良質なたんぱく質やEPAやDHAなどの不飽和脂肪酸を多く含み、カルシウムを始めとする各種のミネラルの摂取源として健康的な食生活に欠かせない「お魚」。
しかし、食物連鎖の上位にいる大きな魚はメチル水銀を多く含むことがあるとされています。妊娠中に非常に多くのメチル水銀をとると、胎児の神経系に悪影響がでることがあるので、妊娠中は大型の魚の食べすぎには注意が必要です。
注意が必要な魚は、ミナミマグロ(インドマグロ)、マカジキ、メカジキ、キンメダイ、クロマグロ(本マグロ)、メバチなどです。詳しくは、厚生労働省「これからママになるあなたへ お魚について知ってほしいこと」をお読みください。
小型の魚類では生物濃縮が起こりにくいので、これらを食べ控える必要はありません。
魚食について神経質になりすぎる必要はありませんが、いろいろな種類の魚を食べ、一部のメチル水銀の多い魚ばかり食べることがないように心がけてください。
以下、厚生労働省が発表している「食べても問題ない魚」のリストです。
特には注意が必要でなく、バランスのよい食生活に取り入れてよいもの
また、厚生労働省では妊婦さんに対して、お刺身やお寿司など魚介類の生食への注意喚起はしていませんが、腸炎ビブリオなどの食中毒を起こした場合、お腹の赤ちゃんに影響が及ぶこともあるので、妊娠中は加熱したお魚を食べるようにした方が安心です。
大豆イソフラボンも摂りすぎに注意です。
良質なたんぱく質源の大豆も摂りすぎには注意が必要です。
大豆や大豆食品に含まれる大豆イソフラボンは、女性ホルモンに似た生体作用をもっています。大豆イソフラボンが胎児に与える影響については、さまざまな報告がありますが、食品安全委員会はこのような考え方を示しています。
「妊婦(妊娠の可能性のある方を含む)、胎児については、十分な試験データがあるとは言えず、将来的にどのような健康影響が生じる可能性があるかは判断できないことから、日常の食生活にさらに上乗せして摂取することは推奨できない」
食品安全委員会は、大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値は一般的な成人で、70〜75 mg/日(大豆イソフラボンアグリコン換算値)としています。
主な大豆食品の大豆イソフラボン含有量
サプリメントなどを含む”いわゆる健康食品”やソイプロテインなどの形では、通常の食品で食べるよりも多くの大豆イソフラボンを摂ってしまうことがあるので、注意が必要です。 たんぱく質を摂るには、大豆や大豆食品、魚や肉などを、普通の食品形態でバランスよく食べましょう。
前編、後編と“ママになる女性”や周りの方々に知っていただきたい食の情報をまとめてきました。食にまつわる情報はさまざまありますが、まずチェックしておきたいのは国の機関や医療機関がデータをもとに発表している公開情報だと思います。シンプルにわかりやすくまとめてくれているので、下記の参考欄から閲覧してみてくださいね。
〈参考〉
◆内閣府食品安全委員会「お母さんになるあなたと周りの人たちへ」
◆厚生労働省「リステリアによる食中毒」
◆厚生労働省「ここれからママになるあなたへ お魚について知ってほしいこと」