでもなく、スマホは非常に役立つツールです。それは子どもにとっても同じ。使いこなせることになることで得られるメリットも多くあります。しかし、子どもを育てるママ・パパとして「確実に存在する悪影響」については、しっかり認識しておいた方がよいでしょう。

もちろん子育ては理想的にできるとは限りません。見せたいとは思っていないけど、仕方なく見せることもあるかもしれません。そうであれば、なおさらスマホの影響をきちんと知って、与え方について考える必要がありそうですね。

<参考資料>
富田 香(とみた かおる)

平和眼科(東京都豊島区)院長、眼科専門医 慶応義塾大学医学部卒業 国立小児病院(現・国立成育医療研究センター)眼科等を経て、1987年より現職。眼科一般のほか、小児眼科が専門。弱視や斜視の診療のほか、先天疾患による視力障害をお持ちのお子さん、発達障害のお子さんの診療や支援も行っている。

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