【小児科医・高橋孝雄の子育て相談 特別編】vol.3 
相談「刺激の強いアニメ作品…見せない方がいいですか?」ほか

小児科医 / 高橋孝雄先生

音に非常に敏感で、映画館はもちろんのこと、 お祭りやパレードなどの音でも怖がります。

【相談2】
音に非常に敏感で、映画館はもちろんのこと、
お祭りやパレードなどの音でも怖がります。
理由を聞いたところ音がうるさいと話します。
大人になってくれば治りますでしょうか。(みーたん)

音に非常に敏感で、映画館はもちろんのこと、 お祭りやパレードなどの音でも怖がります。

I:続いても先程と同じお母さんからの相談です。音に非常に敏感だというお話ですが。

高橋先生:この内容だけでは何とも言えないんですが、映画館やお祭り、パレードということは、割と大きな音を怖がるのかなと。ただ先程の「鬼滅の刃」の話を聞くとそれだけとも言えないかもしれませんね。いずれにしても音に敏感な子どもっていますよね。一般にも知覚過敏と言って、触られることに敏感だったり、味覚に過敏で極端な偏食になったり。多くの場合は個性のようなので、気にする必要はないと思います。知覚という刺激は子どもの発達にとって重要なんですよ。大人になると治るでしょう。

I:相談者のみーたんさんも一安心できますね。

高橋先生:ただ一つの可能性として、このお子さんは違うとは思うのですが、自閉症のお子さんで、音に非常に敏感、あるいは触られることに非常に敏感な場合があります。そういう場合の知覚過敏に対しては、自閉症についてのサポートが必要になります。繰り返しますが、このお子さんは決してそうではないと思います。が、もし自閉症かな、自閉症による知覚過敏、聴覚過敏ではないかなとご心配でしたら、コミュニケーションの問題、特に言葉の発達をチェックしてみてください。自閉症についてネットで調べれば、具体的な症状が書いてありますから調べてみても良いかもしれませんね。

ネットで調べると、いろいろ書いているので不安が掻き立てられることもあると思うのですが、そういう場合は特にどこに注目すればよいでしょうか?

I:ネットで調べると、いろいろ書いているので不安が掻き立てられることもあると思うのですが、そういう場合は特にどこに注目すればよいでしょうか?

高橋先生:そうですね、 例えばADHD では、日常生活に支障をきたしているか否か、というのが一番大事なポイントです。自閉傾向が気になる場合についても、日常生活に支障をきたしているかどうかっていう視点で判断していただければと。ちなみに、うちの子は自閉症じゃないか、ADHDじゃないかと心配されるお父さんやお母さんがよく僕の外来に相談にみえますが、日常生活上、本人にとってはなんの差し支えもないことが多いんですね。そういう場合は「個性」と考え、気にする必要がないことがほとんどです。

I:ありがとうございます。今回のふたつの相談内容、いずれも興味深かったです。特に、刺激の強い映像を見せることについては、5歳と2歳の子どもを持つ親としても気になっていたところでした。ちなみに我が家の5歳は、「鬼滅の刃」はまだ怖いようなので見せていません(笑)。いずれ一緒に見られるようになったら、じっくり楽しみたいと思います。


〈子育てアレコレ相談室〉のレポート記事第三弾、いかがでしたでしょうか。次回以降も、別のテーマについての相談内容をご紹介していきますので、お楽しみに!

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