育児の悩みを本音で語る 子育てパパ座談会(前編)

産後クライシスで妻から辛辣な言葉を投げかけられたことも…

編集I:子育てについてのママと見解が相違することとかってどれくらいあります?

Aさん:違う人同士なので、もちろん見解の相違はそれなりにありますよ。リスクに対する感覚は結構違っていて、たとえば僕が家事をしながら子どもを遊ばせていると、「なんでそこで目を離しているの」って言われることがあって。まったく見てないわけではなく、危ないことをしていないかちゃんと気をつけているつもりだけれど、妻からするとそれでは「足りない」と。でも、家事をしているわけだからずっと凝視するわけにもいかないじゃないですか。

もちろん妻がすごく真剣に子どもを気にかけているのは分かるけれど、僕には僕の接し方があるわけで、それが足りないと言われると、少しだけイラっとすることも(笑)。

Bさん:その話で思い出すのは、いわゆる「ガルガル期」のときの妻のエピソードです。まぁ、息子が0歳の頃って妻はとことん疲れていたと思うんです。慣れない育児にオタオタしている僕に我慢できなくなって、突然怒ることがありました。

編集I:「ガルガル期」は産後の女性がホルモンバランスの乱れなどで情緒が不安定になる時期ですね。この時期、周囲に対してつい攻撃的な態度を取ってしまうママもいるようです。

Bさん:ウチの場合、コロナ禍の里帰り出産だったので産後はしばらく離れて暮らしたから、より「わたしの子なんだからね!」という意識が強かったんだと思うんです。もちろん産んだのは妻なんだけれど、ことあるごとに辛辣な言葉を投げられて「いや、俺の子でもあるんだけど…」って辛い気持ちになったのを覚えています。

Bさん:ただ、今の時期は仕方がないことと、すべて我慢して受け止めるようにしました。実際、本当にある時期をすぎたら妻のイライラもなくなってきて。子育ても(出産直後より)楽になってきたし、1歳ぐらいになると朝までぐっすり眠ってくれるようになって、妻の睡眠時間も伸びたことで少しずつ解決したといいう感じですね。

Aさん:産後クライシスについては、すべてのプレパパが知っておくべき知識だと思いますね。僕の場合は妻の妊娠を上司に報告した時、産後クライシスに関する本を強く勧められて読んでおいたんですが、あの本は本当に役に立ちました。妻のからだで何が起きているか、どうして人が変わったようになってしまうのかを学んでおけば、産後の妻に対するスタンスの取り方が分かります。そこで間違った対応をすると、何十年も夫婦仲に影響することもあるんじゃないですかね。

Bさん:僕も同感です。やっぱり知識は持っているに越したことはない。

編集I:出産前後の女性の体のこと、心のことを理解しておくことは大事ですよね。一方でそれをわかってパパがいくら一生懸命やっても、どうしてもカバーできないこともあるような気がしますね。Cさん、そのあたりはどうですか?

Cさん:子育てに関しては、父親には越えられない壁のようなものを感じることはありますよ。僕自身も従来の子育てのあり方、お父さんが外で仕事をして、お母さんが子育てや家のことをする、という価値観を変えていかなければいけなと思いつつ、動物的な観点でいうと子どもは母親を求めるもの。

息子が「ママ、ママ」と言っているところに僕が近づいて何かしても無力なもので…。そういうときに、仕方なく眺めていると「もうちょっと何かやってよ」と言われてしまうんです。そういう時は「何もできないんだけどな」と思いつつ素直に「気が利かなくてすみません」と謝ります。

編集I:それはすごくよくわかります。一方で「もっと小さいころから子どもに接していたら、そんな風にはならない」、「今までやってないから、ママを求めるのよ」とか言われると、パパとしてはぐうの音も出ないですよね(苦笑)。Dさんの目下の悩みはなんですか?

Dさん:今の一番の悩みは、妻と互いに外の仕事をしながら子育て・家事をどう分担するかというところですね。実は5日前から息子が熱を出していて、それが今日も続いているんです。

検査でコロナではないと分かったので僕はすぐに仕事に復帰したけれど、妻はずっと休みを取って子どもの面倒を見ていたんです。実は僕と妻は同じ会社の部署違い。でも僕は営業部で、お客さまとのアポイントを優先しなければならないことが多いので、融通が利きやすい事務職の妻に無理して休んでもらっているんです。

僕の部署の大変さもわかってくれてはいるので、理解はしてくれてはいるんですが「私ばかりが会社を休んで家のことをするのは無理だよ」とはっきり言われています。そこは本当に悩んでいますね。

編集I:みなさんそれぞれの悩みを抱えてらっしゃいますね。それだけ真剣に子育てに向き合っているからこその悩みなのでしょう。さてパパ座談会【前編】はこのあたりで。続く【後編】は現役子育て世代のパパ代表として、どうすれば日本のパパ子育ては前進するのか、という大きなテーマについてお話できたらと思います! 引き続きよろしくお願いします。

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今回、座談会に参加してくださったパパたちに、いつもの平日と休日のすごし方を聞きました。家事・育児と仕事、どちらもやっている時間帯もあるというパパもおり、そのあたりはリモートワーク時代ならではなのかもしれません。いずれにせよ、みなさんが子育てと仕事を精一杯頑張っている様子がうかがえますね。

【Aさんの一日】

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【Bさんの一日】

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【Cさんの一日】

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【Dさんの一日】

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