育児の悩みを本音で語る 子育てパパ座談会(前編)

今年4月からパパの育休取得推進を企業に求める法律が施行されるなど、パパの子育てを後押しする仕組みが整いつつある日本。それでも男性の育児・家事への取り組みは十分ではないと言われていて、メディアやSNSでパパの育児に対するママの不満が共感を集めることも少なくないようです。

原因は日本の企業風土や根強い男女の役割分担意識にあると言われていますが、当事者のパパたちは何を思い、子育てにどう取り組んでいるのでしょうか。今回は3歳までの子どもがいるパパ4人にリモートで集まっていただき、座談会を開催。よりよい明日の子育て環境のために、パパたちの子育ての現状と悩みを本音で語っていただきました。

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パパは子育てのどんなところに悩んでいる?

パパは子育てのどんなところに悩んでいる?

編集担当I(以下編集I):本日は子育てをがんばっているパパ4人にお集まりいただきました。みなさん、育児へのかかわり方はそれぞれだと思いますが、今回は育児の悩みにフォーカスして、リアルな声を聞かせていただければと考えています。おります。みなさんがどういう悩みを持っていて子育てに向き合っているのかを可視化することで、少しでも日本の子育て環境をよくできたらな、と考えています。

初めに伺いたいのはママとの育児分担の割合です。平成21年度に内閣府が実施した調査でも、夫婦の家事・育児の分担の割合が発表されています。その意識調査にならい、パパ視点での自己申告で、家事・育児の総量を10とした場合、夫婦での分担割合についてお答えいただけますか。合わせて、どうしてそのような割合となったのか教えてください。

Aさん:うちの場合は、僕が3割で残りの7割が妻としました。娘が生まれる前はおっぱい以外の世話は全部僕がやろうと張り切っていて、実際に今より間違いなく子育てをしていました。昼間僕がリモートワークをしている間だけ子どもの世話をしてもらい、夕方仕事が終わった僕が子どもを見ながら、掃除、洗濯、皿洗いなど家事全般をやっていましたね。妻がゆっくり眠れるように寝室も分けて、僕が子どもを寝かしつけ、夜中に泣いたらミルクをあげるという毎日でした。体力的には相当きつかったです。

編集I:文字通り寝る間も惜しんでの子育てですね。それがどういう経緯でパパ3:ママ7の割合に?

Aさん:妻も産後しばらくしてから徐々に体力が回復してきて家事を分担してくれるようになって、まず分担割合が5:5になりました。そこでキープできればよかったんですけど、僕がとにかく料理が苦手で、料理を妻に任せるようになり、全体的に妻の負担が多くなってしまいました。

娘が1歳9か月になった今、自分ではできるだけ分担しているつもりですが、作業として可視化できない部分を妻がやってくれています。たとえば保育園のノートの書き方を見ても、妻は常に自分事として娘の成長を細かく見守っていて、僕にはそういうことはできていない。そんな妻と比べると僕は3割もできておらず、2割程度かもしれないと思うこともあります。

Bさん:ウチは5:5ですね。結婚した時から現在まで、家事はほとんど僕がやっていますが、総合的に見たら5:5。子育てに対する意識という面では僕もAさんと同じで、細かやな気づき、子どもへの眼差しなど、時間や作業量では計れない部分では、妻には全くかなわない。それだけなら0:10かもしれないぐらいです。

妻は妊娠・出産をひとりで引き受けてくれたし、子どもに母乳をあげてくれた。保育士なので、職業柄子育てに関する知識もすごく豊富で、学ぶことが多い。今は保育園の送り迎えは妻で、家での育児・家事は僕がメインなので、物理的に育児・家事をこなしているという意味では5:5ぐらいなのかなと思います。

編集I:5:5って、子育て世代のパパたちが目指すべき理想だとは思いつつ、ご指摘のように物理的な育児と精神的な育児は違うものですし、それらを細かく捉え直すと、そもそもの分担割合が変わってきそうですね。Cさんはいかがですか?

Cさん:僕は姉が2人いる家庭で育ち、母から「これからの時代は女性も外で働くのが当たり前になるから、あなたもちゃんと家事ができるようになりなさい」と子どもの頃から言われていました。おかげでゴミ捨てとか、食後の片づけ、洗濯などだいたいの家事はやっているのですが、Aさんと同じで料理は苦手ですね。

Cさん:ですから、割合でいうと僕が3割で妻が7割といったところでしょうか。ただ僕も妻も医師として働いているので、家庭の都合で仕事を調整するのが難しいんですね。そのため両方の母たちのどちらかに息子の世話を頼むこともあり、実質の子育て状況は妻6:僕3:母たちで1ぐらいかも。

Dさん:うちも僕が3割、妻が7割ですね。結婚当初は共働きなんだから家事は全部5:5でやっていこうと話していたんですが、現実はそうもいかず。営業職の僕は朝早く仕事に出て夜7時、8時にならないと帰れなくて。子どもが生まれて、妻が育休で家にいるようになったら、どうしても育児や家事の負担が妻に掛かっていてしまって7:3ぐらいになっていましたね。

そういえば、最近職場復帰した妻に自分の時間を作ってあげたかったので、5月の連休は僕と息子だけで実家に帰ってきました。うちの両親は僕がおむつを替えて食事をさせるのを見て驚いていましたけど、僕はもっと子育てをしたくて、せめて6:4ぐらいでやれるようになりたいです。

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