細川モモさんに教わる 離乳食と食育の深い関係

2017.12.28

ミキハウス編集部

赤ちゃんの味覚はデリケート やさしい味が基本です

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視覚、聴覚などと並ぶ人間の五感の一つに味覚があります。味覚の基本となるのは、「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」「うま味」の五つの味。食物の中にどんな成分が含まれているかは、それらの味を感じることで知ることができるそうです。

「甘味は炭水化物などのエネルギー源が含まれていることを伝えます。塩味はカルシウムなどのミネラルが含まれているシグナルで、うま味は体をつくるたんぱく質を含んでいるシグナルになります。いかに命の存続にとって栄養が大切かを物語っていますね。赤ちゃんは、五つの味が意味するものを生存本能として知っていると言われています。そのため酸味は腐ったもの、苦味は毒として認知するので苦手なんです」(細川さん)

離乳食期の赤ちゃんには、砂糖や脂肪の快楽を覚えさせる前に、魚介類やキノコ類のうま味がとくに強い食材を与えてうま味をしっかり教えることが、大きくなってからの生活習慣病の予防につながる、と細川さん。そんな細川さんがおすすめするのは「カツオだし」です。カツオ節は赤ちゃんに不足しやすいヒスチジンというアミノ酸が豊富なだけでなく、DHAという脳神経や視力の発育を助ける脂肪酸を含んでいて、うま味が強く、食事の満足感を高める作用があるそうです。

「うま味の強い食材は、調味料をいれなくても美味しいんです。『白身魚で煮込むリゾット』や『鶏肉の野菜スープ』など。そういう意味で素材の味を生かした和食は理想的な離乳食になります。うま味のあるやさしい味に慣れていれば、塩分や糖分を取りすぎることもありません。フライドポテトやジュースなどを小さい頃から頻繁に食べていると、糖質・脂質を過剰に摂ることにつながりますし、将来の体型や健康を左右する味覚にも影響を与えると言われていますから、注意が必要です」(細川さん)

食感や舌ざわり、温度、におい、彩りも食べ物の美味しさを左右するものですね。

「赤ちゃんが好む味でも、ペットリお口に張り付いたり、お口に入れてパサパサ、ザラザラするのでは、上手に食べられなくて苦手になってしまうかも知れません。食べやすく工夫したものを彩りよく盛り付けたり、美味しそうな匂いが立つように火を通すと、食欲増進につながるようです」と細川さんはアドバイスします。

料理が苦手なママは困ってしまいそうですが、心配はいりません。現在、ミキハウス「出産準備サイト」では、細川さんの「離乳食がわかる動画」を公開しています。この記事の最後にご案内がありますから、覗いてみてください。

 

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